秋田ブースターのみなさん、やりました。ラスト数秒、田口成浩のオフェンスリバウンド&プットバックで逆転──長かった連敗をついにストップです。内容は決して完璧ではありません。でも、だからこそ価値がある一勝。第3Qに大きく崩れても、第4Qは21-10とやり返す粘り。フィジカルな滋賀の守備に苦しみながらも、ウェッツェルのインサイド、ライスナーのヘルプ、メザーと中山のドライブで“秋田らしい泥臭さ”を取り戻しました。この記事では、ブースターの「知りたい」に全振りで、試合の要点と流れを濃密に振り返ります。
今日の試合の注目点
- 止血の一勝:7連敗を止める価値は勝ち点以上。第4Q21-10の逆襲は今季の分岐点になりうる。
- クラッチの主役:田口成浩が決勝プットバック。ウェッツェルのフックが外れても、最後まで走り込む“勝ち筋”を示した。
- 秋田の同一性回復:滋賀に22ターンオーバーを犯させ、秋田は11スティール。守って走る「らしさ」で勝ち切った。
- 課題は明白:FT 14/28(50.0%)は危険水域。第3Qのオフェンス停滞(8得点)も要改善。
- 滋賀の要所:ザック・オーガストとトーマス・ウィンブッシュがファウルトラブル。終盤の失速の一因に。
- 流れを変えた一撃:中山拓哉の連続3P、スティール→メザーのプッシュから再加速。ウェッツェルのミスマッチ攻略も奏功。
試合結果・速報
2025-26B1第7節 11月1日 秋田ノーザンハピネッツ vs 滋賀レイクス(@滋賀ダイハツアリーナ)
| チーム | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 秋田 | 17 | 20 | 8 | 21 | 66 |
| 滋賀 | 21 | 15 | 19 | 10 | 65 |
来場者数:4,340人
スターティングファイブ(秋田)
- #10 ヤニー・ウェッツェル(C)
- #12 元田大陽(G)
- #15 タナー・ライスナー(F)
- #17 中山拓哉(G)
- #22 アリ・メザー(G)
ゲームの流れ
1Q(17-21)──立ち上がり、元田の合わせが合わずTO、そこを滋賀の西田陽成にコーナー3Pで仕留められる展開。秋田は元田、メザーの果敢なドライブで押し返すも、滋賀はオーガストの外角、P&Rからのアタックが的確。中山のドライブはオフェンスファウル判定。ウェッツェルはペイントで存在感を示したが、秋田はフリースローを立て続けに落とし、“先手を取り損ねた”惜しい10分。
2Q(20-15)──狙いは明確、ウェッツェルのミスマッチを集中攻略。中山が連続3Pで一気に空気を変え、さらにスティール→メザーのプッシュ、こぼれ球を自らフォローする執念で29-23と主導権。滋賀は早々にチームファウル4で秋田のボーナスゾーンに入るが、逆に秋田のファウルもかさみ、ボーナスを生かしきれず。終盤は西田、江原信太朗に外を決められ、37-36で折り返し。滋賀のTOが嵩み(前半から多め)、秋田はさらに点を伸ばしたかったところ。
3Q(8-19)──ここが試練。滋賀はアジア特別枠の游艾喆(ユー・アイジェ)が連続で外を射抜き、常田耕平のインサイドアタックも増量。秋田はボールが停滞しシュートセレクションも悪化。FTも伸びない。ウィンブッシュのゴール下まで許して45-55、最大二桁ビハインドに。
4Q(21-10)──勝負はここから。滋賀はオーガストが4ファウル、ウィンブッシュもF4でアグレッシブさが鈍る。秋田は迷わずペイントに圧力をかけ続け、ウェッツェルの連続アタックで一気に2点差へ。滋賀は江原の3Pで粘るが、終盤はオーガストがファウルアウト。残り1分11秒で61-63と射程圏。ライアン・クリーナーにローポストで沈められ62-65と再び嫌な空気も、最後はウェッツェルの得意のフックがわずかに外れた瞬間──田口成浩が空中で押し込み66-65!ブザーまで守り切って、秋田が歓喜の勝利。
スタッツの要点(チーム)
- 秋田:FG 39.3%(24/61)、3P 20.0%(4/20)、FT 50.0%(14/28)、リバウンド36(OR12/DR24)、スティール11、TO12、ペイント内36点、TOから22点、セカンドチャンス13点
- 滋賀:FG 39.0%(23/59)、3P 30.0%(9/30)、FT 76.9%(10/13)、リバウンド45(OR13/DR32)、スティール6、TO22
数字が物語るのは、「奪って走る」秋田の回復と、FT&リバウンドの課題。FTをあと2〜3本、前半のうちに決めていれば、もっと楽な展開でした。
個人所感(辛口スパイス込み)
- ウェッツェル:ミスマッチの嗅覚とランニングは今季ベスト級。終盤の外れたフックは気にしなくてOK。攻め切ったからこそ田口の劇的弾が生まれた。
- 中山:勝負所の3Pと守備のスイッチ。オフェンスファウルのミスもあったが、全体としてトーンを上げた。
- メザー:ドライブの圧はやはり秋田の生命線。終盤はもう一歩キックアウトの精度を高めたい。
- ライスナー:ヘルプ&ボックスアウトの貢献が目立つ。ペリメーターの当たり外れはあるが、空ける仕事が効いている。
- 田口:説明不要。クラッチ職人健在。次戦はオフボールのスクリーン使用回数をもう一段増やして早いリズムで打たせたい。
- ベンチ全体:第3Qの停滞時に“ボールを動かす”合図が出せず。トリガーコール(フレックスorホーンズ)を誰が鳴らすかを共有したい。
滋賀の脅威と対処
- ザック・オーガスト:フィニッシュ幅とスクリーン角度はリーグトップ級。縦を切る→ショウ→早戻りの徹底でFG%を下げさせたのは収穫。
- トーマス・ウィンブッシュ:スイッチに強く、トランジションで走る。ファウルトラブルに追い込んだのは、アタック回数の勝利。
- 西田陽成/江原信太朗:キャッチ&シュートの間合いが速い。トップのナビゲート役の寄せが半歩遅れると一気に流れを持っていかれるので要警戒。
- 游艾喆(ユー・アイジェ):連続3Pで試合の温度を上げた。次戦はボールサイドのタッチ&ゴーに対し、ICEで縦を消すか、スイッチ後のミスマッチ即ダブルのどちらかを素早く選択したい。
ハイライト動画
ケンゾーHCコメント
「非常にフィジカルなゲーム。第3Qは苦しかったが、第4Qで我慢して最後に田口がねじ込んでくれた。ブースターに勝利を届けられて嬉しい。明日に向けて反省とチャレンジを」(要旨)
選手コメント
- ヤニー・ウェッツェル:「守って走る形を示せた。FTやオープンレイアップのミスは修正余地。最後は田口の存在が大きかった」(要旨)
- アリ・メザー:▶ 選手コメント(YouTube)
- 滋賀 選手談話:公式note「AFTER GAME」で公開予定。▶ AFTER GAME(滋賀公式note)
次戦に向けた改善ポイント(叱咤激励)
- FTの再設計:14/28=50%は勝敗を分ける。Q1・Q3開始2分の「ルーティン固定(同じ呼吸・同じドリブル回数)」をチームルール化して成功率を底上げ。
- 第3Qのトリガー明確化:最初の2ポゼッションで「ホーンズ→ダイブ」「フレックス→バックドア」のどちらかを必ずコール。停滞回避。
- Dリバウンドの執念:本日45-36で劣勢。ヒット→スライド→チェックの3拍子を再確認。特にウィングの外し目の回収を#12,#17で。
- タフ2を打たせる:滋賀のC/Fはアングルチェンジが巧み。ショウ&リカバーの強度を上げ、ペイントのセカンドジャンプで差をつける。
最後に
今日の勝利は、結果だけでなく「どう勝ったか」が大きい。守って走る、粘って奪う、そして最後に飛び込む。ハピネッツが戻ってきました。明日のGAME2は、第3Qの停滞を未然に防ぐトリガーと、FTの微調整、そしてDリバウンド。この3つを押さえれば、連勝は十分狙えます。ブースターの声も、確実に選手の背中を押していました。明日も一緒に勝ち切りましょう!





