最下位直接対決、茨城ロボッツとのGAME2。
前半は「これなら勝てる」と思わせるテンポと集中がありました。スタメンにジャメール・マクリーンを入れて、入りのエネルギーも悪くない。42-31で折り返し、3Q終わりでも53-49でリード。
……なのに、最後の10分が“4点”。しかも4Q開始から残り2分50秒まで秋田は0点、スコアは53-64で茨城の15-0ラン。ここで試合が決まりました。
応援目線で言います。これは「相手が強かった」だけじゃ片付けたくない負けです。苦しいときにこそ出る“チームの設計図”が、今日は途中で真っ白になってしまいました。
今日の試合の注目点
注目点①:入りの修正は見えた。だからこそ悔しい
秋田は課題になりがちな「立ち上がりの緩さ」を、今日はある程度抑えました。マクリーン先発で空気が締まり、元田の3Pに絡むオフェンスリバウンド、ウェッツェルのゴール下、栗原の圧での“やり返し”。
「アタックがダメならハーフコート」の切り替えも前半は機能して、茨城のターンオーバーも誘えていました。ハーフコートが停滞しやすいチームだからこそ、前半の“テンポの良さ”は収穫です。
ただ、その収穫を勝ちに変えられないのが今季の苦しさ。ここを“継続”できないと、どれだけ良い時間帯があっても、最後に全部持っていかれます。
注目点②:勝負を決めたのは「3-2ゾーン」—秋田が止まった瞬間
3Q途中から茨城がゾーンに切り替え、空気が変わりました。相手の事情(負傷やファール状況)も絡む“苦肉の策”だったのかもしれませんが、これがドはまり。
秋田はボールを中に入れたいのに入らない。外で持って、止まって、見て、詰まって、タフショット。シュートが落ちると、今度はディフェンスのパッチアップも遅れる。すると簡単にドライブを許して失点。悪循環です。
そして4Q。秋田が得点できず焦りだけが積み上がり、フラストレーションからオフェンスファールも増える。気づけば「シュートに行けない選手」が呪いにかかったような動きになってしまった。ここは辛口に言うけど、プロとして一番見せちゃいけない時間帯でした。
注目点③:15-0ランは“偶然”じゃない。チームの約束事が消えたサイン
4Q残り2分50秒のスコアは53-64。つまり4Qに入ってから、茨城が15-0のランで試合をひっくり返しています。
ランを食らうときは、だいたい理由が同じです。攻めが単発になって、戻りが遅くなって、声が減って、簡単な失点が続く。今日はまさにそれ。
「苦しいときほどボールを動かす」—これがチームの合言葉にならない限り、同じ負け方は繰り返されます。
試合結果・速報
2025-26 B1 12/21(日)第15節 VS茨城ロボッツ GAME2
| Q | 秋田 | 茨城 |
|---|---|---|
| 1Q | 22 | 20 |
| 2Q | 20 | 11 |
| 3Q | 11 | 18 |
| 4Q | 4 | 20 |
| FINAL | 57 | 69 |
会場:日立市池の川さくらアリーナ
TIPOFF:15:05
入場者数:2,659人
秋田スターティングファイブ
- #1 ジャメール・マクリーン
- #2 栗原翼
- #10 ヤニー・ウェッツェル
- #12 元田大陽
- #17 中山拓哉
ゲームの流れ(実況感マシマシで振り返り)
1Q:マクリーン先発で活性化。テンポは悪くない(22-20)
秋田は先発にマクリーンを入れて、最初の一歩を強く踏みました。元田の3Pに絡むリバウンド、ウェッツェルのゴール下、栗原のディフェンス圧。序盤から“やること”が見えるのは大事。
茨城のミスから元田がドライブで12-8。ここで秋田は「走れるときは走る、ダメならハーフコート」に切り替えて、テンポが整い始めます。
ただ、メザーのボール保持が長くなって安易なパスミスも出るなど、いつもの“停滞の芽”も同居。高比良の3Pで持ち直したものの、1Qの時点で「雑になったら危ないぞ」という伏線はありました。
2Q:テクニカルで流れは来た。でも“突き放せない”まま(20-11/前半42-31)
マクリーンがアタックからエンドワン。茨城にファールが重なり、秋田に追い風が吹きます。ピンダーの3P、赤穂の3Pも出て、スコアは42-31。ここだけ見れば理想的な前半です。
一方で、流れが来たのに点差をもっと広げられない。ここが今日の“後半の崩れ”に直結します。相手が嫌がるプレーを続けて、相手のタイムアウト明けも同じ強度で殴り続ける。勝ち切るチームはここが徹底できる。
そして終盤、クックが足首をひねるアクシデント。ここで「後半、相手は守り方を変えてくる」と読める状況が生まれました。秋田はこの“予告状”を受け取ったのに、解答を用意できなかったのが痛い。
3Q:ゾーンで歯車が狂う。リードは縮む(11-18/53-49)
3Qの入り、ウェッツェルがゴール下でエンドワンをもらうもフリースローが落ちる。こういう小さな取りこぼしが、後半の空気を変えます。
茨城はジェイコブセンのピック&ロールからのドライブ、長谷川のフローターで追い上げ。さらにゾーン。ここから秋田のオフェンスが「止まる→外回し→無理打ち」になっていきます。
ピンダーがアタックでファールを引き出しても、2本のフリースローが入らない。これも響いた。点を取れない時間が続くほど、次の一本が“重く”なっていきます。
それでも3Q終わりは53-49で秋田がリード。まだ勝てる。まだ逃げ切れる。問題はここからでした。
4Q:0点のまま時間が溶ける…53-49→53-64(15-0ラン)→57-69(4-20)
4Q開始直後、フランクスのフリースローで53-50。そこから秋田が止まります。完全に止まります。
茨城がゾーンを続ける中で、秋田は攻め手が見つからない。3Pは入らない。中は混む。ボールが中に入らない。入っても“次のパス”が出ない。
そして残り2分50秒、スコアは53-64。ここまで秋田は4Qで0点、茨城は15-0のランです。勝っていた試合が、ここで決定的に壊れました。
オフェンスでいっぱいいっぱいになると、ディフェンスも遅れる。戻りが半歩遅れ、ローテが一歩遅れ、最後は「止めるべきドライブ」を簡単に許す。さらにフラストレーションからのオフェンスファール。悪い流れの“教科書”みたいな10分間でした。
終盤に少しは得点したものの、4Qは合計4点。これで勝てるわけがない。正直、ここまで“無策に見える時間”が続くと、見ている側の心も折れます。
今日の敗因を“3つ”に絞って整理
敗因①:ゾーンに対して「起点」が作れなかった
3-2ゾーンの前で、ボールが外を回るだけになった瞬間に終わりました。ハイポストやショートコーナーで一回受けて、そこから“次”を作る動きが足りない。結果、アウトサイドのタフショットに追い込まれました。
敗因②:フリースローと「簡単な一本」を落として、相手を生かした
ピンダーの2本落としなど、流れを持って来られる場面で取りこぼすと、相手のゾーンは余裕を持って継続されます。ゾーン相手は「じわじわ効く」から、簡単な得点こそ重要でした。
敗因③:焦りがディフェンス強度を削り、ランを止められなかった
点が入らないと、どうしても気持ちは前に前に行く。でもそこでディフェンスの約束事が崩れると、一気に持っていかれます。4Qの15-0は偶然じゃありません。チームの呼吸が揃わなくなった“結果”です。
次に向けて:ゾーン攻略は「難しい」じゃなく「準備」の問題
ゾーンが苦手なのは分かる。でもプロは、同じ罠に何度も落ちたらダメです。ここからは具体策。今日の反省を“練習メニュー”に落とし込みましょう。
- ハイポストに立つ人を固定せず、入れ替えでズレを作る(ウェッツェル/マクリーン/中山でも可)
- ショートコーナーに一人置いて「中→外」じゃなく「中→中」で割る
- スキップパスは“狙い撃ち”じゃなく、0.5秒で出す(持った瞬間に勝負を決める)
- 外が入らない日は、ドリブルで突っ込むより「カッティング」で中を空ける
- オフェンスリバウンドのルールを明確に(行く人/戻る人)してトランジション失点を減らす
そして一番大事なのは、ゾーンを崩し切れなくても“耐える”こと。0点の時間を作らない。4Qで0点の時間が続いた瞬間、ディフェンスも壊れます。
ブースターの本音:叱咤激励が飛ぶのは「期待してる」から
試合後、ファンの声はかなり辛辣でした。「守れなくて攻められない」「ゾーン対策がいつまで経っても進まない」「責任の所在はどこだ」という空気。
でもね、これって“見捨てた”んじゃない。むしろ逆で、期待してるからこそ怒ってる。今の秋田は、選手が悪いだけじゃないし、コーチが悪いだけでもない。チーム全体で「勝つための設計」を更新しないといけない段階に来ています。
ブースターが求めているのは派手さじゃない。苦しい時間に、同じ顔で、同じ強度で、同じ約束事を遂行する“芯”。そこを取り戻そう。
ハイライト動画
ケンゾーHCコメント
選手コメント
前田顕蔵HC(試合総括)
前半は勢いに乗れそうな場面もあったが、後半は相手のゾーンを攻略しきれなかった。シュートを外す一方でオフェンスリバウンドを取られ、相手のリズムに。選手たちに自信を与えられなかったことに責任を感じている。フラストレーションが溜まった時に落ち着かせられなかったのが悔しい——という趣旨のコメント。
ジャメール・マクリーン
前半は自分たちのリズムでできた時間もあったが、ゾーンに切り替えられた時に連動性が失われた。3-2ゾーンに対してインサイドを攻めつつ外も狙いたかったが、思うように中に入れられず、最終的にタフなアウトサイドを打たされた。映像を見て改善していきたい——という趣旨のコメント。
※茨城側の「試合後コメント(選手・HCの発言)」は、公式に全文テキストで確認できる媒体が見つけられませんでした。見つかり次第、相手目線のコメントも追記したいところです(少なくとも今日の茨城は、ゾーンで“秋田の呼吸”を止めきったのが勝因でした)。
最後に
今日の負けは、精神的にかなりキツい。勝っていた試合を、最後の10分でまるごと持っていかれたからです。
でも、ここで目をそらしたら終わり。秋田が今やるべきことはシンプルで、「ボールを止めない」「0点の時間を作らない」「ゾーンの起点を用意する」。これをチームの共通言語にすることです。
応援する側も、正直しんどい。でも、だからこそ言いたい。次こそ“同じ負け方”は見せるな。悔しさを、設計と練習に変えてくれ。ブースターはそこを見たい。
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* B.LEAGUE公式 試合情報(スコア/会場/入場者数など) ([B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト][1])
* 茨城ロボッツ側の試合ページ検索スニペット(各Qスコアの一致確認) ([ibarakirobots.win][2])
[2]: https://www.ibarakirobots.win/game/?KEY=505028&TAB=R&YMD=20251221&_nb_=1&utm_source=chatgpt.com “りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 B1リーグ戦”
