【秋田55‐76群馬】ホーム初勝利ならず…それでも見えた“昨日とは違う”9人ローテの意地と課題

ハピネッツ試合結果

2日連続の群馬クレインサンダーズ戦。前日のGAME1では48‐81と完敗し、CNAアリーナ☆あきたの空気もかなり重たいものになりましたよね。そんな中で迎えた2025-26B1第9節GAME2、秋田ノーザンハピネッツは再び「実質9人ローテ」で群馬に挑むことになりました

タナー・ライスナーは脳震盪で登録外、キャプテン田口成浩も引き続き不在。栗原翼、赤穂雷太は登録こそあるものの、この日もプレータイムなし。戦力的にはかなり苦しい状態です。それでも、前日とは明らかに違う“ファイト”が随所に見えた一戦でした。

最終スコアは55‐76。数字だけ見ればまたしてもダブルスコアに近い大敗ですが、内容を細かく追っていくと、次節ホーム横浜戦に繋げたいポジティブ要素も確かに存在します。ここでは、ブースター目線ながら、少し辛口も交えつつGAME2を振り返っていきます。

今日の試合の注目点

まず、この試合を振り返るうえでのキーワードから整理しておきます。「9人ローテ」「2ポイント73.1%」「リバウンド35‐30」「それでもホーム初勝利ならず」――この4つが、今日の秋田を象徴する数字とテーマでした。

注目ポイントをざっくり挙げると、こんな感じです。

  • ライスナー&田口が登録外のまま、栗原・赤穂も出場なしで“実質9人”の戦い。
  • スタメンはウェッツェル、元田、中山、高比良、ピンダー。GAME1から菅原→高比良に変更。
  • 群馬の2ポイント成功率は驚異の73.1%。インサイドとミスマッチ対応の課題がくっきり。
  • それでもリバウンドは秋田35‐群馬30と上回り、ルーズボールやハッスルは確実に改善。
  • 群馬HCはGAME1に続いてこの日もタイムアウトを一度も取らず。淡々と自分たちのバスケを遂行されてしまった形。
  • 普段プレータイムが多くない組を中心に回さざるを得ず、オフェンス面の“連携不足”が最後まで響いた。

つまり、「戦う姿勢は昨日より明らかに上がった。でも、B1上位レベルの完成度を持つ群馬と殴り合うには、まだまだ足りないものが多い」――そんな試合だったと言えます。

試合結果・速報

2025-26B1第9節11月9日秋田 VS群馬クレインサンダーズゲーム2

チーム 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
秋田ノーザンハピネッツ 9 16 12 18 55
群馬クレインサンダーズ 17 26 14 19 76

GAME1(48‐81)よりは点差を縮めたものの、またしてもダブルスコアに近いスコア。冷静に見れば完敗です。ただし、「昨日と同じ負け」と片付けるのはもったいない内容でもありました。ここからは、クォーターごとにゲームの流れを追っていきます。

スターティングファイブとロスター状況

この日の秋田スターティングファイブは以下の5人でした。

  • #10 ヤニー・ウェッツェル
  • #12 元田大陽
  • #17 中山拓哉
  • #24 髙比良寛治
  • #25 キアヌ・ピンダー

前日から変わったのは、ガード/ウイング枠で菅原暉に代わって高比良寛治がスタメンに入った点。ライスナーと田口は引き続き登録外で、栗原・赤穂はベンチに座りつつも出場なし。実質9人での2連戦2試合目という、かなりタフな状況でのゲームでした。

1Q:ブラックシアーに先手を取られ、またも立ち上がりでビハインド

試合の口火を切ったのは群馬のケリー・ブラックシアーJr.。ポストからのフェイダウェイを難なく沈め、いきなり「今日は昨日以上に厄介だぞ」という空気を作ります。

秋田は高比良が積極的にドライブを仕掛けますが、ここはエドゥのブロックに遭いノーゴール。ウェッツェルのアタックで2‐2には追いついたものの、群馬ディフェンスのプレッシャーは強く、簡単なシュートを打たせてくれません。

ブラックシアーは、ミスマッチを見つけてはポストアップから押し込み、確実に得点。秋田のヘルプローテーションも一歩遅く、我慢したい時間帯でじわじわと差を広げられてしまいます。

秋田オフェンスは、シュートセレクションがやや強引になり、リングに嫌われる場面が目立つ展開。それでも終盤、中山のアタック、相原アレクサンダー学の絡みからウェッツェルのゴール下、ピンダーの3Pが決まり、何とか9‐17で踏みとどまりました。「最悪のスタート」だったGAME1に比べれば、まだ修正可能な範囲でのビハインドだったと言えます。

2Q:中山・メザー・土屋がハッスル連発も、群馬の完成度に押し切られる

第2Qは、中山のプレータイムが伸び、随所にハッスルプレーが光りました。中山のアタックからファウルをもらい、メザーも果敢なドライブで13‐22と一時は点差を縮めます。

流れを変えかけたのは、メザーが獲得した2スローの2投目。これを土屋アリスター時生がオフェンスリバウンドでかき集め、そこからメザー→中山と繋がって再びファウルドロー。中山がフリースローを決め、16‐23と会場のテンションも少し上向きに。

さらにエドゥに対して土屋が粘り強いディフェンスを見せ、5秒バイオレーションを奪って秋田ボールに。「昨日よりも明らかに戦っている」という感触が、この時間帯にははっきりとありました。

しかし、相手は東地区4位の群馬。ここからディフェンスの圧を一段階上げてきます。Wチーム(ダブルチーム)で元田からボールを奪ってそのままレイアップ、中村がウェッツェルからスティールしてドライブを決めるなど、秋田の「ちょっとしたズレ」を確実に得点に変えてくるのがさすがでした。

ブラックシアーとエドゥの2メンゲームから20‐33とされると、ケニーの3P、ジョーンズのアタック、そして38歳テレンス・ウッドベリーのミドルが決まり、気づけば25‐43。良い流れを作りかけても、ターンオーバーと2メンゲームの対応ミスで帳消しにされてしまう、もどかしい前半となりました。

3Q:リバウンドは取れても決め切れない…8‐0ランを止められず

後半立ち上がり、秋田はリバウンド面で群馬を上回るシーンが増えます。ピンダーが高い位置でボードを抑え、セカンドチャンスの土台は作れているものの、その後のフィニッシュがどうしても決まりません。

一方の群馬は、インサイド攻撃を徹底。秋田のピック&ロールディフェンスで生じたミスマッチを逃さず、ブラックシアーやエドゥが着実に加点していきます。ここで再び8‐0のランを許し、「守っても守っても報われない」ような流れに。

それでも、秋田にも光るプレーはいくつもありました。ピンダーのリバウンドから中山のドライブ、元田からウェッツェルへのダンクのアシスト、ピンダーのアタックで得たフリースローなど、良い形から連続得点を生み出す場面も出てきます。

スコアは37‐55まで戻し、「ここからワンチャン勝負に持ち込めるか?」という期待も生まれましたが、続かないのが今の秋田。中山はルーズボールにダイブしてマイボールにしたり、自らドライブで仕掛けたりと気迫十分でしたが、その後のリバウンドを取り切れずに相手ボールにしてしまうシーンもあり、「あと一歩」がどうしても届かない3Qとなりました。

4Q:菅原→ウェッツェルのロブ、ウェッツェルのスティール…意地は見せたが追いつけず

第4Q、秋田が最も“秋田らしさ”を出せたのが、菅原暉のハイローパスからウェッツェルがアリウープを決めたシーン。狙いが合った見事な連携で、会場も大いに沸きました。

続いてウェッツェルが自らスティールからのドライブを決め、「このまま一人気を吐くだけで終わらせない」という気持ちをプレーで体現します。リバウンドでも身体を張り、最後まで戦う姿勢を見せていたのはさすがエースセンターです。

ただし、ディフェンスではやはりミスマッチを突かれ続け、詰めても詰めてもまた離される展開。終盤には群馬の3P攻勢が火を噴きます。中村のショットクロックぎりぎりの3P、細川、ケニーの外角が立て続けに決まり、勝負あり。

秋田もピンダーのインサイドアタック、中山の意地の3Pなどで最後まで得点を重ねましたが、点差を縮めきれず。ホーム初勝利はまたしてもお預けとなり、最終スコアは55‐76でした。

秋田の個人パフォーマンスと辛口寸評

ここからは、秋田側の主な選手をピックアップして、ブースター目線で寸評をしていきます。

  • ヤニー・ウェッツェル
    2日連続でチームの柱。アタックからのフィニッシュ、アリウープ、スティールからのドライブと、オールラウンドに仕事をしていました。リバウンドでも身体を張り続け、「自分がやらなきゃいけない」という責任感がプレーから伝わってきます。ただ、彼だけに頼り過ぎているのも事実で、もう一枚“自分で止めて自分で決める”選手が出てこないと、シーズン通して戦うのは厳しいと感じさせる内容でもありました。
  • キアヌ・ピンダー
    リバウンドでは貢献したものの、第2Qの早い時間帯で3ファウルとなったのが痛恨。高さとフィジカルがあるだけに、「ファウルになる守り方」と「ならない守り方」の境界線をもう一段階理解してほしいところです。オフェンスでは3Pも含めて積極的に打ちにいく姿勢は評価できますが、もう少し“効率の良いショットセレクション”を選べるようになれば、チーム全体のオフェンスも楽になるはず。
  • 中山拓哉
    ルーズボールに飛び込み、スティールを狙い続け、ドライブでアタックし続ける姿は、まさにキャプテンの矜持。シュート効率やターンオーバーなど、数字だけを見れば手放しで褒められる内容ではないかもしれませんが、「こんな状況でも前を向かせよう」とする気持ちが全面に出ていました。あとは、周りの選手がこのマインドにどれだけ追いつけるか。
  • 元田大陽
    Wチームを浴びせられる場面も多く、ボールプレッシャーの矢面に立たされました。その中でケニーの3Pに対して打ち返す3Pを沈めるなど、メンタルの強さは十分に見せてくれています。とはいえ、ターンオーバーからの失点という意味では、まだまだ相手の罠にかかっているシーンも多い印象。ボールの持ち方、パスのタイミングなど、B1クラスのガードとしてもう一段階の成長を期待したいところです。
  • 髙比良寛治
    スタメン起用に応えるべく、序盤から果敢にドライブを仕掛けましたが、エドゥのブロックに遭ってしまい、リズムを掴みきれませんでした。ディフェンスではサイズとフィジカルを活かした良いシーンもあっただけに、オフェンスでの「最初の一発」が決まっていれば、全く違う試合になっていたかも…という惜しさが残ります。
  • 土屋アリスター時生
    エドゥに対する5秒バイオレーションを奪うなど、ディフェンスでのハッスルは素晴らしかったです。オフェンスリバウンドからのつなぎも含め、「持ち味はしっかり出している」印象。ただ、決め切りたい場面でのフィニッシュ精度が上がってくると、一気にローテーションのキーマンになれるポテンシャルを感じます。
  • 菅原暉
    GAME1はファウルトラブルもあり悔しい内容でしたが、この日はベンチスタートからウェッツェルへのハイローパスで鮮やかなアリウープを演出。プレータイム自体は長くなかったものの、「自分が何で貢献できるか」をしっかり整理したうえでコートに立っているように見えました。次節以降、得点面でも爆発してほしい存在です。

群馬クレインサンダーズの完成度と“差”を痛感したポイント

相手ながら、群馬の完成度の高さには脱帽です。2ポイント成功率73.1%という数字は、単にシュートが入ったというより「ミスマッチを見つけて、そこを丁寧についていった結果」と言えます。

  • ブラックシアー&エドゥの2メンゲームで、秋田のP&Rディフェンスの綻びを的確に突く。
  • トラップやWチームでボールハンドラーに圧をかけ、ケアレスなターンオーバーを確実に得点に変える。
  • 終盤の3P攻勢(中村、細川、ケニー)が、勝負どころでビシっと決まる。
  • それでいて、HCは2日間で一度もタイムアウトを取らない“余裕”。

「秋田が悪かった」というより、「群馬が自分たちのバスケを40分やり切った」結果としての55‐76。だからこそ、秋田側はこの2試合を“今シーズンの基準を上げるための教材”として使わないといけないと思います。

ハイライト動画

文字だけではどうしても伝わりづらい部分は、ハイライト動画でチェックするのが一番です。

リバウンドで押し込むシーン、ウェッツェルのアリウープやスティール、群馬のP&Rからの崩し方など、「数字では見えない差」がよく分かると思います。

ケンゾーHCコメント:ディフェンスのエラーは減ったが、オフェンス構築はまだまだ

試合後、前田顕蔵HCは「昨日に比べればディフェンスのエラーは減っている」としつつも、依然としてケアレスなターンオーバーからの失点や、ミスマッチ対応の甘さを課題として挙げていました。

また、ケガ人が多い状況については、「今いる選手の状態は正直厳しいが、日程は待ってくれない」と言い切り、マインドセットの重要性を強調。やりたいオフェンスを早急に構築しないといけない、これは急務だというメッセージは、チームにもブースターにも強く響いたのではないでしょうか。

ケンゾーHCのコメント動画はこちら:

選手コメント:菅原暉と相手選手の視点

この日、菅原暉はベンチスタートながら、ウェッツェルへのロブパスなど要所で存在感を見せました。試合後のコメントでは、自身のプレーだけでなくチームのオフェンス全体についても言及し、「もっと自分から仕掛けていかないといけない」といった前向きな反省を口にしています。

菅原選手のコメント動画はこちら:

一方、群馬側の選手たちは、「秋田は昨日より明らかにファイトしてきた」という趣旨のコメントを残しており、リバウンドやルーズボール、1on1ディフェンスの強度が上がっていたことは、敵将・敵選手目線からも認められています。だからこそ、スコアがついてこなかった悔しさは相当大きいはずです。

最後に:ケガ人を言い訳にせず、「今いる9人」でどう勝ち筋を作るか

2日連続での群馬戦は、スコアだけ見れば48‐81、55‐76と厳しい結果でした。ただ、その中身は決して同じではありません。GAME1は「完敗」、GAME2は「完敗の中にも希望が見えた試合」と表現するのがしっくりきます。

リバウンド35‐30という数字は、次節ホーム横浜戦に確実に繋げたいポジティブ材料ですし、ルーズボールへの飛び込み、1on1ディフェンスの粘りも、シーズン序盤の中では一つのターニングポイントになり得る内容でした。

一方で、オフェンス面ではまだまだ課題が山積みです。普段プレータイムが伸びない選手同士の連携不足から、ボールが止まる時間帯が多く、結果としてシュートセレクションも悪くなり、得点が伸びない悪循環に陥っています。

正直に言って、「ケガ人が戻ってくるまで耐える」だけではB1のシーズンは乗り切れません。今コートに立っている9人が、それぞれもう一段階ギアを上げて、「自分の役割+α」を出していく必要があります。

ブースターとしては、結果にモヤモヤしつつも、こういう苦しい時期を一緒にくぐり抜けてこそ、後々の1勝1勝が何倍も嬉しくなると信じたいところです。次節の横浜ビー・コルセアーズ戦では、

  • 今日見せたリバウンドとハッスルをベースラインとして継続すること。
  • ターンオーバーからの失点を減らし、「相手に走られない」ゲームをすること。
  • ウェッツェル&ピンダーを軸に、外角陣が迷いなくシュートを打てるオフェンスを作ること。
  • 何より、スコアに関係なく40分間アグレッシブであり続けること。

このあたりを一つずつクリアしていければ、ホーム初勝利は必ず近づいてきます。苦しい時期こそ、選手たちの背中を押す声援が一番の力になるはず。次のCNAアリーナでも、画面の前でも、一緒に「ここから」のハピネッツを見届けていきましょう。

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