今年最後のホーム。ミック・ダウナーHC体制のゲーム2は、昨日とはまるで違う展開になりました。前半は耐えて、3Q途中までは主導権も握った。それでも最後は87-104。悔しいけど、ここには今の秋田の課題が全部詰まっていました。
ただし悲観だけでは終われません。ロスターが薄い中で、勝ち筋が見えた時間帯も確かにあった。だからこそ、勝ち筋が見えた瞬間に自分たちで消したところを、叱咤激励込みで整理します。検索で来た人にも、試合を見たブースターにも刺さるように、事実と分岐点を濃くまとめます。
今日の試合の注目点
- 赤穂とウェッツェル欠場、さらに栗原が途中負傷で離脱。薄いロスターで40分をどう持たせるか
- 前半はゾーンも交えた守りで粘れたが、後半は3Pの雨。外をどう止めるか
- 3Qに一度は前に出たのに、そこから一気に逆噴射。ターンオーバーの連鎖をどう止めるか
- オマラとピケットに合計50点。インサイドの圧と外の決定力、両方を同時に受けた時の耐え方
試合結果・速報
2025-26 B1 12/28(日)第17節 VSファイティングイーグルス名古屋 GAME2
| 会場 | 対戦 | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 最終 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| CNAアリーナ☆あきた | 秋田 vs FE名古屋 | 21-22 | 26-28 | 22-28 | 18-26 | 87-104 |
スターティングファイブはマクリーン、栗原、元田、中山、ピンダー。前半は点の取り合いになりつつも、秋田がフリースローで食らいつき、ハーフタイムは大崩れせず射程圏。問題は後半でした。
ゲームの流れ 実況感で振り返る
1Q 21-22 入りは悪くない、でも相手の型が見えた
出だしは秋田が先手。栗原のアタックから2本、マクリーンのゴール下で4-0。欠場が重なる中で、最初の数分で身体が動いているのを確認できたのはプラスです。
ただFE名古屋は早い段階から、オマラを起点にして安定して得点。秋田はゾーンも織り交ぜつつ守るものの、外のタッチが昨日より明らかに違う。須藤の3Pなどで12-17と前に出られ、秋田はファウルを誘ってフリースローで繋ぐ展開に。最後は菅原のジャンパーで1点差まで詰めて21-22。ここまでは耐えたと言っていいです。
2Q 26-28 打ち合いに付き合うと、体力が削られる
秋田はゾーン継続。FE名古屋はオマラに集める形が明確で、ロペスのドライブなども絡めてペイントへ圧をかけてきます。秋田もピンダーがドライブで対抗し、簡単には引きません。
ただこの時間帯、秋田はボールが回りすぎて決め切れない場面が出た。ギリギリで中山が3Pを沈めて食い下がるけれど、これは秋田がやりたい試合ではないはずです。菅原や髙比良が3Pで返す場面は熱い。でも、撃ち合いに寄るほどロスターの薄さが後半に刺さる。ここはベンチも含めて、どこかで守備の強度を上げて流れを止めたかった。
さらに痛いのが栗原の負傷離脱。PGを菅原と栗原で回していた時間が崩れ、ゲームメイクの負担が一気に偏りました。
3Q 22-28 勝ち筋が見えた瞬間に、3連続ターンオーバー
後半も打ち合い継続。秋田がピンダー、中山の3Pで前へ出れば、FE名古屋は笹山やピケットがきっちり返してくる。ここが今日の相手の怖さです。決め返されると、精神的に消耗する。
それでも秋田は一度追いつく。中山のスティールからメザーのアタックで65-65。さらにインサイド連続得点からファストブレイクで68-65と前に出た。会場の空気も一気に上がったし、ここから守り切れれば勝負になった。
でも、ここからが悪夢。3連続ターンオーバーで一気に流れを献上。FE名古屋は見逃さない。走って、確実に得点して、69-78の9点差。秋田が息継ぎしたいところで、逆に首を押さえつけられました。
4Q 18-26 外の雨とガス欠、そしてピンダー退場
FE名古屋は昨日の鬱憤を晴らすように、外も中も決め切る。ピケット、並里、笹山、保岡まで次々と得点。秋田はピンダーが3Pで反撃したいが、今日はタッチが戻らない。少ないロスターで脚が止まり、守備の寄せが半歩遅れる。半歩遅れればB1は撃ち抜く。まさにそれでした。
時々菅原、土屋が得点し、中山も3Pを返す。だが追い上げの材料が揃わないまま、ピンダーがファウル5で退場。最後は相手に100点ゲームを許して87-104。悔しいけど、完敗に近い内容です。
チームスタッツで一発理解 何が17点差を生んだのか
| 項目 | 秋田 | FE名古屋 | 見えたこと |
|---|---|---|---|
| 2P | 22/37(59.5%) | 25/40(62.5%) | 中は悪くないが、相手の方が一段上 |
| 3P | 8/25(32.0%) | 14/26(53.8%) | 最大の差。外の被弾で試合が壊れた |
| FT | 19/23(82.6%) | 12/16(75.0%) | ここは秋田が立派。だから余計にもったいない |
| リバウンド | 28(OR10/DR18) | 34(OR11/DR23) | セカンドチャンスの差に直結 |
| ターンオーバー | 13 | 13 | 数は同じでも、秋田は致命傷の連鎖があった |
| ペイント得点 | 36 | 46 | オマラの圧を止め切れず |
| セカンドチャンス | 13 | 22 | リバウンド負けが点差に変換された |
| ベンチ得点 | 36 | 36 | ベンチは同点。それでも守れなかった |
結局、17点差の中心は外。FE名古屋の3P成功率53.8%は、守り方の問題も疲労の問題も両方を突きつけます。秋田は2PとFTが悪くないのに追いつけない。これが現実です。
個人成績ピックアップ 収穫と課題をはっきり言う
- 中山拓哉 17点 要所の3Pとスティールで流れを作った。今日の勝ち筋を見せた中心の一人
- キアヌ・ピンダー 17点 11リバウンド 数字は出したが、3Pが苦しく、終盤は退場。エース役を背負うなら効率とファウルトラブル管理が次の壁
- ジャメール・マクリーン 15点 ゴール下の安定感はさすが。限られた状況で身体を張り続けたのは評価したい
- 元田大陽が無得点 守備の要に得点まで求めるのは酷だが、流れが悪い時に沈黙すると苦しくなる。一本でいい、空気を変える得点が欲しい
- 栗原翼の負傷離脱 9分台で離脱は痛すぎる。PG回りが崩れた後のターンオーバー連鎖にも繋がった
特に気になる点 辛口だけど逃げない
気になったのはメザーの起用と役割です。栗原が抜けたことで、ボール運びと判断の負荷が一気に増えた。そこでターンオーバーが出ると、今日みたいに一瞬で9点持っていかれる。ここは選手個人を叩くだけで終わらせたくないです。
大事なのは、やることを減らすこと。ハンドラーに全部を背負わせるのではなく、最初のセットを単純化して、次のアクションまで約束する。今の秋田は、迷いが出た瞬間に足が止まり、守備の戻りも遅れる。その積み重ねが外の被弾に繋がります。
次に繋がる改善ポイント ここを直せば勝てる
- 3Qの連続ターンオーバーを止める仕組み 1回目が出たらセットを切り替える合図を徹底
- クローズアウトの距離感 撃たれてから修正では遅い。最初から撃たせない寄せ方を共有
- リバウンドの責任分担 ビッグマン任せにしない。ガードのボックスアウト参加が必須
- 少人数前提の配分 走る時間と、落ち着かせる時間を意識して切り替える
ハイライト動画
ミック・ダウナーHC
ダウナーHCの総括は、後半の流れの悪化と、改善に必要な練習時間への言及が軸。就任直後で準備が足りないのは事実ですが、それでもB1は待ってくれません。だからこそ今は、理想より先に、勝つための最低限を整えるフェーズです。
選手コメント
髙比良のコメントは、追う立場のプレッシャーと、1ポゼッションの重みの話が刺さりました。自滅の連鎖は精神論では止まらないけれど、止める準備はできる。ミスが出た瞬間に、チーム全体でブレーキを踏む合図を作れるか。次節までに必ず仕込んでほしいです。
なお相手はピケット25点、オマラ25点。ここを止められないと勝てないのもはっきりした。叱咤激励込みで言うと、秋田は誰か一人の覚醒待ちではなく、守備の約束事を揃えないと厳しいです。
最後に
87-104。数字だけ見れば苦しい。でも3Q途中まで試合を作ったのも事実。欠場と負傷でロスターが薄い中でも、勝ち筋は見えた。だからこそ、あの3Qの数分が悔しすぎる。
次節は1月3日と4日、三遠戦。相手は外も中も火力がある。今日のまま外を撃たせると、もっと苦しくなる。逆に言えば、今週で守りの約束事を揃え、ターンオーバー連鎖を止める型を作れたら、試合にはなる。
勝てる秋田に戻すのは、ここからの積み上げ。ダウナーHC体制の最初の壁は高い。でも今シーズンを諦めたくないなら、今日の負けを、課題の棚卸しで終わらせず、次の2週間の練習メニューに変えてください。ブースターは見ています。だからこそ、期待してます。
