開幕2連敗。ブースターとして正直、胃がキリキリしますよね。でも愚痴で終わるのは今日で終わり。チームは「守って走る」原点に戻りつつ、スタメンの意思決定でリズムを取り戻す時はいまではないでしょうか?キーワードは「持ちすぎない司令塔」。アジア枠で加入したアリ・メザーを先発させ、ボールの循環を滑らかにし、ピンダー&ウェッツェル(またはライスナー)を“生かす”設計へ。ピック&ロール守備のルールも整理し直し、ミスマッチ発生前に火種を消す。この記事では、応援目線と辛口のバランスで、再起動の現実解を提示します。

いまの秋田に足りないもの—“中途半端”を脱する3ポイント

① ボール保持時間の偏りと、攻撃の連続性

いまのオフェンスは、良い時間帯でも「個の打開」が先行して連続性が断たれがち。ピンダーやウェッツェルが“一人でやっている”ように見えるのは、彼らが悪いのではなく、第二解(ショートロール→ハイロー/コーナー)への移行が遅いから。司令塔がボールを“持ちすぎない”だけで、パスの弾みは一気に良くなります。

② ピック&ロール守備の設計—ミスマッチ“後始末”から“発生前の縮小”へ

相手のPNRに対して「スイッチ→体格差を我慢」で後処理する時間が長い。これを、サイドはICE、中央はWeakを基本に、必要時はShow&Recover(見せて戻る)で時間を稼ぐ設計に。ダブルは2〜3秒で解散、弱サイドのXアウトはショートレンジで回す。原理原則を全員で共有すれば、ミスマッチは“発生前に小さく”できます。

③ 役割の言語化—田口はキャッチ&シュートでこそ輝く

田口成浩はリーグ随一の「出口」型シューター。ドライブ単独打開を増やすより、エレベーター/スタガー/フレアで“打てる場所”を用意して仕留めるほうが勝率は上がる。役割の言語化は、ミスの責任追及ではなく、武器を最大化するための処方箋です。

アリ・メザー先発案—アジア枠の価値をコートで証明する

「持ちすぎない司令塔」がもたらす3つの効用

メザーはパスファーストで、アシストを“生み出す”こと自体が好きなタイプ。①ボールの滞留が減り、ピンダーのショートロールが自然発火、②ライスナーのピック・ポップで横幅が生まれ、③赤穂の先頭走が加速——攻撃の連続性が高まります。「なぜアジア枠を取ったのか?」への明快な答えを、先発起用で示しましょう。

ピンダー&ウェッツェル(またはライスナー)を“生かす”設計

ピンダーは外内どちらも打てる万能型。ウェッツェルはリム周りのタフフィニッシャー。ライスナーはストレッチ4。メザーが起点になれば、ピンダーのショートロール→ハイロー、ウェッツェルのダイブ、ライスナーのポップが「連続した一連の流れ」になります。誰か一人に重責を背負わせず、打点を分散できるのが最大のメリットです。

提案スタメン&ローテ—“声と合図”で一本化する

先発案A:メザー/赤穂/中山/ピンダー/ライスナー

中山が復帰可能なら、この5人で「速くて丁寧」を実装。メザーと中山のダブルハンドラーでボールプレッシャーに強く、ライスナーのポップで横幅を確保。クラッチは田口を“決めにいく”時間帯で投入し、出口を一点集中させます。

先発案B(中山不在時):メザー/田口/赤穂/ピンダー/ライスナー

田口をスターターへ上げる代わりに、ハーフコートでは必ずシューターセットを一つコール。ベンチからは菅原でギアを上げ、高比良で相手ガードに圧をかける。ウェッツェルはセカンドユニットの核に据え、「DREB→二次ブレイク」の再現性を上げる狙いです。

セカンドの設計:菅原/高比良/元田/田口(または栗原)/ウェッツェル

守備の強度を上げる“時間割”をあらかじめ決め、ウェッツェル軸のハーフコートで波形を整える。田口には必ずC&Sの一本を仕込む。元田は2ndハンドラーとして「詰まった瞬間の逃げ道」を提供。目的はシンプル、流れを切らさないことです。

セットプレー青写真(オフェンス)—“第二解”が自動で出る設計

Horns 45 “Short”:ショートロール起点の自動化

エルボーにピンダー&ライスナー、トップにメザー。ハンドラー→ピンダーのショートロール、弱サイドで赤穂がスリップ。これで止まれば、すぐハイロー or コーナーへ展開。「持ちすぎ」を構造的に防ぐセットです。

Zoom→Spain:DHOとバックスクリーンでリム圧

メザー—ピンダーのDHOから、ウイングの赤穂がバックスクリーンを入れてダイブ。相手のヘルプが内に寄ればコーナーが開く。ピンダーを“一人にさせない”ための、連続アクションが肝です。

Stagger→Flare(田口専用):読まれたら逃げ道を

2連スクリーンで田口のC&Sを作り、トップロックされたらフレアに切り替え。さらにバックドアのカウンターまで仕込む。「田口はキャッチして生かす」を徹底するための定番セットに。

ディフェンス再設計(PNR)—約束事を短く、明確に

基本はICE/Weak、必要時はShow&Recover

サイドPNRはICEで中央を切る、中央PNRはWeakで弱ハンドへ誘導。プルアップ巧者にはShowを長めに見せつつ、戻りは早く。守備の“入り口”を制限するのが先決です。

Early Switchと「ダブルは2〜3秒で解散」

ミスマッチを作らせないEarly Switchをベースに、作られても小さく済ませる。ダブルは長居しない、弱サイドのXアウトはショートレンジで回す。ベースラインの「最後の人」は固定役を決め、迷いをなくす。ここは“声”で勝てます。

KPI(数字で見る良化指標)—試合後5分で自己点検

  • TO%:12%未満(横パス由来を半減)。
  • DREB%:72%以上(セカンドチャンス失点の削減)。
  • Potential Assists:35本以上(メザー起点の二次展開)。
  • PnR失点(/100P):前カード比▲6以上(ICE/Weakの実行率と連動)。
  • 田口のC&S:試投5本・成功率38%目安(セットコールで供給担保)。

観戦ポイント—三河戦で“ここを見る”

  • 立ち上がり3ポゼッション:誰に最初の2本を打たせたか(ホットハンドを作らせない)。
  • ガードナーのポスト:ダブルの解散時間は2〜3秒で守れているか。
  • レイマンのトレーラー3:セーフティと捕捉役のコールが滑らかか。
  • 第二解の頻度:ショートロール→ハイロー/コーナーが自動で出ているか。
  • DREB→二次ブレイク:誰が走り、誰が残るかの“声”が途切れていないか。

よくある反論とリスク—それでも進む理由

「ウェッツェルを先発から外すのはリムが薄くならない?」

セカンドユニットの柱としてウェッツェルを中心に据える狙いは、相手ベンチ時間帯に確実にアドバンテージを作ること。先発はライスナーで横幅を出す分、DREB%の維持を“声”と“合図”で担保する。役割の再配分でリスクは管理できます。

「メザーに強圧をかけられたら?」

ダブルハンドラー(中山復帰後)や、赤穂・元田の2ndハンドラー化で受け皿を増やす。ハンドオフ前のスタンスとパス角度の徹底で、横パスTOの芽を摘む。重要なのは“持ちすぎない”原則を守ることです。

「田口の出番が難しくならない?」

むしろ明確になります。ベンチから入って“出口を決める人”。一本のための布石を4つ打つくらいの設計でいい。スタガー→フレア→バックドアの三段活用で、消える時間を作らせない。

まとめ—主力を決めろ。声と合図で、チームを一本に

強調したいのは二つ。ひとつは、「主力を決める勇気」。中途半端なままではリズムは生まれません。もうひとつは「声と合図」。PNR守備の約束事、DREB後の“誰が走り、誰が残るか”、クラッチの第二解——これらはすべて、合図一つで良くなる領域です。アリ・メザーを先発させる意味は、パスの分配を平準化し、ピンダーやウェッツェル(ライスナー)を“生かす”ため。田口はC&Sで仕留める。赤穂は先頭を走る。高比良は強度を上げる。菅原はギアを変える。役割が噛み合えば、連敗は“通過点”に変わります。ここから巻き返そう、秋田。ブースターの声は届いている。あとはコートで、答え合わせです。んでねー?