今日の試合の注目点

レギュラーシーズン最初のアウェー連戦2試合目。秋田ノーザンハピネッツはサンロッカーズ渋谷に69-86で敗れ、開幕2連敗のスタートになりました。結論から言えば「第1クォーターの失点がすべて」。ウイングで爆発したロウザダを止め切れず、グランタムのトレイル3やハーパージュニアの合流点で一気に31-10。とはいえ、2Q以降は修正が効き、ディフェンスの輪郭は戻りました。ここではブースター目線で“甘やかしゼロ”、でも前向きに、何が足りず、何が希望かを整理します。

試合結果・速報

2025-26B1第1節10月5日秋田 VS渋谷

会場 最終 1Q 2Q 3Q 4Q 備考
第1節 GAME2 青山学院記念館 秋田 69 – 86 渋谷 10 – 31 26 – 24 12 – 15 21 – 16 第1Qで-21の大出遅れ

実況感で振り返る:ゲームの流れ

スターターは元田・菅原・赤穂・ウェッツェル・ライスナー。立ち上がり、菅原のドライブで秋田の初得点が生まれますが、渋谷はロウザダがウィングからインサイドカット→フェイダー→3P→ミドルとフルコースで加点。さらにグランタムのトレイル3、ハーパージュニアのスポットアップが刺さり、31-10。秋田の守備が緩んだというより、渋谷のショットメイクが異常なまでにハイエフィシエントでした。

第2Q:落ち着きを取り戻すも、追い上げは“単発止まり”

秋田はピンダーをコートに送り、ハイポスト→フェイスアップの起点を増やして応戦。ピンダーの3P、ライスナーのダンクと見せ場は作るものの、まだ“単発”。終盤にピンダーのアタック&アンドワン、菅原の3Pでやっと火がつきますが、スコアは36-55で折り返し。ここまでの印象は「守備は戻りつつも、攻撃で“第二解”に届かない」。

第3Q:流れを掴みかけては、もう一歩届かず

後半の立ち上がり、ピンダーが自ら手を出してスティールから速攻ダンク。渋谷がたまらずタイムアウトを請求――よし、この波に乗るぞ、という空気が漂うものの、要所でのターンオーバーとリム周りの決め切りで1歩足りない。第3Qは12-15で軽微なビハインド。「追い上げの入口までは来たが、扉は開き切らない」というもどかしさ。

第4Q:個の打開は光るが、ゾーン背後を突かれる

ウェッツェルのアタックからのワンスロー、ロングパスにピンダーが走り込んでのタッチダウン。個で切り崩す場面は確かに増えました。が、渋谷はホーキンソンとロウザダがゾーン背後のバックカットで刺し返してくる。秋田は高比良のスティール→ドライブ、ウェッツェルのフック、ピンダーのインサイドゴリ押し&外角で加点するも、時間は味方せず――勝負あり。

数字では見えない“差”の正体

第1Qの-21。ここがすべてです。渋谷はハンドオフ→ピンダウン→トレイルという連続性でホットハンドを見つけ、秋田はその連続性を断ち切る「初動の圧」を1テンポ遅らせてしまった。プレシーズンで見せた“守って勝ち切る”型は後半に戻りましたが、“出だしのトーンセット”が脆かったのは否めません。

秋田ブースター視点の叱咤激励:個人寸評

ピンダー:破壊力は本物。次は“連続性”を

外も中も打てる、リムにも走れる。今日は個で局面を変える才能を十分に見せました。あとは「次の一手」を隣に置くこと。ショートロールからのハイロー供給や、コーナーのエレベーターを絡めた二段構えが増えるほど、相手のスカウティングを上書きできます。“一人で打開し続けなくていい”形作りに期待。

ウェッツェル:要所のフィニッシュとボックスアウト

フィニッシュのタフネスは健在。終盤のフックも効きました。課題は戻りの約束事。ビッグ併用時、誰がセーフティで誰が走るか――声の統一ができればDREB→二次ブレイクの再現性はもっと上がるはず。

菅原:初手のアタックは◎。ディフェンスの“最初の角度”をもう半歩

秋田初得点のドライブは良かった。ディフェンスでは、相手シューターに対する「ファーストコンタクトの角度」を外側にもう半歩切って入れると、追撃のスイッチが回りやすい。次はそこを仕留めよう。

赤穂:走る先頭と、ゾーン背後の管理

トランジションの先頭で効きました。が、今日はゾーン背後での「だれを見る?」が曖昧になった場面が数回。ベースラインの声出し強化で即改善可能。サイズと運動量はリーグ上位、遠慮せず主張を。

ベンチ陣:高比良のスティールは良薬。次は“予告ありの強度”で

高比良のスティール→ドライブはチームに息を入れました。次は“予告ありの強度”(=相手に「この時間は上げてくる」と思わせる)をもっと長い時間帯で。ローテはハマりつつあるので、「強度の時間割」を決めきりたい。

相手の脅威と秋田の処方箋

ロウザダ:ウィングの“全部乗せ”にどう対抗する?

3P・ミドル・フェイダー・バックカットの4点セットを止めるには、ボールタッチ前からの圧と、受けた瞬間のショルダーチェックが必須。トップロックでキャッチ地点を奪い、通されたらショウ→即戻りで時間を削る。今日のように「乗っている」日に“最初の2本”を楽に打たせないことが絶対条件です。

ホーキンソン&グランタム:ハイポ起点とトレイル3への対処

肘(ハイポ)起点での合わせと、トレイル3は渋谷の生命線。秋田はセーフティを1歩深く、トレーラーの捕捉役をコールで明確に。ハイポ受けはエントリー前の圧で遅らせ、ローポは3/4フロントでパスラインを細くする――守備の原理原則で十分戦えます。

戦術ノート:クラッチの“第二解”まで共有しよう

今季テーマは「ポゼッション増」。でも速い=雑ではありません。クラッチで仕留めるには、第一解(エレベーター/スタガーでのキャッチ&シュート)と、第二解(スクリーナーのショートロール→ハイローorコーナー展開)の二段構えが不可欠。今日の追撃で惜しかったのは、その第二解に移る“合図”が一瞬遅れたこと。ここは練習で詰めれば即改善します。

試合状況の背景:不在の影響と守備タスクの再配分

キャプテン格の中山拓哉が脳震とう疑いで登録外。さらに栗原翼もコンディション不良で欠場。ウイング守備の負担が赤穂・菅原に集中しました。それでも後半のディフェンスは戻った。だからこそ、「出だしのトーンセットを誰が担うのか」の設計が急務。いまは“正解探しの最中”ですが、答えは遠くないはずです。

ハイライト動画

ケンゾーHCコメント

「第1クォーターがすべて。ベンドラメが早々に2ファウルになって“流れが傾く予兆”は見えたが、ロウザダとハーパージュニアを乗せてしまった。タイムアウトを2つ使っても切れなかったのは自分の力不足。選手は最後まで戦ってくれた」――要旨。次の試合に向け、“出だしの守備強度”と局面判断の共有を強調しました。

選手コメント

  • 秋田・菅原:乗らせてはいけない選手に3Pを決められたのが大きい。先発としてディフェンスのトーンセットをもっと担いたい(要旨)。
  • 秋田・ピンダー:個の手応えはあったが、チームとして“第二解”まで連続して出す回数を増やしたい(所感)。
  • 相手・ロウザダ:ウィングでのショットが序盤からハマり、ゾーン背後の合わせも機能。チームとしての連続性を評価(試合後の様子からの要旨)。

改善チェックリスト:すぐ直せる&直すべき

  • 【開幕直後の最重要】トーンセット役の明確化…第1Q最初の3ポゼッションの守備ルール共有。シューターの初手をタフに。
  • 【DREB→走る】ビッグ併用時の「誰が残り、誰が走るか」を声で固定。無言の戻りは事故のもと。
  • 【クラッチの二段構え】第一解がダメなら、即ショートロールへ。合図は短く、合図のない合図を。
  • 【ゾーン背後の管理】バックカットの責任者を5人で共有。ベースラインの“最後の人”を迷わない。
  • 【FT/TOのメンタル】フリースローとターンオーバーは即修正可能領域。ルーティンとパス角度の再点検。
最後に

悔しいです。でも、悲観はしていません。後半の守備は戻ったし、ピンダーの攻守の存在感、ウェッツェルのフィニッシュ、高比良のスティールと、反撃の素材は揃っています。足りないのは「出だしの声」と「第二解の合図」。ここを詰めれば勝ち方はすぐ戻る。ブースターとしては、叱咤と同じだけ拍手も送りたい――まだ、ここから。次のカードで、開幕ダッシュの“遅れ”を取り返そう。

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