1Q、秋田ノーザンハピネッツのバスケは確かに生きていました。ゾーンからのチェンジング、ボールが回って生まれるフリー、ゴール下の連携、そして元田のコーナー3P。CNAアリーナ☆あきたの空気が温まるのが早かったのも納得です。
ところが、試合は残酷です。2Qの9点。ターンオーバー連鎖。そこから一気に大阪エヴェッサのリズムへ引き戻され、最後まで取り返せなかった。4Qにウェッツェルの3Pが火花を散らして追い上げの匂いは出たのに、最後の一歩が届かない。
今日は応援目線で言います。悔しい。でも、この悔しさは次に活かせる。なぜなら負け方がはっきりしているからです。数字と流れを整理しつつ、叱咤激励も込めて振り返ります。
今日の試合の注目点
今日の秋田は、1Qで点火して2Qで自分の手で消してしまった。この一言に、80-93の中身が詰まっています。入りは良かった。中山のゴール下で体をぶつけ、ピンダーがスチールで空気を裂き、元田のコーナー3Pが観客の肩を持ち上げる。いわばエンジンが一発でかかった状態です。ところが2Q、ターンオーバーが続いた瞬間から、ハンドルが急に重くなった。アクセルを踏んでも前に進まない。大阪はそこを逃さず、失ったボールをそのまま速攻の燃料に変えて、試合の主導権を奪い返しました。
注目点は大きく3つ。どれも根性論ではなく、次の試合で改善できる具体的な話です。
- 2Qのターンオーバー連鎖で流れを手渡したこと
- 走られた時の戻りと、ミスマッチの受け渡しが遅れたこと
- 追い上げ局面で、決めるべき1本と守るべき1回が足りなかったこと
まず2Q。秋田は1Qで8点リードを作って、気持ちよく第二幕に入ったはずです。ここで必要だったのは、派手なプレーではなく、確実な一本線。たとえば、トップで無理にねじ込まず一度落として再配置する、あるいはハンドオフで角度を作り直す、時間を使ってでもターンオーバーの匂いを消す。
そういう地味な一手で相手の勢いは鈍ります。でも実際は、ボールが手からこぼれ、パスが浮き、判断が半拍遅れて大阪の守備網に引っかかった。ミスは単発ならまだしも、連続するとチーム全体が焦りの色に染まって、次の判断まで雑になってしまう。ここが今日の致命傷でした。
次に守備。秋田は時々24秒を守る。つまり、守れる瞬間は作れている。なのに点差が縮まらないのは、守った直後の最後の仕上げが甘いからです。具体的には、ミスマッチの受け渡しで誰が責任を持つかが曖昧になり、相手の得意な場所に押し込まれる。
さらに、良い守備をしてもオフェンスリバウンドで二度目のチャンスを与えると、守り切った努力が水の泡になる。大阪はそこを徹底していました。だから秋田としては、声と整理が必要です。誰がスイッチするのか、誰がタグを取るのか、誰がボックスアウトの最優先なのか。勝つチームほど、この当たり前を徹底します。
そして最後の追い上げ。4Qのウェッツェルの3Pが追撃の合図になり、ピック&ポップ気味に連続して決めた時間帯は、アリーナが本当に揺れました。栗原もドライブでこじ開け、71-79で残り6分10秒。ここから一段ギアを上げれば、相手の足は止まる。
会場の圧も味方になる。なのに、その直後の一つのミス、たった一回の受け渡しの遅れ、そして一本外した後の戻りの緩みで、流れを大阪に渡してしまった。追い上げとは、坂道ダッシュと同じです。途中で一度立ち止まった瞬間に、脚が一気に重くなる。今日の秋田は、そこがもったいなかったです。
大阪はピンダーを封じ、秋田はボンズを止めきれなかった
相手の強みを消し合う勝負で、消されたのは秋田側だった。大阪のゲームプランは、ピンダーの得点源を絞りつつ、ボンズを軸に効率よく得点を積み上げる形に見えました。
秋田はボンズの28点を許し、さらにルーサー19点、パークスジュニア18点と複数のスコアラーに厚みを出されました。秋田が追い上げ局面を作っても、要所で大阪が決め切る。ここが今の順位の差として出た感覚です。
4Qの追撃は本物だったが、最後の詰めでまた崩れた
追い上げの狼煙は上がった、でも消火が早すぎた。4Qはウェッツェルの3Pで空気が変わり、ピック&ポップ気味の連続3Pで一時は射程圏に入りました。
ところが残り6分台、ディフェンスのコミュニケーション不足やミスマッチ処理の遅れが続き、オフェンスリバウンドを取れず、逆に大阪に走られて決定打。追いつけそうで追いつけない、いちばん苦しい展開でした。
試合結果・速報
2025-26 B1 1/31(土)第21節 VS大阪エヴェッサGAME1
| 会場 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 最終 |
|---|---|---|---|---|---|
| CNAアリーナ☆あきた | 秋田 28-20 大阪 | 秋田 9-22 大阪 | 秋田 20-29 大阪 | 秋田 23-22 大阪 | 秋田 80-93 大阪 |
最終スコアは秋田80-93大阪。入りは良かった。1Qは秋田が主導権を握った。問題はそこからです。2Qで試合の主語が大阪に変わり、3Qで差を広げられ、4Qの追撃も振り切られました。
秋田スターティングファイブ
- #2 栗原翼
- #10 ヤニー・ウェッツェル
- #12 元田大陽
- #17 中山拓哉
- #25 キアヌ・ピンダー
試合の流れを実況感で振り返る
秋田の良さが出た時間と、秋田が自分で崩れた時間が、これほどはっきり分かれた試合も珍しい。だからこそ振り返りが重要です。プレーの一つ一つが、次の試合のヒントになります。
1Q 28-20 先に殴れた秋田、守って走ってリズムを作る
立ち上がり、中山がゴール下で体を預けて得点し、ピンダーが連続スチールで大阪のボール運びに水を差した。ここで秋田の守備が刺さると、オフェンスも自然に前へ出ます。元田のコーナー3Pが決まった場面は象徴的で、ボールが外へ出るまでの流れが速い。迷いがない。大阪も牧の3Pやボンズのアタックで反撃し、いったん同点まで持ってきます。
ここで普通なら焦る。でも秋田は慌てない。中山がキックアウト、元田が再びコーナーから沈めて、観客の空気をもう一度つかみ直した。
守備ではゾーンからチェンジングで大阪のリズムを崩し、オフェンスはフリーを作って決めていく。インサイドも菅原とウェッツェルの合わせで得点。最後に栗原がアタックでフリースローをもぎ取って締める。1Qは秋田の目指す形が見えた時間でした。
2Q 9-22 連続ターンオーバーで空気が逆回転、大阪が試合を取り戻す
2Qに入って最初に起きたのが、ターンオーバーの連鎖。怖いのは、ミスそのものより、ミスが次の判断を焦らせることです。一本目のミスで息が乱れ、二本目で目線が下がり、三本目で全員がボールを怖がる。こうなるとオフェンスは固まり、守備の戻りも遅れ、相手は走って得点が簡単になる。大阪はこの流れを熟知しているチームで、ミスを見つけた瞬間に一気にアクセルを踏んできました。
それでも秋田は食い下がります。メザーのゴール下、中山のドライブからフリースロー、リバウンドでジャンプボールをもぎ取るなど、泥の時間で踏ん張った。栗原のアタックで37-37まで並ぶ場面もあった。ここが勝負の分岐点でした。ここで守って一息つければ、1Qの流れを取り戻せる。ところが大阪は守備のズレを的確に突いて加点し、秋田は2Qを9点で終える。点差以上に、試合の主導権が完全に大阪へ移った時間でした。
3Q 20-29 追いつけそうで追いつけない、決め切る大阪と止め切れない秋田
3Qは、秋田が追いかける時間です。栗原がドライブで割り、対抗する姿勢は見える。しかし大阪はルーサーからボンズへ、カットに通るパスで得点の形を崩さない。秋田が守備で一つズレるたび、そこにボールが落ちる。ピンダーもボンズへ1on1を仕掛けてファウルを引き出すなど、火は消えていません。
ただスコアが伸びない。攻めが個に寄ると、相手は守りやすい。点差が開くほど、一本で取り返そうとしてしまい、さらにミスのリスクが上がる。
43-46付近、ここで粘れば逆転の匂いが出る場面があったのに、そこを取り切れなかった。大阪の精度が上回り、3Qで差が広がってしまいました。
4Q 23-22 追撃の火花は散ったが、最後の詰めで振り切られる
4Qの序盤、秋田は24秒を守り切る。そこからウェッツェルの3P。ここで会場が息を吸い直しました。さらにピック&ポップ気味に連続3P。67-76まで迫る。栗原もドライブで得点を作り、71-79で大阪タイムアウト。残り6分10秒、まだ勝負の入口です。
ただ、ここから秋田が苦しかった。ディフェンスのコミュニケーション不足で受け渡しが遅れ、ミスマッチを簡単に決められる。
オフェンスではオフェンスリバウンドからの3Pを外し、得点が止まった瞬間に大阪に走られてしまう。ボンズが速攻からエンドワン。追い上げの芽が折れる音がした場面でした。最後に中山が連続3Pで意地を見せたのは素晴らしいですが、時間が足りなかった。80-93で試合終了です。
スタッツで見る敗因
数字は嘘をつかない。秋田は3Pが11本入っていて、見た目ほどシュートが壊れていません。むしろ負け筋は別にあります。ポイントはターンオーバーと速攻失点、そして2Pの効率差です。
| 項目 | 秋田 | 大阪 | メモ |
|---|---|---|---|
| 得点 | 80 | 93 | 2Qの落差が直撃 |
| 3P | 11/28 | 12/32 | 外は互角に近い |
| フリースロー | 15/19 | 9/11 | ここは悪くない |
| リバウンド | 36 | 32 | 数字上は優勢 |
| ターンオーバー | 16 | 11 | ここが致命傷 |
| TOからの失点 | 8 | 18 | 相手に18点献上 |
| 速攻ポイント | 8 | 22 | 走られたら秋田は苦しい |
リバウンドは秋田が取れているのに、速攻ポイントで14点差。ターンオーバーからの失点も10点差。合計すると24点。最終の13点差を超えるインパクトです。つまり今日のゲームは、シュートが入らなかったというより、自分たちのミスで相手を走らせ、得点の簡単な道を作ってしまったことが決定的でした。
選手別のポイント評価と叱咤激励
栗原翼 ドライブで突破口を作り続けた
14得点5アシストは内容込みで価値が高い。停滞する時間に個で割っていけるのは武器です。今日の栗原はアタックの選択が明確で、追い上げ局面でも前へ出ました。ただ、チームとしては栗原の突破が孤立しない形にしたい。ドライブが決まるほど、外とゴール下の連動が生まれる。そこを次はもっと太くしたいです。
ヤニー・ウェッツェル 雷鳴の3Pと14リバウンド
追撃の火種はウェッツェルの手から生まれた。18得点14リバウンド、さらに3Pを高確率で沈めたのは圧巻。4Qの連続3Pはアリーナの温度を一気に上げました。課題は、アドバンテージがある時間帯にもう少し早くボールを集めること。ウェッツェルがフィニッシュ役だけでなく、起点になる場面を増やしたいです。
元田大陽 コーナーは刺さった、ただ波を作りたい
序盤のコーナー3Pは最高の着火剤。ただ、相手が修正してきた後の対応が次のテーマです。元田がもう一本、苦しい時間に沈められると試合が変わる。守備で狙われる時間帯もあるので、そこでの踏ん張りがチームの背骨になります。
中山拓哉 終盤の連続3Pは意地、前半からの存在感が欲しい
終盤に決め切ったこと自体は胸を張っていい。ただ今日は、チームが苦しくなる2Qと3Qで、もう少し中山の色が欲しかった。ゴール下、キックアウト、ドライブのフリースロー獲得と、できることは多い。中山が前半から点とリズムを持ってくると、秋田の攻めは一段滑らかになります。
キアヌ・ピンダー 封じられた日こそ次への材料に
得点源を消された時にどう勝つかが今の秋田の宿題。ピンダーが苦しい日は必ず来る。その時に、他の選手がどこで稼ぐか、ピンダー自身がどこで流れを取り戻すか。今日の経験はむしろ貴重です。フィジカル勝負の中でファウルを引き出し、守備では存在感を出す。次はスコア以外の貢献も含めて勝ち筋に乗せたいです。
ジャメール・マクリーン 0点は寂しい、でも必要なピースだ
体調が万全でないなら、できる役割を切り分けてでも復活してほしい。マクリーンがいるとインサイドの圧が変わるのは誰もが知っています。今日の10分台で0点は正直きつい。ただ、秋田が上へ行くにはマクリーンの復調が欠かせない。無理は禁物、でも復活の道筋は作っていこう。ファンは待っています。
次の改善ポイント ここを直せば勝ちが近づく
- 2Qのターンオーバーを減らす:難しいミスより、もったいないミスを消す。これが最優先。
- ミスマッチ処理と受け渡しの徹底:コミュニケーション不足で簡単に決められるのを止める。
- 走らせない:速攻22点を許したら、秋田の土俵から外れる。
- アドバンテージの使い方:ウェッツェルやマクリーンに入れるタイミング、外へ展開する順番を整理。
厳しく言うと、今日の負けは相手が強かっただけではなく、自分たちで苦しくした面が大きいです。だからこそ、直せる。ここを直せば勝てる。そこに希望があります。
ハイライト動画
ミック・ダウナーHCコメント
第1クォーターは非常に良い入りができたのですが、そこから第2・第3クォーターとあまり良くない状態が続いてしまったことが非常に残念です。
大阪さんは、第2クォーターから試合終了まで、攻守において自分たちのリズムに引き戻し、力のあるチームだということを見せつけられました。
第2クォーターの中で、連続してターンオーバーが重なった場面がありました。8点リードして第2クォーターに入ったにもかかわらず、そこから逆転を許し点差をつけられる展開になったことで試合の流れが完全に変わってしまいました。
ハーフタイムで修正を図りたかったのですが、第3クォーターで一番大きな失点をしてしまい、自分たちの流れを取り戻せないままクォーターを終えてしまいました。
第4クォーターは、すでに点差をつけられており、大阪さんが時間をコントロールしながら進めていました。それでも自分たちに追い上げるチャンスはあったと思います。しかし、良いディフェンスをしても最後でオフェンスリバウンドを奪われるなど、チャンスを自ら逃してしまったという印象です。
栗原翼選手のコメント
今日のゲームは、人とボールが動かなくなる場面が多くなってしまいました。
自分たちでコントロールできるはずのターンオーバーでミスをしてしまったり、相手の主要選手であるマット・ボンズ選手とライアン・ルーサー選手に、彼らの平均得点ほど取られてしまったことが良くなかった点です。そこで相手に流れを渡してしまった印象です。
相手のガード陣が非常にタイトに守ってくる中でも、自分が個人で打開する場面もありました。そのシチュエーション自体はクリエイトできていたので悪くはないのですが、それ以外の場面で今コートに誰が出ているのか、相手の選手は誰かという状況判断において、ボールを渡すべきところに渡せていませんでした。
マクリーン選手やウェッツェル選手のところでアドバンテージがあることは分かっていましたが、そこへのボールの入れ方が今日はうまくいきませんでした。アドバンテージがあるところにこだわりすぎるのも良くありませんが、強みをしっかり使えなかったことは大きな反省点です。
https://northern-happinets.com/news/detail/id=19824引用
最後に
今日の負けは悔しい。でも、直せる場所がはっきり見えた負けでもある。1Qは秋田の良さが出た。ゾーンからチェンジング、ボールが回るオフェンス、インサイドの連携、そして外の決定力。つまり、勝てる設計図は手元にある。問題は、その設計図を2Qで自分たちの手で破ってしまったことです。
叱咤激励で言います。2Qのターンオーバー連鎖は、相手の罠にハマったというより、秋田が自分で足を絡ませた転び方に近い。ここは厳しく直してほしい。難しいプレーを減らせという話ではありません。必要なのは、危ない匂いがした時に一度落ち着くこと。ボールを安全に預けること。リスクの少ない選択を一つ挟むこと。たったそれだけで、相手の速攻は減り、試合は自分たちのテンポに戻ります。
そして守備。24秒を守れた場面があるのなら、守れる力はある。ならば、最後の一手を徹底しよう。ミスマッチの受け渡し、タグを取る順番、ボックスアウトの約束事。ここを整えるだけで、相手の簡単な得点は減ります。良い守備をしたのにオフェンスリバウンドで台無しになるのは、本当に心が折れる。だからこそ、次は全員で一つのリバウンドを取りに行く姿勢を見せてほしいです。
最後にポジティブな話もします。4Qの追い上げは本物でした。ウェッツェルの3Pは雷みたいに一瞬で空気を変えたし、栗原のドライブは勝負を諦めない意思そのものだった。中山の終盤の連続3Pも、次につながる意地です。今日の敗戦を、ただの暗い記録で終わらせないでほしい。1Qの良さを40分に引き延ばす。そのために2Qのミスを減らす。ここさえやれば、勝ち筋は必ず見える。
次のゲームは、最初から受け身にならず、最初から声を出して、最初から強みを押し付ける。秋田はもっとやれる。ブースターは信じてるし、だからこそ厳しくも言う。今日の悔しさを、次でひっくり返してくれ。

