待ちに待ったホーム開幕戦。平日の夜にもかかわらず、CNAアリーナ☆あきたには約4,400人のブースターが集まりました。ピンクに染まるホームコートで、今度こそ秋田ノーザンハピネッツの今季ホーム初勝利を見たい。そんな期待を胸に、川崎ブレイブサンダースとの一戦を見守った方も多かったのではないでしょうか。
試合は序盤から川崎に先行される苦しい展開。しかし、第2Qにはウェッツェルとマーク・スミスを中心に猛反撃し、43-40と逆転に成功します。そして第3Q、スミスが立て続けに3Pを沈め、ディープ3Pまで叩き込む圧巻のパフォーマンス!あの短い時間帯は、秋田が試合を支配する未来まで見えた気がしました。
ところが、川崎も黙ってはいません。モハマド・アブドゥルラフマンのアタック、マット・ボンズのゴール下、ジェイデン・リディの高さに押し返され、終盤にはリード・トラビスがファウルアウト。最後は81-87で敗れました。
スミスの26得点、ウェッツェルの23得点という明るい材料がありながら、ペイント内得点では12点、リバウンドでは10本の差をつけられました。ホーム初勝利を逃した要因は、この数字にも表れています。
悔しいですよね。第2Qの逆転も、第3Qのスミス劇場も、勝利への期待を膨らませるには十分でした。それだけに、あと一歩で届かなかった結果を、惜しかったの一言で片づけたくありません。何ができて、何が足りなかったのか。次の勝利をつかむため、しっかり振り返っていきましょう。
今日の試合の注目点
川崎も秋田と同じく1勝3敗で迎えた一戦。序盤の戦績が近い相手だけに、ホームの声援を力に変えて先に主導権を握りたいところでした。連戦ではないだけに、試合の入りから守備と攻撃の狙いを徹底できるかも注目点でした。
- 立ち上がりの改善:追いかける展開を繰り返さず、最初の10分から守備と攻撃の狙いを徹底できるか。
- ターンオーバーの抑制:不用意なミスで相手に速攻を許さず、自分たちの攻撃回数を確保できるか。
- スミスを中心とした攻撃:エースの得点力を生かしながら、日本人選手も積極的に仕掛けられるか。
- インサイドとリバウンド:川崎の外国籍選手を中心としたゴール下の攻撃に対抗できるか。
今回の試合で特に注目したかったのは、スミスが得点を量産することだけではありません。エースが相手の守備を引きつけたとき、ウェッツェルやトラビス、赤穂雷太らがどれだけ効果的に絡めるか。外角のシュートが決まる時間帯に、インサイドへの攻撃も組み合わせられるかという点でした。
ホームの声援は、選手の背中を押してくれます。その後押しを勝利につなげるには、コート上の判断やプレーで応える必要があります。応援の力を結果に結びつける戦いを見せてほしい試合でした。
試合結果・速報
2026-27 B.LEAGUE 10/8(木)川崎ブレイブサンダース戦 GAME1
会場はCNAアリーナ☆あきた。ホーム開幕戦となった一戦は、秋田が第2Qに逆転する粘りを見せたものの、第3Q以降に再び主導権を奪われ、最終スコア81-87で敗れました。
| クォーター | 秋田 | 川崎 |
|---|---|---|
| 1Q | 16 | 26 |
| 2Q | 27 | 14 |
| 3Q | 22 | 27 |
| 4Q | 16 | 20 |
| FINAL | 81 | 87 |
秋田は第1Qに10点差をつけられましたが、第2Qに27得点を挙げて逆転。第3Qもスミスの連続3Pで流れをつかみかけました。それでも川崎に追いつかれ、最終Qは16得点にとどまっています。
個人スタッツでは、マーク・スミスが26得点、ヤニー・ウェッツェルが23得点。赤穂雷太も11得点を記録しました。ジャオ・バイチンも11得点を挙げ、外角から2本の3Pを沈めています。主力が得点を重ねた一方、チーム全体としては攻撃の組み立てとゴール下の攻防に課題が残りました。
| チームスタッツ | 秋田 | 川崎 |
|---|---|---|
| 2P成功率 | 12/36(33.3%) | 22/42(52.4%) |
| 3P成功率 | 13/31(41.9%) | 10/26(38.5%) |
| フリースロー | 18/21(85.7%) | 13/19(68.4%) |
| リバウンド | 35(OR11/DR24) | 45(OR14/DR31) |
| スティール | 5 | 4 |
| ターンオーバー | 8 | 13 |
| ポイントフロムターンオーバー | 18 | 14 |
| ペイント内得点 | 24 | 36 |
| セカンドチャンスポイント | 14 | 21 |
秋田は3P成功率41.9%、フリースロー成功率85.7%と外角やフリースローで高い精度を示しました。ターンオーバーも8回で、川崎の13回を下回っています。
しかし、2P成功率では19.1ポイントの差がつき、リバウンドも10本差。セカンドチャンスポイントは7点差、ペイント内得点は12点差です。外角のシュートが好調でも、ゴール下で押し込まれ、相手に追加の攻撃機会を与えてしまえば、試合を最後まで支配するのは難しくなります。
ここからは、各クォーターの展開を振り返ります。
試合内容・ゲームの流れ
1Q 立ち上がりのミスが連鎖、終盤の連続3Pで10点差に(16-26)
ホーム開幕戦の第1Q。守備では赤穂がボンズの侵入を止め、トラベリングを誘いました。相手の攻撃を簡単に通さず、こちらのペースに持ち込みたい立ち上がりでした。
ところが、秋田の攻撃がかみ合いません。トラビスからウェッツェルへのパスがつながらず、川崎はラフマンの3Pで先制。赤穂の3Pも決まらず、トラビスのフックシュートもリングを通りません。田口成浩がドライブからスクープショットを狙いますが、これも得点にはならず、川崎のボンズがフリースローで加点しました。
さらに荒谷裕秀が3Pを沈め、川崎は7-0のラン。ホーム初勝利を待ちわびたブースターにとっては、早く一本がほしい時間帯でした。それでも秋田は黙っていません。ウェッツェルが3Pを返し、田口から赤穂へのパスがつながって赤穂も外角から得点。スミスのパスを受けたウェッツェルが再び3Pを決め、秋田が9-7と逆転しました。
ここは気持ちが前を向く場面でした。ウェッツェルのシュート力が相手の守備を広げ、赤穂もボールを受けて迷わず打ち切る。スミス一人に頼らず、複数の選手が得点に絡めたことは収穫です。スミス自身もスピードに乗ったドライブで加点し、秋田が攻撃のリズムをつかみかけます。
しかし、川崎はすぐに荒谷のドライブで応戦。秋田はインサイドへの侵入を抑え切れず、元田大陽から岩屋頼へとつながる3Pで16-13とリードを広げた後も、安定した守備を続けられませんでした。ボンズはミスマッチを突いてゴール下へ。秋田がゾーンディフェンスに切り替えても、リディのミドルシュートで攻略されます。
そして、残り1分31秒で16-19。ここからが痛かった。ウェッツェルのトラベリングに続き、秋田は5秒バイオレーションも犯して連続ターンオーバー。攻撃を完結できないまま相手にボールを渡し、津山尚大とラフマンに連続3Pを許してしまいました。16-26、わずかな時間で10点差です。
第1Qの問題は、シュートが入らなかったこと以上に、終盤の攻撃を自分たちで止めてしまったこと。ホームの勢いを生かすどころか、川崎に一気に流れを渡してしまいました。
ターンオーバーの直後に相手の3Pが決まると、失点だけでなく精神的なダメージも重なります。試合の入りから集中力を保ち、攻撃を最後までやり切ることは、次戦でも改善してほしい部分です。
2Q ウェッツェルとスミスが反撃の火をつけ、43-40と逆転!(27-14)
10点を追う第2Q。秋田はここで崩れませんでした。ウェッツェルが積極的にリングへ向かい、まず18-26。さらに松山の合わせからゴール下を狙います。序盤にはスミスのドリブルミスやトラビスのシュート失敗もあり、嫌な流れが顔を出しましたが、秋田は攻める姿勢を失いません。
川崎はラフマンからカークへの合わせを作り、ゴール下で加点。秋田はタイムアウトを取って立て直しを図ります。ウェッツェルからトラビスへの合わせはカークにブロックされましたが、ここでスミスがカークの上から3Pを沈めます。21-30。相手の高さに押し返されそうな場面で、エースが難しいシュートを決めて空気を変えました。
ウェッツェルも3Pを決めて24-30。篠山竜青にコーナー3Pを返されたものの、スミスはさらにディープ3Pをねじ込みます。距離のあるシュートが決まると、相手の守備位置は少しずつ外へ引き出されます。そこへウェッツェルが内外で存在感を見せ、ジャオ・バイチンも連続して川崎のゴール下を守りました。
赤穂のタフショットをウェッツェルがフォローして29-33。ここで川崎がタイムアウトを取ります。試合序盤に見られた一方的な流れとは違い、秋田が守備で粘り、攻撃では複数の選手が関わりながら差を縮めていきました。
もちろん、川崎も簡単には崩れません。ラフマンのフローターからボンズが押し込み、リバウンド争いではトラビスにファウルがつきます。それでもスミスのピック&ポップからジャオが3Pを決めて32-35。インサイドを守り、外から仕留める。ここは秋田が目指したい攻撃の形に近いものでした。
ジャオのリバウンドから速攻へ移り、スミスがダンク。さらに赤穂が後ろからフォローするなど、チーム全体で走る姿勢も出てきます。36-38まで迫ると、赤穂がベースラインからドライブを仕掛けてファウルを獲得。フリースローで38-38の同点に追いつきました。
残り2分41秒、試合は振り出しに戻ります。ウェッツェルのターンオーバーからボンズに速攻を許しましたが、スミスがファウルを獲得してフリースローへ。さらに秋田がフリースローで加点し、43-40と逆転して前半を終えました。
第1Qの終盤には10点差まで広がりましたが、第2Qは27得点で逆転しました。ウェッツェルの積極性、スミスの勝負強さ、ジャオの守備と3P、赤穂のドライブ。それぞれの持ち味がかみ合ったことが、逆転につながりました。
ここで証明したのは、秋田にも川崎を押し返す力があるということ。問題は、その攻撃と守備を次のクォーターでも続けられるかでした。
3Q スミス劇場が開演!連続3Pで突き放すも、川崎の反撃を止められず(22-27)
後半の立ち上がり、ラフマンがリバースレイアップを狙い、トラビスにファウル。川崎はフリースローで追い上げを図ります。しかし、ここでスミスが3Pを沈めて46-41。さらに粘り強いディフェンスでラフマンのラインクロスを誘い、トラビスもリバウンド争いでラフマンにファウルを与えました。
スミスは攻撃だけでなく、守備でも相手に簡単なプレーを許しません。自ら仕掛けて得点し、相手の攻撃を苦しめる。エースとしてコートの両側で存在感を出す姿は頼もしいものでした。
トラビスがスミスのアタックをフォローして48-41。カークにゴール下を押し込まれる場面はありましたが、スミスはステップバック3Pを決めて51-43。さらにディープ3Pを沈め、54-43とリードを広げます。ここで川崎がタイムアウト。短い時間に3Pを立て続けに決めるスミスの爆発力は、まさにスミス劇場でした。
難しい3Pが続けて決まり、秋田が一気に試合を引き寄せる期待が高まりました。ディフェンスの上からでも決め切るスミスのシュート力は、エースとしての存在感を改めて示すものでした。
ただし、ここからが勝負でした。川崎はラフマンを中心に反撃を開始します。リディとの合わせからゴールへ向かい、自らもドライブで秋田の守備を揺さぶる。さらにラフマンがミドルシュートを決めて54-49。秋田が作った二桁リードは、あっという間に縮まりました。
秋田はジャオのターンオーバーからボンズに得点され、56-54と2点差に。川崎が再び息を吹き返したところで、秋田はタイムアウトを取ります。スミスが火をつけた攻撃の勢いを、チーム全体で守り切れなかったのが痛いところでした。
その後も一進一退の攻防が続きます。ボンズや荒谷のドライブを止め切れず、63-63の同点に。さらにリディのハイローから逆転を許し、63-65で第3Qを終えました。
スミスの連続3Pで二桁リードを築きながら、川崎の反撃を止められませんでした。得点後の守備とリバウンドを徹底し、相手に流れを渡さないことが課題です。
もちろん、川崎も黙ってやられるチームではありません。ラフマンが自ら仕掛け、リディやボンズがインサイドで仕事をする。秋田が外から突き放すなら、川崎はゴール下から押し返す。その構図がはっきりした第3Qでした。
スミスの3Pは素晴らしかった。それは間違いありません。ただ、あの時間帯に必要だったのは、さらに点を取り続けることだけではなく、相手に簡単な得点を許さないことでもありました。試合の流れをつかんだときこそ、次の一本をどう守るかが問われます。
4Q トラビスの3Pで逆転、最後のリバウンドと得点力で川崎に屈す(16-20)
最終Qは63-65。秋田はロスター10人の総力戦で、外国籍選手のサイズとパワーを生かす川崎に立ち向かいます。ジャオとラフマンが3Pを打ち合い、序盤から一歩も引かない展開になりました。しかし、ボンズがゴール下でエンドワンを決め、川崎がリードを広げます。秋田はタイムアウトで立て直しを図りました。
ジャオにはファウルが重なり、松山が3Pを決めても、赤穂のベースラインドライブに続くフリースローで食らいつく展開。赤穂はラフマンにもファウルを与え、川崎の主力に負担をかけます。スコアは70-76。川崎はオン・ザ・コート4を使い、インサイドの強みをさらに押し出してきました。
それでも秋田は諦めません。ウェッツェルがドライブでファウルを獲得し、トラビスが3Pを沈めて79-78と逆転します。試合は再びどちらに転ぶかわからない展開へ。ホームのブースターも、次の一本に期待を寄せたくなる時間帯だったはずです。
ところが、ここで秋田は追加点を奪い切れません。フリーになったトラビスが3Pを3度試みましたが、いずれも決まりませんでした。オープンシュートを打ち切る判断自体は悪くありませんが、決め切れなかったことで、川崎に再び攻める機会を与える結果となりました。
ただ、シュートが落ちた後にどうするかが重要でした。川崎はラフマンがアタックし、トラビスにファウルがつきます。さらにリバウンド争いでトラビスが5ファウルとなり、退場。残り1分23秒、わずか2点差の局面で、秋田はインサイドの大きな戦力を失いました。
その後、スミスがドライブを狙うものの決め切れず、ジャオもリバウンドを確保できません。ラフマンがバンクショットを沈め、最後はリディのダンク。川崎が81-87で勝利を収めました。
勝負どころで目立ったのは、川崎の確実なインサイドアタックです。秋田は3Pで逆転する力を見せましたが、最後に必要だった追加点を取れず、相手にはゴール下で確実に得点されました。トラビスの退場も含め、最後の数分で秋田の攻撃と守備の選択肢が狭まってしまいました。
勝敗を分けたのは、最後のシュート一本だけではありません。攻撃を組み立て直す力、リバウンドを取り切る力、相手の得点を防ぐ力。その積み重ねで川崎が上回りました。
81-87。数字だけなら6点差ですが、逆転した第2Qも、スミスが爆発した第3Qもあっただけに、悔しさは大きいです。それでも、競った展開を作る力は見せました。あとは、競った試合を勝ち切るための遂行力を、チーム全体で高めていくことです。
勝敗を分けたポイント 3Pが決まっても、インサイドで押し返せなかった
秋田は3P成功率41.9%、フリースロー成功率85.7%と高い精度を示し、ターンオーバーも川崎より少ない結果でした。それでも勝ち切れなかった理由は、2P成功率とリバウンドの差に表れています。
それでも敗れたのは、攻撃の中身に差があったからです。秋田の2P成功率は33.3%に対し、川崎は52.4%。ペイント内得点も秋田の24点に対して川崎は36点でした。つまり、川崎は外角のシュートだけでなく、ゴールに近い場所で高確率の得点を積み重ねていたわけです。
秋田が3Pでリードを広げた時間帯、川崎はラフマンのドライブ、ボンズのゴール下、リディの高さを使って反撃しました。外から点を取ることはできても、相手のインサイドを止められなければ、リードは少しずつ削られてしまいます。
もう一つ見逃せないのがリバウンドです。秋田は35本、川崎は45本で、全体では10本差。オフェンスリバウンドも秋田の11本に対して川崎は14本でした。シュートを外した後にボールを確保できるかどうかが、追加の攻撃機会や失点を左右します。
セカンドチャンスポイントも秋田14点、川崎21点でした。川崎はオフェンスリバウンドから攻撃を続け、秋田は守備を終わらせ切れない場面がありました。リバウンドでは、シュートが放たれた瞬間に相手を押さえ、落下地点を予測し、ボールを確保するまで競り続けることが大切です。
秋田は3Pの成功率で川崎を上回り、ターンオーバーも少なかった。それでも勝てなかったからこそ、インサイドの得点とリバウンドを改善する価値があります。
スミスが難しい3Pを決めてくれる試合は、これからもあるでしょう。しかし、毎回その確率で勝負できるわけではありません。外角が落ちる日にも得点できるよう、ドライブでファウルを誘い、ゴール下へボールを入れ、オフェンスリバウンドからセカンドチャンスを作る。勝ち筋を一つに絞らない攻撃を期待したいところです。
スミスの26得点とウェッツェルの23得点 エースを生かす攻撃へ
今回、攻撃面で大きな存在感を示したのはマーク・スミスです。26得点を記録し、第2Qには難しい3Pで反撃のきっかけを作り、第3Qにはステップバックやディープ3Pで一気にリードを広げました。自らドライブで仕掛ける力もあり、川崎の守備にとって大きな脅威だったことは間違いありません。
ウェッツェルも23得点と奮闘しました。インサイドへのアタックだけでなく、3Pでも得点を重ね、スミスとともに攻撃を引っ張っています。さらに赤穂は11得点を挙げ、ドライブやフリースローで貢献。ジャオも11得点を記録し、守備と外角のシュートで存在感を示しました。
主力が得点を重ねても勝ち切れなかった背景には、攻撃の組み立て方も関係しています。ここで考えたいのが、スミスを中心とする攻撃と、スミスに頼り過ぎる攻撃の違いです。
エースにボールを集めるのは自然な戦術です。スミスには得点力があり、相手の守備を引きつけられます。ただし、周囲の選手がスミスを探すことばかりに意識を向けると、自分で仕掛けるチャンスがあっても攻撃が遅れ、相手に守備を整える時間を与えてしまいます。
赤穂のコメントでも、日本人選手がスミスを探し過ぎて消極的になっている点が課題として挙げられました。これは軽い指摘ではありません。エースを生かすためには、周囲の選手が自分の役割を理解し、必要な場面では自ら攻める姿勢を持たなければならないからです。
たとえば、スミスに守備が集まれば、空いた選手がドライブを仕掛ける。ウェッツェルがインサイドで相手を引きつければ、外側の選手がパスを受けてシュートを狙う。外角を警戒された場面では、トラビスやジャオがゴール下で勝負する。こうした選択肢を使い分けられれば、相手もスミスだけを警戒するわけにはいきません。
スミスに得点を任せることと、スミスだけに攻撃を任せることは違います。エースが輝くためにも、周囲の選手が自分から仕掛ける姿勢を失ってはいけません。
ウェッツェルが23得点、赤穂が11得点を挙げたことからも、攻撃の選択肢は一つではありません。次はスミスが囮になる時間帯も含め、周囲の選手が自ら仕掛けて相手の守備を動かす攻撃を見せてほしいです。スミスの得点力を生かしながら、チーム全体で相手を崩し切るバスケットボールに期待しています。
ハイライト動画・試合後コメント
スミスの3P連発やウェッツェルの攻撃など、川崎戦のハイライトを振り返ります。試合の流れが変わった場面にも注目してください。
ミック・ダウナーHCコメント
まずはブースターの皆さんに感謝の気持ちをお伝えしたいです。平日の夜にもかかわらず、こうしてホーム開幕戦に足を運んでくださり、本当にありがとうございます。4,400人ほどが入られたと聞き、心から感謝しています。
選手たちは非常にハードにファイトしてくれました。終始競り合いが続く展開だったと思いますが、試合終盤でオープンシュートを決めきれず、プレーの遂行力が不足していたと感じています。終盤にジャンプシュートを何度か外してしまった後、リムアタックしてファウルを誘いにいきましたが、狙い通りの遂行ができませんでした。対して相手はオフェンスでの遂行力が高く、確実にファウルを獲得し、オフェンスリバウンドももぎ取るなど、勝負どころの細かい部分で質の高いプレーを重ねていました。
このような悔しい結果になり非常にがっかりしていますし残念ですが、選手たちは最後まで激しく戦い抜いてくれました。ここからさらにチームとしての遂行力を高め、成長していかなければいけないと思っています。
赤穂雷太選手コメント
本当にまずは勝ちたい試合でしたが、出だしの第1クォーターで10点差をつけられてしまいました。今シーズンは追いかける展開が多いので、ヘッドコーチからも出だしからしっかりやろうと事前に伝えられていたのですが、今回も第1クォーターから追いかける形になってしまったので、ここは絶対に改善していかなければいけないポイントだと感じています。
コート上でファイトはしていたと思いますが、遂行力を徹底できていませんでした。チームで準備してきたスカウティングやゲームプラン通りに全員で戦わなければ、このBプレミアでは勝っていけないということをここ数試合で改めて感じているので、全員が強い危機感を持ってプレーしていかなければいけません。
今シーズンは、スミス選手が絶対的なエースで、チームとして彼を中心にオフェンスを展開していく方向性ではあります。ただ、日本人選手がコート上でスミス選手を探しすぎてしまい、攻める姿勢が消極的になってしまっている点が大きな課題だと感じています。僕たち日本人選手がしっかりと自覚と責任を持ってアグレッシブにプレーしなければいけないと思っています。
ホームアリーナの雰囲気は本当に大好きですし、昨シーズン怪我を経験したことで、こうしてコートに立ってプレーできることは当たり前ではないのだと実感しました。だからこそ、コートに立つ以上は常に全力を尽くしたいと思っています。
現在チームには怪我による離脱者が多く出ていますが、1日も早く復帰してきてほしいと願っています。言葉を選ばずに言えば、全員が揃ってからが本当の意味でのスタートだとも思っています。それまでの期間はチーム一丸となって耐え抜き、メンバーが万全の状態で戻ってくるのを待ちたいと思います。
最後に ホーム初勝利へ、悔しさを次の一歩に変えよう
ホーム開幕戦は81-87。第2Qに逆転し、第3Qにはスミスが3Pを連発してリードを広げただけに、悔しさの残る敗戦でした。あと一本、あと一つのリバウンドが勝敗を変えたかもしれない。そんな思いが残る一戦です。
それでも、今回の試合には次につながる材料があります。スミスは26得点、ウェッツェルは23得点。赤穂も11得点を挙げ、ジャオも攻守で存在感を見せました。第2Qにチーム全体で反撃した姿は、秋田が流れを変える力を持っていることを示しています。
だからこそ、次に求めたいのは、スミスの爆発力に頼るだけでなく、インサイドへの攻撃とリバウンドを含めて40分間の勝ち筋を作ること。外角が決まる日も、決まらない日も、勝利を手繰り寄せる攻撃を見せてほしいです。
特に気になるのは、日本人選手がスミスを探し過ぎてしまうという赤穂の指摘です。エースを生かすことは大切ですが、パスを出すだけが貢献ではありません。自らドライブを仕掛け、味方のために相手の守備を引きつけ、ルーズボールにも飛び込む。そうした積極性が、攻撃に厚みを与えます。
川崎に許したペイント内36点、リバウンド45本も改善したい数字です。インサイドへの侵入を防ぎ、シュートが落ちた後はボールを取り切る。3Pの成功率だけでは埋められない課題に、チーム全体で取り組んでほしいです。
もちろん、負傷離脱者がいる状況で、すべてを簡単に解決できるわけではありません。だからこそ、コートに立つ選手が一人ひとりの役割を理解し、今できることを徹底する必要があります。苦しい時期をただ耐えるのではなく、勝つために何を変えるかを考え、積み重ねていきたいですね。
ホーム開幕戦で勝利を届けられなかった悔しさは、選手もブースターも同じです。それでも、スミスの3Pがリングを射抜いた瞬間の高揚感や、第2Qにチームで逆転したときの期待まで消えたわけではありません。あの力を勝利につなげるために、立ち上がりから攻め、守り、リバウンドを取り切る秋田を見せてほしいです。
頑張ったから仕方がない、惜しかったから十分だ、では終わらせたくありません。勝つために必要なことを一つずつ修正し、ホームで勝利の喜びを分かち合いましょう。秋田ノーザンハピネッツの反撃はここからです。ブースターも一緒に、最後まで熱く背中を押していきましょう!
