欠場者を抱えるなかで迎えたアルバルク東京とのGAME1。秋田ノーザンハピネッツにとって、この試合はただのアウェーゲームではありませんでした。
強豪相手にどこまで我慢できるか、そして限られた戦力のなかでもチームとして同じ絵を描けるかが問われる、重たい一戦だったと思います。
実際、立ち上がりの守備強度そのものは悪くありませんでした。
気持ちは入っていましたし、簡単に外を打たせない意識も見えました。ただ、そこで必要だったのは熱さだけではなく、落ち着いて正しい場所へ立ち、正しい判断を重ねることです。
ところがこの日の秋田は、3Pが入っているのに試合の主導権を握れず、ターンオーバーとインサイド攻略不足で自分たちの首を締めました。
それでも、全部が絶望だったわけではありません。中山拓哉の3Pは鋭く、栗原翼は終盤までリングへ向かう意思を切らさず、アンジェロ・チョルも体を張って踏ん張りました。
だからこそ余計に悔しいのです。飛び道具はあったのに、試合の芯を奪い返すだけの遂行力がなかった。このもどかしさを、そのまま次戦への燃料に変えたい夜でした。
ターンオーバーを減らしましょう
ってビビるんじゃなくて
ターンオーバーになってもいいから
リムに向かってもっとガツガツ
アタックしていこうよ!!
3ピリ5分までの気迫を
明日は40分出し切るよ!!
明日!!明日!!
もう一回!!闘うよ!!💪😠😾🐸🔥
GO!!ハピネッツ!!#akitanh pic.twitter.com/iIDRM7xWff— ただのおじさん (@go_vickies) January 3, 2026
今日の試合の注目点
- 赤穂雷太、アリ・メザーを欠くなかで、秋田がどこまでローテーションを崩さず戦えるか
- アルバルク東京のインサイド陣、セバスチャン・サイズとブランドン・ディヴィスに対し、秋田がペイントを守り切れるか
- 秋田の3Pがどこまで試合をつなぎ、そこから中への攻撃へ広げられるか
- PG陣を中心とした意思疎通と遂行力で、ターンオーバーを減らせるか
試合結果・速報
2025-26 B1 4/4(土)第29節 VS アルバルク東京GAME1
| Q | アルバルク東京 | 秋田ノーザンハピネッツ |
|---|---|---|
| 1Q | 29 | 18 |
| 2Q | 20 | 14 |
| 3Q | 18 | 17 |
| 4Q | 18 | 19 |
| FINAL | 85 | 68 |
| チームスタッツ | アルバルク東京 | 秋田ノーザンハピネッツ |
|---|---|---|
| 2P | 25/38(65.8%) | 12/34(35.3%) |
| 3P | 5/25(20.0%) | 12/24(50.0%) |
| FT | 20/23(87.0%) | 8/13(61.5%) |
| リバウンド | 37(OR7/DR30) | 36(OR9/DR27) |
| ターンオーバー | 7 | 16 |
| ポイントフロムTO | 13 | 7 |
| ペイント内得点 | 40 | 16 |
| セカンドチャンス | 8 | 8 |
| ファストブレイク | 11 | 8 |
| ベンチポイント | 25 | 25 |
数字だけ見れば、不思議な負け方にも見えます。秋田は3Pを12/24で50.0%沈めました。
ここだけ切り取れば、むしろ勝ち筋があってもおかしくない数字です。ところが現実は17点差負け。この試合を支配したのは外の確率ではなく、ターンオーバー16と、ペイント内得点16しか取れなかった攻撃の細さでした。
アルバルク東京の3Pは5/25で20.0%。外が当たらないなら秋田にも十分チャンスはあったはずです。
それでも東京は慌てませんでした。サイズとディヴィスを軸にゴール下を確実に仕留め、ずれができたら中へ、中へと刺してきます。
派手ではないけれど、重くて硬い。雨の日にじわじわ服の裾が濡れていくように、秋田は少しずつ試合の体温を奪われました。
試合内容・ゲームの流れ
1Q 守備の気迫はあった、それでも29失点は重すぎた
立ち上がりは、両チームとも守備の意識が高く、簡単に気持ちよく打たせない空気がありました。
だからこそ、先に落ち着いて形を作ったほうが主導権を握る展開だったと思います。
そこで東京は、ディヴィスがゴール下でしっかり決め切り、さらにエンドワン。秋田にとっては出鼻をくじかれる入りになりました。
しかも早い時間帯に栗原がファウル2つでベンチへ下がる苦しい流れ。スターターのガードが序盤から制限されると、ボール運びも組み立ても一段苦しくなります。
その間に東京は中を使い、秋田はショットクロックバイオレーションを2度も犯しました。
これがかなり痛かったです。外したならまだしも、打てずに終わる攻撃は、相手に守備の自信まで渡してしまいます。
それでも秋田に希望がなかったわけではありません。ピンダーが3Pを沈め、中山も外から返す。
小酒部のドライブもあり、飛び道具そのものは機能していました。ただ、その一方で東京は2ポイントを丁寧に積み重ねていきました。
外が入ると流れをつかめた気になりますが、本当に試合を動かすのは土台です。
秋田は3Pで会場を揺らしても、東京は2Pで試合を動かしていた。この差が1Qの18-29にそのまま出ました。
2Q ようやく反撃の形は出たが、遂行力の差が点差を広げた
2Qは、秋田にも追い上げる材料が見えました。ウェッツェルがインサイドで合わせ、中山が外から射抜き、チョルがリバウンドで続ける。
さらに中山のスチールから髙比良の速攻につながるなど、秋田らしい守って走る形も出ています。25-37、30-43と差を詰めそうな瞬間もありました。
ただ、ここで東京は慌てません。人もボールもよく動き、秋田の守備が半歩ずれたところを逃さず、またペイントへ戻していきます。
エンドワンを許す場面も多く、秋田は守れているようで最後の一歩が間に合わない。扉の鍵は閉めたのに、窓が少し開いていたような守備でした。
栗原の高速ドライブはこの時間帯の見どころでした。あのアタックは、固まりかけた空気を一気に割る力があります。
チョルの連続得点もあり、会場の流れをひっくり返せそうな雰囲気は確かにありました。
それでも流れをものにできなかったのは、ターンオーバーが止まらなかったからです。
良い守備や良い3Pが出ても、その直後にミスが出る。せっかく熱々の鍋ができたのに、運ぶ途中で何度もこぼしてしまうような感覚でした。
東京はタイムアウト後の修正も見事でした。秋田が勢いに乗りかけると、すぐに2ポイントで落ち着かせる。
32-49で前半終了。この17点差は、爆発力の差というより、正しい判断を嫌がらず続けたチームと、熱さのなかで判断が揺れたチームの差に見えました。
3Q 中山の3Pは光った、それでも流れを変えるには足りなかった
後半の入り、秋田はピンダーが1対1を仕掛けるなど、何とか前へ出ようとします。
ただ、東京は落ち着いてゴール下を決め、サイズがリバウンドからエンドワン。32-53となった場面はかなり重たかったです。
しかも栗原がファウル3、ピンダーもファウル4。追い上げたい時間帯に、攻守の軸がファウルトラブルで自由を失っていきました。
そんななかで会場の空気を少し変えたのが中山拓哉です。
キャッチアンドシュートの3Pは本当に見事でした。
ボールを受けた瞬間の迷いのなさ、放物線のきれいさ、そしてリングを裂くように落ちる感覚。
あの一本には、昔の秋田を支えたシューターを思い出したブースターも多かったはずです。苦しい展開でも、撃つべき場所で撃ち切る。その覚悟は確かに伝わりました。
栗原のアタックからチョルのゴール下につながった場面も良かったです。
40-54まで戻した時間帯には、まだ何か起こせるかもしれないと思わせるものがありました。ただ、そこでまたターンオーバー。
惜しいでは済ませにくいミスが続き、東京に後手を踏まされます。
この試合、秋田は3Pが当たっていました。にもかかわらず、相手に一番嫌がられるはずの連続加点へつながりませんでした。
理由はシンプルです。外の得点が、次の中へのクリエイトにつながらなかったから。3Pは武器でしたが、武器のままで終わり、試合全体を支配する設計図にはならなかったのです。
4Q 栗原は最後までリングをこじ開けた だからこそ周囲の奮起が欲しい
4Q、秋田はピンダー、ウェッツェル、チョルのビッグラインナップも試しました。
サイズに対抗する意思は見えましたし、守備で踏ん張ろうという姿勢もありました。
ただ、その構想も長くは続きません。ピンダーが痛恨のファウル5で退場。残り時間を考えると、あまりにも苦しい展開です。
それでも栗原は止まりませんでした。外国籍の間を割ってドライブし、エンドワンまで持っていく。
あの細い道を恐れず突っ込む姿勢は、この試合で最も胸を打った部分のひとつです。61-80となっても、リングへ向かう勇気だけは切らさなかった。
言い方は厳しいですが、あの時間帯にもっと多くの日本人選手が、栗原と同じくらい強く中へ刺してほしかったです。
もちろん、全員が怠けていたわけではありません。髙比良は合わせで絡み、チョルは体を張っていました。
ただ、東京の外国籍が作る圧に対して、秋田の日本人がどれだけ試合を押し返せたかと問われれば、物足りなさは残ります。
外が入る日は気持ちよく打ち続けたくなりますが、勝負どころで必要なのはもっと泥臭い一歩です。
靴が汚れても、肩が当たっても、リングの真下まで行く執念。その回数で東京に負けました。
終盤はガベージタイムに入り、東京はオンザコート0。岩屋が3Pを沈める場面もありましたが、大勢は変わらず68-85で終了。
最後のスコア以上に、試合の最初に作られた空気を取り返せなかったことが痛かったです。朝に寝坊して一日中リズムを戻せないような、そんな負け方でした。
スタッツで刺さる敗因 3P成功率50%でも勝てない理由
この試合は、数字の読み方がとても大事です。秋田は3P成功率50.0%と、外だけ見れば十分すぎる内容でした。
中山が15得点、髙比良も4得点4アシスト、岩屋が9得点、ウェッツェルも8得点。ベンチポイントも25で東京と同じ。
普通ならもう少し接戦になっていい数字です。
それでも大差になった最大の理由は、2P成功率の差です。
東京は25/38で65.8%、秋田は12/34で35.3%。しかもペイント内得点は40対16。
これはもう、家の土台の広さが違うレベルでした。東京は中で作り、中で決め、中でファウルをもらう。秋田は外でつなぎ、外で耐えたけれど、内側の部屋まで入っていけなかった。だから勢いが点差に変わりにくかったのです。
さらにターンオーバー16は重すぎます。相手の7に対して倍以上。
リバウンド差が1本しかないのに試合にならなかったのは、この部分が大きいです。
守備で我慢して、ようやく一本決めて、さあここからというところでミスが出る。これでは流れが根付きません。
良いプレーを積み上げるより、悪いプレーで自分たちの足場を崩した回数のほうが多かったと言わざるを得ません。
そしてフリースローも8/13の61.5%。大差の試合では細かい数字に見えるかもしれませんが、こういう試合ほど止まった場面の1点が効きます。
特に追い上げムードを作りたい時間帯では、フリースローは呼吸を整える場所です。そこを取り切れないと、試合の波を自分で静かに消してしまいます。
今日のスポットライト 中山拓哉の3Pは夜空に刺さった、それでも次はそれだけで終わってほしくない
この試合の秋田で最も印象に残った選手を挙げるなら、中山拓哉を外しにくいです。
15得点、3Pは4/7。数字だけでなく、苦しい時間帯でもボールを受けて迷わず撃ち切る姿勢が良かったです。
守備で押し込まれ、オフェンスが停滞し、会場の空気が相手色に染まりかけたとき、それでもリングに向けて矢を放ち続けた。あの姿勢には価値があります。
特に3Qの一本は印象的でした。秋田が重たい流れのなかで、やっと息を吸い直せるようなシュートでしたね。
真っ暗な部屋に細くても確かな光が差し込むような感覚がありました。あの一発で、中山はこの試合の希望を背負っていました。
ただ、ここで甘やかしたくはありません。中山の3Pがこれだけ当たった日だからこそ、次に求めたいのはその先です。
外が入ったあとに、ディフェンスを一歩引きつけてドライブへ行くのか。合わせを呼ぶのか。
チーム全体の次の一手を生み出せるのか。シューターとしての存在感は十分見せました。ここからさらに、試合の流れを操作する選手へ進んでほしいです。
そして栗原翼にも触れないわけにはいきません。
9得点と数字は控えめでも、この試合で最も中へ向かう意志を見せたのは栗原でした。ファウルトラブルを抱えながら、それでも終盤にドライブで切り裂いていく姿は頼もしかったです。
栗原がこじ開けたあの細い通路を、次はチーム全体で太い道にしてほしい。そこが次戦の鍵です。
ミックHCと栗原の言葉が突き刺さる 敗因は気持ちではなく遂行力
試合後、ミック・ダウナーHCは非常にフラストレーションの溜まる内容だったと振り返りました。
A東京のポイントガード陣がゲームをコントロールし、ディフェンスで崩れたところを逃さず、外国籍ビッグマンがペイント内で沈めてきた遂行力を高く評価しています。
そして秋田については、第1クォーターからターンオーバーで始まり、ゲームプランを遂行できなかったことを悔やみました。
このコメント、かなり本質だと思います。
よくある負け試合なら、気持ちが見えなかったとか、相手が強すぎたとか、そういう言い方にも逃げられます。
でもこの試合は違います。秋田にも武器はありました。3Pは入っていましたし、守備の気持ちもありました。
だから敗因は、単純な根性論ではなく、やるべきことを正しく続ける力の差なのです。
栗原翼のコメントも重いです。チームでやろうとしていたオフェンスを遂行できる場面が少なく、正しいことを嫌がらずにやり続ければチャンスはあったが、遂行力が足りなかったと語っています。
選手自身の口からこの言葉が出るのは、相当悔しいはずです。
ただ、逆に言えば修正点ははっきりしています。意思疎通、判断の連動、そしてインサイドへ向かう勇気。この3つを整理できれば、まだ変われます。
ハイライト動画
ミック・ダウナーHCコメント
試合結果詳細:
公式サイトの試合結果はこちら
最後に(まとめ)
負けた日は、つい全部ダメだったように感じます。
でも本当に見なければいけないのは、どこがダメだったかを曖昧にしないことです。この試合の秋田は、3Pが入ったのに勝てませんでした。
つまり問題はシュートタッチではなく、試合を進める筋道と、ペイントへ向かう勇気と、正しい判断を続ける遂行力にありました。
日常でもありますよね。頑張っているのに、なぜか結果がついてこない日。そういう日は、気合いが足りないのではなく、力をかける順番がずれていることが多いものです。
この試合もそれに近かったと思います。
外のシュートという華は咲いていました。でも根っこにあるべき連動と整理が足りず、最後まで大きな実りにはつながりませんでした。
だから次のゲームで見たいのは、単なる奮起ではありません。
栗原だけが中へ行くのではなく、日本人全体がもっとリングへ向かうこと。中山の3Pを単発で終わらせず、その先のドライブや合わせへ広げること。
髙比良も岩屋も元田も、もっと自分のプレーを怖がらずにぶつけてほしいです。
ウェッツェルとチョル、ピンダーも含めて、外と中の呼吸をもう一度つなぎ直したいですね。
がっかりした試合だったのは事実です。 でも、がっかりしたままで終わる必要はありません。
強い相手に負けることより、課題が見えたのに次へ持っていけないことのほうが苦しい。今回は課題がはっきり出ました。だったら次は、そこを直して見返せばいいだけです。
ブースターとしては悔しいですし、言いたいことも山ほどあります。
それでも最後は信じて送り出したい。雨に打たれた翌日に、チームがどんな顔でコートに立つのか。
そこに秋田の強さが出ます。次こそ、外の火力だけではなく、中から試合をひっくり返すハピネッツを見せてください。

