【完敗61-97】ライスナー&ピンダー不在で見えた秋田の現在地|長崎ヴェルカGAME2レポ

ハピネッツ試合結果

バイウィーク前の最後の試合は、ブースターにとってかなり胃の痛い夜になりました。ライスナー、ピンダー、栗原が揃って欠場という非常事態の中、秋田ノーザンハピネッツは長崎ヴェルカに61-97で大敗。スコアだけ見るとワンサイドですが、内容を細かく振り返ると「今の秋田が抱える課題」と「それでも見えた希望」が、はっきりと浮かび上がります。

この記事では、ブースター目線で試合を徹底レビューしつつ、ケンゾーHCや赤穂選手のコメントも踏まえて、バイウィーク後に向けて何を立て直すべきかを辛口まじりで語っていきます。最後には次戦への期待と、フロントも含めたチーム全体へのエールもまとめました。

今日の試合の注目点

まず、このGAME2を語るうえで外せないのは、やはりロスター事情がボロボロだったことです。

ライスナー、ピンダー、栗原というフロントラインとウイングのキーマン3人が不在。外国籍のサイズとパワー、そして日本人ウイングの層が一気に薄くなり、残ったウェッツェルとメザーにかかる負担は想像以上でした。オンザコート2をフルで使う余裕もなく、4Qではオンザコート0の時間帯まで発生。長崎が馬場雄大、イ・ヒョンジュン、スタンリー・ジョンソンらのタレントをフルに使えるのに対し、秋田は「どうやって持ちこたえるか」というサバイバルモードだったと言っていいでしょう。

もう一つの注目ポイントは、長崎のスタイルとのマッチアップです。長崎は3ポイント主体のオフェンスに、馬場のトランジションやジョンソンの1on1を絡めてくる、リーグでも屈指の“スキルとスピードのチーム”。本来ならピンダーやライスナーのスイッチディフェンスで対抗したいところでしたが、この日はそこを封じられてしまい、赤穂・中山・高比良・菅原・土屋らが、サイズ面で不利なマッチアップを延々と守らされる展開になりました。

そして何より大事なのが、「バイウィーク直前」というタイミング。ここで手応えを持って休みに入りたかったところですが、現実は61-97の完敗。だからこそ、この試合を「ただの大敗」で終わらせるか、「ここから立て直すための分岐点」にするかが、クラブ全体の勝負どころになってきます。

試合結果・速報

2025-26B1第11節11月16日 秋田ノーザンハピネッツ VS 長崎ヴェルカ GAME2

チーム 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
秋田ノーザンハピネッツ 23 15 15 8 61
長崎ヴェルカ 27 21 28 21 97

スターティング5は、#6 赤穂雷太、#10 ヤニー・ウェッツェル、#12 元田大陽、#17 中山拓哉、#22 アリ・メザー。ライスナー・ピンダー・栗原不在の中で組める“ほぼベスト”の布陣で、なんとか勝負に持ち込みたい一戦でした。

1Q:メザー先制も、長崎の3Pに押される立ち上がり

試合はメザーの高速レイアップでスタート。秋田ブースター的には「よし、今日はいけるか?」と思わせる良い入りでしたが、すぐに長崎がイ・ヒョンジュンと山口の3Pで反撃。長崎らしい、外から一気に流れを引き寄せる展開になります。

秋田は守備でダブルチームを積極的に仕掛け、赤穂の3Pで7-6と逆転。ここまでは互角以上の内容でした。ただ、ピンダー不在の影響で、ペイントの守備とリムプロテクトの迫力がどうしても物足りない。ウェッツェルがゴール下で必死に体を張る一方、長崎はドライブからキックアウト、そして3Pという形をテンポよく繰り返し、点の取り合いになると徐々に分が悪くなっていきます。

高比良やメザーのドライブで食らいつきつつも、長崎のシュート力を消しきれないまま23-27。内容自体は悪くありませんでしたが、「このペースを40分続けるのはかなりしんどいな」と感じさせる1Qでした。

2Q:控え組が奮闘も、イ・ヒョンジュンの3Pにやられる前半

2Qは中山が馬場相手に技ありのアタックでファウルをもぎ取り、2本のフリースローを沈めてスタート。ここから秋田は、高比良・土屋・菅原といったベンチメンバーがステップアップせざるを得ない時間帯に入ります。彼らの努力は決して小さくなく、特にディフェンスのローテーションやリバウンドへの飛び込みは気迫十分でした。

しかし、長崎のイ・ヒョンジュンがこの日も止まらない。スクリーンを巧みに使ってフリーでボールを受け、ドリブルをつかずにシュートまで一気に持っていくあのフォームは、秋田のクローズアウトがあと半歩届かないとほぼノーチャンス。ここが「ピンダーがいればスイッチでなんとかできたかもしれない」と感じてしまう、非常にもどかしいポイントでした。

オフェンスではウェッツェルがゴール下でセカンドチャンスを演出し、外れた赤穂の3Pをリバウンドから押し込むなど、気持ちのこもったプレーを連発。ジョンソンに2つ目のファウルをつけた場面も含め、「この男がいなかったら完全に試合が壊れていた」と言っていい働きでした。

一方で、秋田の外角は中山・元田の3Pがなかなか決まらず、長崎との“外の撃ち合い”でジリジリと差が開く展開。いいボールムーブから放たれた3Pが決まったかと思いきや、24秒バイオレーションでノーカウントになるシーンもあり、流れを引き寄せきれません。最後は土屋のミドルが決まり意地を見せたものの、スコアは38-48。10点ビハインドで前半を折り返しました。

3Q:一気に突き放された“痛恨の10分間”

後半の立ち上がりは赤穂の3Pでスタートし、「ここから一桁に戻したい」という時間帯。しかしすぐさまブラントリーと山口に連続3Pを浴び、秋田はたまらずタイムアウト。ここで流れを切りたかったのですが、長崎はまったくペースを落としません。

中山のアタックや、ウェッツェルのフックショットも随所で決まりましたが、それ以上のペースでイ・ヒョンジュンに3Pを沈められ、気づけば43-63と20点差。秋田はボールプレッシャーを上げようとしてもファウルがかさんでしまい、逆に長崎のフリースローでじわじわとリードを広げられる悪循環に陥ります。

さらに痛かったのがターンオーバー。パスミスやハンドリングミスから速攻を許し、守る時間が長くなることで、ウェッツェルとメザーの消耗も加速。「気持ちは切れていないのに、体がついていかない」――そんな苦しさがコートから伝わってくる3Qでした。

4Q:オンザコート0で完全にガス欠、それでも見えた“日本人だけ”の時間帯

4Qはついにオンザコート0でスタート。秋田はボールムーブから菅原がフリーの3Pを打つも、痛恨のエアボール。これが象徴するように、オフェンスのリズムもメンタルも、かなり厳しい状態でした。

ここからは、NBA経験もあるスタンリー・ジョンソンが本領発揮。ポストアップからのフェイダウェイ、ドライブからのフィニッシュと、サイズもスキルもワンランク違うプレーで秋田をねじ伏せていきます。土屋がミスマッチを必死に突いて加点する場面もありましたが、ウェッツェルとメザーのフックがリングに嫌われ始め、どうしても追い上げのきっかけを作れません。

残り3分を切ったあたりからは、メザーを残しつつほぼ日本人同士のマッチアップに。昨日無得点だった長崎の川真田がダンクを叩き込み、会場は完全に長崎ペース。スコアは最終的に61-97となり、苦しい2連戦の締めくくりは、悔しい大敗という結果に終わりました。

ハイライト動画

文字だけでは伝わらない部分は、やっぱり映像で確認するのが一番です。激しいトランジションや、イ・ヒョンジュンのタフショット、ウェッツェルのインサイドでの奮闘などは、ハイライトでぜひチェックしてみてください。

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記事を読みながらハイライトを流すと、「あのターンオーバー」「あの3P」が頭の中で再生されて、試合の流れがより立体的に見えてきます。

ケンゾーHCコメント

試合後の前田顕蔵HCは、まず「このロスター状況の中でよく前半は粘ってくれた」と選手たちをねぎらいつつも、後半については「相手が慣れてくる中で、もう一つチームを助けてあげる手立てを出せなかった」と自らの采配にも厳しい目を向けていました。

特に印象的だったのは、「下を向いていても仕方ない」「どうすれば勝てるのかにフォーカスしていきたい」という言葉。ブースターとしては、点差だけ見ればガッカリするしかない試合ですが、HC自身が敗戦を真正面から受け止めたうえで、次の一手を探そうとしているのは救いです。

また、応援してくれているファンに対する「申し訳なさ」も繰り返し口にしており、バイウィークでの立て直しに向けて覚悟をにじませるコメントでした。

選手コメント(赤穂雷太)と相手選手への所感

キャプテンとしてコートに立った赤穂雷太は、試合直前にピンダーの欠場が決まったことに触れつつ、「ミスマッチが増えるのはわかっていたが、もっとハードにチェックに行かなければいけなかった」と守備面への反省を口にしました。

また、自分たちの小さなミスやターンオーバーからクローズアウトが長くなり、3Pを簡単に打たれてしまった点を挙げ、「人数が少ない中でああいうミスをしていたら勝てない」と総括。「総合的にファイトが足りなかった」という言葉は、ブースターとしても耳が痛いですが、だからこそ次に期待したくなるコメントでもあります。

一方で、相手選手についても少し触れておきたいところ。馬場雄大のコートを縦横無尽に走るエナジー、イ・ヒョンジュンのシュート力、ジョンソンの個の強さ――これらは正直、現状の秋田にとっては「お手本」にしたいレベルのクオリティでした。長崎の外国籍+帰化+日本代表クラスの並びに対して、秋田が今後どうロスターを整えていくのかも、バイウィーク中に考えたいポイントです。

最後に:バイウィークで“猛練習より先に”見直すべきこと

61-97というスコアだけを見れば、ただの完敗です。ただ、内容を分解していくと、単なるシュートの当たり外れではなく、ロスター構成と危機管理の問題が一気に露呈した試合だと感じます。

ライスナー、ピンダー、栗原が同時にコートに立てない状況は、どのクラブでも起こりうるリスクです。その中で、「誰がどのポジションをカバーできるのか」「オンザコートの組み合わせをどう柔軟に組むのか」「日本人ビッグやウイングをどう育てておくのか」といった、クラブ全体の戦略が問われています。

ブースターとしては、「バイウィークなので猛練習して立て直してほしい!」と言いたくなるところですが、本当に必要なのは、練習量よりもチームと球団の“危機管理能力”をどう高めるか。コンディション管理、補強の選択肢、若手の起用法、戦術の引き出し――このあたりを冷静に棚卸しする時間にしてほしいと思います。

もちろん、今のメンバー構成でも光はあります。ウェッツェルの献身的なリバウンドとインサイド、メザーのスピードとアタック力、高比良・土屋・菅原の泥臭いディフェンスとチャレンジ精神。そして、中山と赤穂という日本人コアが、どれだけ「自分たちでゲームを変える」存在になれるか。ここに希望を見出したいところです。

リーグ戦は、12月6日(土)の宇都宮戦から再開し、その後は12月10日(水)の仙台戦と、タフなカードが続きます。ここからの数週間でどれだけ立て直せるかが、今シーズンの行方を大きく左右するはずです。

最後に、いつもハピネッツを支えているブースターのみなさんへ。今日のような大敗は正直つらいですが、それでも会場や画面の向こうから声を届け続けるのが、私たちの役割でもあります。バイウィーク明けに「ここから秋田が変わった」と言えるように、引き続き一緒に見届けていきましょう。

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