胃が痛い。いや、胃が千切れるレベルでした。
秋田ノーザンハピネッツは大阪エヴェッサに77-76で1点勝ち。数字だけ見ればただの接戦ですが、中身は違います。ピンダー不在、序盤は最悪の入り、21ターンオーバーで自分たちの首を絞め、それでも最後に勝ち切る。良いところも、苦いところも、全部詰まったゲームでした。
勝ったからOKで終わらせるのは簡単。でも今の秋田は、その甘さが一番危ない。今日は叱咤激励も込みで、ブースター目線で濃く書きます。最後の0.3秒まで、心臓を置いていかないでください。
今日の試合の注目点
結論から言うと、秋田は勝ちながら課題を山ほど拾った試合でした。だからこそ価値がある。ポイントは大きく3つです。
- ピンダー不在でも得点の型を作れたか:中山の外、ウェッツェルのインサイド、マクリーンの個人技、土屋のミスマッチ活用。代わりの正解を探す試合。
- 守りの修正力:序盤の崩れ方は正直ひどい。ただ、ゾーンやチェンジングで立て直し、前半で試合を取り戻したのは評価したい。
- ターンオーバー21:これは辛口で言います。勝ったけど反省点の主役。4Qの失速は偶然じゃない。
加えて、大阪はマット・ボンズが27点、ライアン・ルーサーが19点。スコアラーにやられながらも、秋田は3P成功率で上回り、リバウンドでも優位を取りました。勝ち筋は確かにあった。問題は、その勝ち筋を何度も自分で折り曲げたことです。
試合結果・速報
2025-26 B1 2/1(日)第21節 VS大阪エヴェッサGAME2
| 会場 | 対戦 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 最終 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| CNAアリーナ☆あきた | 秋田 vs 大阪 | 17-20 | 23-14 | 22-17 | 15-25 | 77-76 |
1点差勝利の中身は、ジェットコースター。序盤に沈み、2Qと3Qで突き放し、4Qで溶かし、最後に拾い直した。秋田の今季の縮図みたいな試合でした。
秋田スターティング5と欠場情報
- #10 ヤニー・ウェッツェル
- #12 元田大陽
- #14 菅原暉
- #17 中山拓哉
- #77 土屋アリスター時生
そして大きいのが、ピンダーがアップしておらず不在。普通なら得点力が沈む状況です。だからこそ、今日は中山とウェッツェル、マクリーンの責任感が試合を動かしました。
ゲームの流れを実況感で振り返る
1Q 17-20:入り最悪、それでも同点まで戻す執念
開始早々、秋田のボール運びがバタつきます。大阪はルーサーのベースラインドライブで先手。秋田は中山が早々にファウルがかさみ、さらにラインクロス。オフボールの動きも鈍く、ボールを持った中山が孤立する時間が続きました。
大阪の圧に押され、ボンズのミドルで6-0のラン。さらにルーサー、ボンズの合わせで0-8。秋田はオフェンスリバウンドを拾うのに、シュートまで行けない。これ、地味に一番つらい流れです。頑張ってるのに報われないやつ。
パークスジュニアの3Pで2-13。ここで会場が静まりかけたところから、ようやく秋田が息を吹き返します。元田のドライブ、マクリーンの2スロー、スチールから栗原のドライブand1。ゾーンで粘ってルーズボールを中山が奪い、栗原が押し込み、マクリーンがボンズの上からフェードアウェイ。気づけば13-13。
最初の10分で良かったのは、この戻し方だけ。入りが悪いのはもう癖になりかけてる。ここは本気で直してほしいです。
2Q 23-14:ウェッツェルのダンクで点火、ミスマッチを食い尽くす
秋田は最初の守りで24秒を取ります。ここで一回、空気が変わった。続けてウェッツェルのスピンからダンク。ピンダー不在の穴を埋めるというより、俺が空気を変えるという宣言みたいなプレーでした。
大阪はボンズがゴール下と3Pでスコアラーぶりを発揮してきますが、元田が3Pとドライブで食らいつく。中山はピックからのダイブパスをカットして流れを切り、メザーがドライブで得点。29-28と逆転に成功します。
さらにボンズのゴール下をウェッツェルがブロック。中山のアタックが決まって33-28。土屋もミスマッチを存分に生かしてゴール下。大阪は秋田のポストアップ対応が甘く、ここは秋田が容赦なく突きました。
高比良のドライブ、中山の3Pで40-34。前半の秋田は、攻めの選択がはっきりしていたのが良かったです。
3Q 22-17:突き放しのベスト10分、中山の連続3Pが刺さる
出だし、大阪はプレッシャーでマイボールにしますが、土屋がドライブをブロック。そこからウェッツェルがエルボージャンパー、ゴール下も決め、マクリーンのユーロステップで46-35。秋田が一気に突き放しに成功しました。
大阪もボンズのドライブ、ルーサーのフックで応戦してきます。でも欲しいところで中山が連続3P。今日は中山が打つべきタイミングで打って、入れるべき場面で入れた。ピンダーがいないなら、外の大砲は俺がやるという顔でした。
終盤、ボンズのフリースローでじわじわ詰められるも、高比良がドライブで切り込み、中山がファウルをもらって3ショットを沈める。さらにウェッツェルの3Pまで飛び出して62-51。11点リードで最終Qへ。
正直ここまでの流れなら、普通は勝ち切る。普通はね。
4Q 15-25:溶かす、追い付かれる、逆転される、それでも最後に拾う
秋田は得点が止まり、大阪が怒涛の6-0ラン。合田の3Pで62-60、タイムアウト。ここからの数分、秋田は攻めが小さくなりました。ボールが止まり、判断が遅れ、ターンオーバーの匂いが濃くなる。
メザーがフローターを落とした後に3Pを決めて66-62。中山と土屋のピック&ロールで68-64。ここで落ち着ければよかったんですが、大阪はルーサーがファウル4でもコートに立ち続け、ボンズのドライブで68-68。勝負所で秋田のターンオーバーが出て、パークスジュニアの3Pが刺さり70-74。
万事休すか?と思った次の瞬間、中山が起死回生のバンク3P。75-76。あの一発は、リングに嫌われる日が続いた選手の救済みたいでもあり、アリーナ全員の祈りがガラス板に吸い込まれたみたいでもありました。
そして最後。菅原がギリギリでボールをキープし、ウェッツェルへつなぐ。ウェッツェルがインサイドを沈めて77-76。残り0.3秒、ボンズの3Pは外れて試合終了。
勝った。だけど、心臓がいくつあっても足りない勝ち方です。
数字で見る勝因と課題
| 項目 | 秋田 | 大阪 | 見えたこと |
|---|---|---|---|
| 2P | 21/35 (60.0%) | 21/38 (55.3%) | インサイドとミドルの質は秋田が上 |
| 3P | 8/17 (47.1%) | 8/28 (28.6%) | 中山の4/8が大きい、外で勝ち筋を作った |
| FT | 11/15 (73.3%) | 10/12 (83.3%) | ここは改善余地あり、終盤の緊張感を考えると重要 |
| リバウンド | 32 (OR7/DR25) | 27 (OR9/DR18) | 総数は勝ったがORは取られ気味、詰めの甘さが残る |
| ターンオーバー | 21 | 13 | これが4Qの地獄を呼んだ最大の原因 |
| ペイント得点 | 40 | 38 | ウェッツェル、土屋、マクリーンで優位を作れた |
| 速攻得点 | 15 | 9 | 守って走る秋田らしさは出た |
勝因は明確で、3Pの精度とインサイドの押し込み。中山の17点、ウェッツェルの12点、マクリーンの12点が軸になりました。メザーの8点と土屋のミスマッチも効いた。
一方で課題もはっきり。ターンオーバー21は論外寄りです。ボール運びのミス、判断の遅れ、無理なパス。勝ったから笑えるだけで、負けてたら正直シャレにならない内容でした。
活躍した選手と、もっとやってほしい選手
- 中山拓哉:17点、3P 4/8。序盤のミスを引きずらず、最後にバンク3Pで空気をひっくり返した。今日は文句なし。ただ、入りの軽さは次は無しで。
- ヤニー・ウェッツェル:12点。2Qのダンクで点火、最後の決勝点で締めた。FT 1/4は悔しいはず。ここは次の伸びしろ。
- ジャメール・マクリーン:12点、FT 4/4、REBリーダー。前日無得点からのカムバックは頼もしすぎる。秋田に必要なのはこういう反発力。
- メザー、土屋:プレータイムを伸ばしたのは明るい材料。ローテが苦しい中で、役割を飲み込んで戦えたのは大きい。
- 菅原暉:得点は0。でも最後のボールキープは勝利に直結した。こういう地味な仕事を続けて、次は得点でも殴ってほしい。
そして辛口をもう一発。秋田は勝負どころでボールが止まりやすい。ボールが止まると、相手は守りやすい。守りやすいとターンオーバーが増える。今日の4Qはその連鎖でした。勝った今こそ、真正面から直すタイミングです。
ハイライト動画
ミック・ダウナーHCコメント
<試合の総括>
素晴らしい試合になったと思います。
バスケットの質の面で言えば、決して完璧で美しい内容だったわけではありませんが、お互いに勝ちたいという気持ちを十二分に出し切った、非常にタフで素晴らしい試合でした。
プレーできる選手が限られているという厳しい状況にありましたが、コートに立ってプレーできる選手たちがしっかりとステップアップし、最後まで諦めずに戦い抜いてくれたことが何よりも良かったと感じています。
昨日の試合もそうですし、水曜日のアルバルク東京戦も失点があまりにも多く、それが敗因となっていました。
今日は選手たちがしっかりと集中してステップアップし、ディフェンス面で機能してくれたことが非常に大きかったと思います。
中山拓哉選手のコメント
<試合の総括>
試合の入りで自分のミスやファウルが重なってしまい、チームのプランを崩してしまいました。
それでも、チーム全員がしっかりとファイトして戦い抜いたことで掴み取った勝利だと思います。
今日はピンダー選手が出場できない状況でしたので、自分がやらなければいけないという思いはより強く持っていました。
うまくいかない時でも、ディフェンスやリバウンドからリズムをつくっていこうと考えていました。
ミスをしてベンチに戻った際も、他の選手たちが切り替えろと声をかけてくれましたし、自分自身もしてしまったことは取り返せない。他のプレーで取り戻そうと切り替えてプレーしました。
最後に
今日は勝った。ここは素直にデカいです。ピンダー不在で、しかも一度は逆転されて、そこから最後の1本を取り切った。この勝ちは、ただの1勝じゃなくて、チームの底力を信じ直すための1勝です。
ただし、勝ったからこそ言えることがあります。ターンオーバー21は、次は命取りになります。4Qの攻めが小さくなった瞬間、秋田は一気に苦しくなった。ボールを動かす、判断を早くする、無理なパスを減らす。地味だけど、これが一番効く。
中山は今日の主役でした。バンク3Pは語り継がれる。でも次は、入りから主役でいてほしい。ウェッツェルは決勝点でヒーローになった。次はFTで自分に楽をさせてほしい。マクリーンはカムバックでチームを救った。こういう反発力が秋田の核になっていく。
勝った試合で厳しく言えるのは、強くなるチャンスがそこにあるから。この1点勝ちを、ただの思い出で終わらせるな。次の試合で、今日の課題を上書きしてくれ。ブースターは、期待してるからこそ言うんです。
