今日の試合の注目点、
ようやく来た“その一勝”。第2節ゲーム1、アウェー岡崎で秋田ノーザンハピネッツがシーホース三河に79-78で逆転勝ち。16点差を跳ね返し、開幕連敗の空気を一変させました。キーワードは「持ちすぎない司令塔」と「後半の守備回復」。クランチでアリ・メザーがアリウープ供給→3P→決勝フローターと三段活用、ピンダーは後半にアジャストし、ウェッツェルは要所のボードで粘る。もちろん課題も山積みです。角野の3P連発、前半のゾーン攻略の遅れ、ホットハンド管理の甘さ…。だからこそ、勝った今のうちに“何が勝因で、どこを直すべきか”を、応援目線×辛口でしっかり言語化しておきます。
試合結果・速報
2025-26B1第2節10月11日秋田 VS三河
節 | 会場 | 最終スコア | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 主なトピック |
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第2節 GAME1 | 岡崎中央総合公園総合体育館 | 秋田 79 – 78 三河 | 21 – 22 | 16 – 24 | 24 – 17 | 18 – 15 | 16点差から逆転/メザーが終盤に3連続ビッグプレー |
実況感で振り返る:ゲームの流れ(臨場感MAX)
■ スタメン/前提
秋田の先発はウェッツェル、元田、メザー、高比良、ピンダー。中山・栗原を欠くウイング事情の中、守備のギアは“全員で上げる”前提。メザーは「持ちすぎない司令塔」として期待がかかる。
■ 1Q:互角の入り→互いに修正合戦
ウェッツェルのゴール下、元田の3Pで5-3。ベンチTで空気が揺れるも、ライスナーのドライブ、ウェッツェルのリバウンドプット、田口のミドル、ライスナーのフローターで9-0ラン。三河はガードナーのローポ攻めで応戦し、最後はピンダーのアタックで21-22。落ち着きを取り戻した両軍、まずは互角の立ち上がりだ。
■ 2Q:角野の雨とゾーンの壁——一時16点差
ここが今日の“暗転”。角野亮伍の3Pが面白いように入る。レイマンも続き、気づけば28-44。秋田はゾーンの外回りが増え、インサイドに重さが出ない。前節渋谷戦の反省(出だしの守備&ゾーン攻略)が十分に生きていない…と胃が痛くなる時間帯。それでも菅原のドライブで火を点け、ピンダーのフォロー、赤穂→ウェッツェルのダンク、ピンダーの3Pで37-46。16点差を9点差まで圧縮して後半へ。ここで望みがつながった。
■ 3Q:守備回復→テンポUP→ゲームは振り出しへ
後半のファーストアクションが秀逸。赤穂のC&S3で口火、ウェッツェルのキックアウトからピンダーの3P。以降は秋田の守備が“ジワジワ効く”。スイッチ後の再配置が速く、三河の連続得点を寸断。オフェンスではピンダーがアジャストし、接触を作ってFTへ。ライスナーもゴール下で2スローをもらい、24-17のクォーター勝ち。61-63、一気にワンポゼッションゲームへ。
■ 4Q(クランチ):メザー三段活用——LOB→3→決勝Floater
ウェッツェルのゴール下で63-63。すぐ角野の3Pで63-66と揺さぶられるが、菅原のドライブ、ウェッツェルの押し込みで67-66と逆転。残り7分、ピンダーが戻り、リム圧を保つ。残り4:57、メザー→ピンダーへアリウープで会場が沸く。さらに、三河のBIGが下がった瞬間を見逃さずメザーが3P、74-71。終盤は角野のディフェンスで田口の痛恨TO→79-78とひっくり返されるも、ラストポゼッション、メザーがフローターを沈めて79-78!ベンチ総立ち、岡崎でようやく掴んだ“今季初勝利”。
勝因と課題:ブースターの熱量に応える“具体と辛口”
■ 勝因1:後半の守備KPIが回復
3Q・4Qの合算で32失点。スイッチ後の再配置、ハイタグの入り、ベースラインの“最後の人”が整理された。「守って走る」秋田の原点が戻れば、多少の停滞は取り返せることを証明。
■ 勝因2:メザーの意思決定がチームを落ち着かせた
終盤の3プレーに象徴されるが、価値はそこだけじゃない。ハーフコートで“持ちすぎない”ことで、ピンダーのショートロール、ウェッツェルのダイブ、ライスナーのポップと第二解が自動発火。これが欲しかった。
■ 勝因3:ピンダーの後半アジャスト
前半は我慢、後半はリムへ一直線。外内の使い分け、接触の作り方が巧くなり、相手インサイドに嫌な数字(FT・ファウル)を積ませた。“一人でやらされない”設計が見え始めたのも大きい。
■ 課題1:角野のホットハンド管理(最初の2本)
「わかっていても止められない」時間帯を短くするには、トップロックとショルダーチェックの角度統一、そして最初の2本をタフにさせる“合図”が要る。ここは次戦までの宿題。
■ 課題2:前半のゾーン攻略
外回りが増え、中の重さが出なかった。Horns Short(エルボー起点のショートロール)とZoom→Spain(DHO→バックスクリーン)で、ペイントタッチ→キックの連続性を早い段階から発生させたい。
■ 課題3:C&Sの供給量(田口の一本)
田口は「決める人」。スタガー→読まれたらフレア→さらにバックドアという三段活用の定番で、消える時間を作らせない。一本のための布石を4つ打とう。
個人寸評
- アリ・メザー:今日のMVP。LOB→3→Floaterのクラッチ3連発で試合を決めた。欲をいえば、前半のゾーン相手にももう一段「ペイントタッチ数」を増やしたい。
- キアヌ・ピンダー:後半のアジャストが見事。外内のリズム配分は◎。ショートロール→ハイローの回数をさらに増やせれば、三河のスイッチはもっと嫌がる。
- ヤニー・ウェッツェル:要所のOREBと押し込み、価値あるフィニッシュ。DREB後の「走る/残る」のコールをもっと主導していこう。
- 菅原 暉:ドライブの火付け役。良いスイッチの“最初の角度”をもう半歩外に。守備でゲームの温度を一段上げられる。
- 赤穂 雷太:先頭走とC&Sで効く。ゾーン背後の“最後の人”を自分で名乗って、迷いを消そう。
- 田口 成浩:一本で空気を変えられる人。ハンドラー要求より、セットで“場所”を作ってもらうのが最適解。次はあなたのターンだ。
- ライスナー:前半の連続得点が命綱。縦のドライブとポップで幅を出し続けたい。
次戦に向けた“即効”処方箋(現場で共有したい5項目)
- 最初の3ポゼッションを守備で勝つ:誰に最初の2本を打たせるかを事前に決め、ホットハンドを作らせない。
- ゾーン早期攻略:Horns ShortとZoom→Spainでペイントタッチ→キック→再タッチの連鎖を最初から。
- ショートロール合図の短縮:第一解(エレベーター/スタガー)が潰れた瞬間にピンダー/ウェッツェルへ。“合図のない合図”を。
- DREB%の死守:「誰が弾き、誰が拾い、誰が走るか」を声で固定。無言の戻り禁止。
- 横パスTOの撲滅:ハンドオフ前のスタンス、パス角度を再点検。TO由来失点は5点以内に抑える。
ミニ戦術ノート(保存版)
- Horns 45 “Short”:メザー→ピンダーのショートロールを核に、弱サイドは赤穂スリップ。止まればハイロー/コーナー。
- Zoom→Spain:DHO→バックスクリーンでリムに圧。中を見せて外を生かす。
- Stagger→Flare(田口専用):二連スクリーンでC&S、読まれたらフレア→バックドア。
- PNRディフェンス:サイドはICE、中央はWeak。必要時Show&Recover、ダブルは2〜3秒で解散、Xアウトはショートレンジ。
ハイライト動画
ケンゾーHCコメント
要旨:「前半はディフェンスのエラーが多く、強度がなかった。後半は守備からゲームを作れた。明日は40分通して自分たちのバスケットをやり切る」。勝って兜の緒を締めよ、の姿勢。“守って走る”原点に回帰した後半を評価しつつ、立ち上がりの改善を明確に掲げた。
選手コメント
- 秋田・メザー:「クランチは読みがハマった。チームがスペースを作ってくれたから打てた」。持ちすぎない判断が好循環を生むと実感。
- 秋田・赤穂:「角野選手の連発を止め切れなかったのは自分たちの責任。次は最初の2本からタフに」。自己批判と改善意識を明確化。
- 秋田・ピンダー:「後半は自分の間合い。もっとショートロールから仲間を使える」。個から連続性へシフトの手応え。
- 三河・角野:「打つべき場面で迷わなかったが、最後は相手のクラッチが上回った」。悔しさをにじませつつも冷静に総括。
最後に
勝った。でも、ここで天井を作るチームじゃない。今日の“光”——後半の守備、メザーの判断、ピンダーのアジャスト、ウェッツェルのボード、赤穂の先頭走。ここに「出だしの声」と「第二解の合図」を足し算できれば、10月のタフな相手にも十分に刺さる。ピンダーのアジャストが進み、チームケミストリーの構築もできていく。秋田のやりたいバスケの足音を確認した。ブースターとしては、叱咤も拍手も両方送る。だって、次はもっと勝てるから。Go! Northern Happinets!