前半で沈んだのに、後半は戦えた。だからこそ、悔しさが強く残る試合でした。天皇杯王者アルバルク東京を相手に、秋田ノーザンハピネッツは74-98で敗戦。数字は重い。でも、ただの大敗で終わらせない材料も確かにありました。キアヌ・ピンダーが23点、ヤニー・ウェッツェルが20点。後半はディフェンスの温度を上げ、秋田らしい連動も見えた。とはいえ、勝負を決めたのは序盤、とくに1Qの入りでした。
今日は速報として結果を正確に押さえつつ、実況感を濃く出して流れを振り返ります。さらに、出場時間が短い選手の起用も絡めながら、攻めすぎない範囲で読み解きます。叱咤激励はする。でも、次へつながる光もちゃんと拾う。秋田ブースターの目が肥えているからこそ、密度濃くいきます。
今日の試合の注目点
最大テーマは最初の5分で受け身にならないことでした。前節の川崎戦は守備の強度と我慢強さが噛み合い、今季でも手応えのある勝ち方。だからこそ今夜は、強豪A東京相手に同じ温度で入れるかが最大のチャレンジでした。
A東京はボールと人が止まらない。スクリーンの質が高く、ひとつズレが生まれると一気にズレが連鎖する。秋田が本来の守備でスクリーンを外し、ヘルプの寄せを早くし、最後のクローズアウトまでやり切れるか。ここが崩れると、相手は迷いなく3Pとゴール下を選び続けます。
もうひとつの注目はフォスターへの対応。気持ち良く打たせない、簡単に走らせない、ズレたらすぐ次のカバーへ移る。トップチームほど、こういう細部を突くのが上手い。最後にリバウンド。守って終わる回数を増やさないと、A東京のもう一回が止まらない。今日の注目点は、この3点に集約されました。
試合結果・速報
2025-26 B1 1/28(水)第20節 VSアルバルク東京
秋田 74 アルバルク東京 98
| Q | 秋田 | A東京 |
|---|---|---|
| 1Q | 18 | 32 |
| 2Q | 14 | 22 |
| 3Q | 22 | 22 |
| 4Q | 20 | 22 |
| 合計 | 74 | 98 |
秋田スターティングファイブは、#2栗原翼、#10ヤニー・ウェッツェル、#12元田大陽、#17中山拓哉、#25キアヌ・ピンダー。序盤は秋田が硬く、A東京がのびのび。後半は修正して3Qはイーブン、4Qも食らいついたものの、前半のビハインドが重すぎました。
チームスタッツで見える差 外とリバウンドとフリースロー
3P成功率とセカンドチャンスの差が、点差の正体です。秋田は2Pで戦えているのに、外とリバウンドとFTで積み上げられてしまった。ターンオーバーの数が大差ではないだけに、強豪に強みの部分で上回られた試合と言えます。
| 項目 | 秋田 | A東京 |
|---|---|---|
| 2P | 24/46(52.2%) | 20/32(62.5%) |
| 3P | 5/21(23.8%) | 12/29(41.4%) |
| FT | 11/15(73.3%) | 22/25(88.0%) |
| リバウンド | 29(OR13 / DR16) | 39(OR14 / DR25) |
| ターンオーバー | 17 | 18 |
| セカンドチャンス | 8 | 15 |
秋田はFG29/67で43.3%。2Pは24本入っている。つまり、ペイント周りの得点は作れている。一方で、3Pは5/21。外が伸びないと相手の守備は収縮し、ドライブもポストも難易度が上がる。そこにリバウンド差とセカンドチャンス差が重なり、点差が広がっていきました。
この試合のリーダーズ 主役は誰だったか
ピンダーとウェッツェルが軸で戦える。この事実は大きいです。相手がA東京でも、個の力で崩せる時間はある。ただ、チーム全体で上積みが必要だという現実も同時に突きつけられました。
| カテゴリ | 秋田 | A東京 |
|---|---|---|
| 得点 | ピンダー 23 ウェッツェル 20 中山 11 | フォスター 24 サイズ 19 大倉 12 |
| リバウンド | ウェッツェル 8 | サイズ 9 |
| アシスト | 内藤 3 | 小酒部 6 |
ピンダーは3Pも決めつつ、終盤までアタックを止めない。ウェッツェルは2P中心で高確率のフィニッシュ。中山は外とFTでつなぎ、踏ん張りどころを作った。対するA東京はフォスターが24点で主導権を握り、サイズと大倉が要所で刺す。小酒部のゲームメイクが試合の流れを安定させました。
ゲームの流れ 前半で崩れ、後半で戻したが間に合わず
3Qと4Qは同点でも、前半の24点差が重かった。秋田は後半に修正できた。だからこそ、前半の入りの弱さが際立ちます。
1Q 硬い秋田、のびのびA東京 18-32
秋田は立ち上がりが硬い。寄せが遅い。スクリーンに引っかかる。ヘルプが一歩遅れる。するとA東京のパスが加速し、攻め手が増える。小酒部がミドルとアタックで秋田の守備を揺さぶり、フォスターは外も中も気持ち良く入っていく。1QでA東京が3Pを多く沈めた時点で、秋田の守備が相手の土俵に乗せられてしまった感がありました。
2Q 栗原のドライブで活路も、A東京の連動が止まらない 14-22
栗原がスピードのミスマッチを突いてドライブで得点し、秋田は食らいつこうとする。ピック&ロールからゴール下も作れた。ピンダーのバックドアパスから内藤が決めた場面は、秋田らしい読みが出た瞬間です。ただA東京は落ちない。ボールが止まらず、ズレを作り続け、3Pとゴール下を確実に回収する。前半で32-54。ここで試合の形がほぼ固まりました。
3Q ゾーンで空気を変える 22-22
後半、秋田はゾーンを使いながら守備の温度を上げる。スチールや速攻が出て、ピンダーのアタックも生きる。ウェッツェルのフィニッシュで反撃ムードを作った。A東京はサイズとピック&ロールで安定得点を続けるが、秋田もこのQはイーブン。遅れて入ったスイッチが噛み合った12分でした。
4Q 積み上げた差が最後まで残る 20-22
終盤、秋田は粘る。特別指定の小川が積極的にゴールへ向かい、得点を積み上げる。だがA東京は試合運びがうまい。オフェンスリバウンドからの追加点、フリースローでの加点、そして落ち着いたスペーシング。こちらの反撃の勢いを切らさない。秋田が後半に戻した守備でも、A東京の完成度が一枚上でした。
起用面の読み解き 短い出場時間が示すメッセージ
起用の答えは勝つための最適解を探した結果であり、断定はできません。ここは攻めすぎず、見えた事実から丁寧に読み解きます。
まず栗原の出場は16分30秒。試合中の流れとしては、後半立ち上がり付近でファウルが重なった場面があり、そこがプレータイムに影響した可能性が高いです。栗原はスピードでミスマッチを作れる貴重な武器。だからこそ、ファウルトラブルが絡むとコート上の選択肢が減る。秋田にとっては痛い部分でした。逆に言えば、栗原が長く出られる試合は、相手の守備の歯車をズラせる時間が増える。ここは次戦以降の重要ポイントになります。
内藤は5分57秒で4点、アシスト3。短い時間でもバックドアの合わせや落ち着いた判断が光った一方、長い時間を任されるには守備のマッチアップや相手のサイズ感など、戦術上の条件が重なる必要があるのかもしれません。A東京は外にも中にもフィジカルがある。そこに対して、どの組み合わせが一番耐えられるか。コーチングスタッフが常に探していた試合にも見えました。
元田は21分14秒で無得点。菅原は13分04秒で無得点。アリエは8分39秒で無得点。高比良も14分27秒で無得点。もちろんシュートが入らない日はある。ただ強豪相手ほど、得点以外の価値が問われます。スクリーンを外す一歩、ルーズボールに飛び込む一回、リバウンドのボックスアウト一発。そういう小さな勝ちを積むほど、チームの流れは戻る。今日はその積み上げが前半に足りなかった。ここは叱咤激励として、次は最初から見せてほしいところです。
一方で小川は12分11秒で6点。フィニッシュまで迷わず行けたのが大きい。短い時間でもゴールへ向かう姿勢は、周りの温度を上げる。こういうプレーが増えるほど、チームの空気は変わります。
敗因を3つに絞る これを直さないと強豪は倒せない
負けた理由は多いが、核心は3つです。どれも簡単ではない。でも、やらないと強豪相手に勝ち筋が生まれません。
- スクリーン対応とクローズアウトの一歩が遅れ、外を気持ち良く打たせた
- リバウンド差とセカンドチャンス差で守って終われない時間が続いた
- 外の確率が上がらず、オフェンスのスペースが消えた
とくに外は23.8%。悪い日もある。でも守備で踏ん張ってテンポを落とせば、外の不調を隠せる時間は作れる。今日は前半でそれができなかった。そこが一番悔しいところです。
それでも光はあった 後半の修正と主力の得点力
後半に秋田らしさを取り戻した時間帯が確かにあった。ここが今日の救いです。ゾーンをきっかけにディフェンスの温度が上がり、速攻が出て、ベンチも乗る。ピンダーが自分で壊し、ウェッツェルが高確率で仕留める。中山も外とFTでつなぎ、試合を捨てない姿勢を見せた。ここは次へつながる材料です。
ピンダーとウェッツェルで43点。主軸が通用するのは分かった。あとは周りがどう上積みするか。3Pがあと2本、リバウンドがあと3本、セカンドチャンスをあと2回減らせたら、試合の景色は変わっていたかもしれない。細部の積み上げで、光を勝ちに変えられる段階にいると感じます。
次戦へ 秋田が勝ち筋を増やすための処方箋
後半の守備を最初からやる。結局これです。スクリーンを外す、ボールに触る、寄せを早くする、ボックスアウトを徹底する。これが揃って初めて、オフェンスの不調を耐えられる。さらに外の確率を戻すために、タフショットを減らし、コーナーやキャッチアンドシュートの形を増やしたい。攻め急ぎのドライブが増えると、相手の守備は逆に整ってしまう。ひとつのパス、半歩の移動でスペースを作り、打つべき人が打つ。次はそこを見たいです。
起用面では、栗原が長く出られる時間帯を作れるかが鍵になります。スピードでズラせる選手がいると、相手の守備の前提が崩れる。内藤の短い時間の貢献も含め、相手との噛み合わせで最適解を増やしていけるか。秋田が強豪を倒すには、主軸の個に加えて、全員の小さな勝ちが必要です。
ハイライト動画
ミック・ダウナーHCコメント
試合の総括
まずはアルバルク東京さんが素晴らしかったと思います。特に第1クォーターで、ディフェンスも素晴らしかったですが、特にオフェンスでしっかりボールを動かし、スクリーンもしっかりかけ、自分たちがやりたいオフェンスをA東京さんはできていたと思います。
対する私たちは、3Pシュートを5本もやられてしまったというところが痛かったです。前節の川崎戦では、チームとして今シーズンで一番の勝ち方をして、すごくいいバスケをできました。今回A東京さんに対しても自分たちのバスケができるかということがチャレンジでしたが、ステップアップできなかったという点では、フラストレーション溜まる試合でした。
試合後にチームにも伝えたことですが、自分たちがやるべきディフェンスをして、それでもA東京さんのオフェンスが自分たちを上回るのであればしょうがないと思います。しかし今日の試合に関してはそうではありませんでした。
もっとフィジカルにやる、スクリーンに引っかからない、自分たちがやりたいことを遂行できなかったところが残念でした。
栗原翼選手のコメント
試合の総括
前半で流れを持っていかれてしまった部分があり、後半からチームとしてもやり返そうという気持ちでしたが、最初からしっかり受け身にならずにプレーすべきでした。
離された時点からやろうとギアが入った感じだったので、それではチームとして遅いですし、そういうところを最初からやれるようにしなければいけませんでした。
ディフェンスの細かい部分だったり、守り方のところで、本当に小さなミスでも、そういうところを突かれてA東京さんは3Pシュートなどを確実に決めてきました。
本当に小さいところなのですが、そういうところを僕らもしっかりやりきらなければ、トップレベルのチームに対して戦えないと思いました。
https://northern-happinets.com/news/detail/id=19811引用
最後に
結果は74-98。重い数字です。でも、完敗の中に光もある。後半に守備の温度を戻せたこと、ピンダーとウェッツェルが軸で戦えること、小川が迷わずゴールへ向かったこと。これを勝ちに変えるには、前半の入りから同じ強度でやるしかありません。スクリーンに負けない、リバウンドで押し返す、外を少しでも戻す。強豪に勝つ条件は全部揃っていない。でも、揃えにいく価値はある。次戦は最初の5分から、秋田の温度で殴り合おう。
