秋田ノーザンハピネッツのチーム状況が現時点で悪すぎる。もしかしたらこの数年間同じことの繰り返しをしているのではと思ってしまう。19勝23敗で東地区4位。これ自体、全く悲観するものではないが、なかなかその定位置から抜け出せない。積み上げてきた物が開花しない。それは何が原因なのだろうか?CSカムバックの目標である38勝もすでに霞んでしまった、、、。

代り映えの無い秋田の戦術

秋田といえば攻めるディフェンスの代名詞でもあり、守りに特化しているチームとして有名だ。相手チームをよくスカウティングをし、スコアラーのマークを厳しくする。そしてスティールからの速攻で早い攻撃を持ち味とする。早いパス回しからのズレを作り、確実にオープンなシュートで仕留める。早さを連動させながら戦うスタイルだ。

ケンゾーHCのやりたいバスケ

「このリーグ、、、ほとんどP&R、インサイドプレイこの二つ。ほぼこの二つに分かれると思っていて。
自分たちはそれを使っちゃうと、他と同じになっちゃうんで、それはやりたくない!
それをやるならもっとヘビーな選手を取るべき。自分たちはディフェンス主体で機動力を活かしながら、いろんな組み合わせで使い分けれたらいい」

しかしながらミスも隣り合わせになっている。チームとして機能しないと、ターンオーバーが多くなり、逆に相手に突かれ得点を広げられるきっかけとなる。時に守備に重点を置き、タイムシェアが出来ない時は疲れから、シュート精度が落ちる。

特に上位チームと対戦するときに露骨に表れることがある。

しかし、ゲーム2では起死回生の働きで、チームが蘇ることがあるが、それを今後に生かせない。「もうこれが凡事徹底だよね?」と期待させても、下位チームに負け、スタンダート化にいつまでも、できないもどかしさがある。どうして毎年、同じようなことを繰り返していくのだろう?

チームの約束事が個人を生かしきれない

秋田はチームの約束事が、個人の長所を消している気がする。チームプレイに徹するあまり、無意味なパスが多くなる。「ここは自分でシュートを打っていい!アタックするべき!」な状況下でも、もっとフリーな選手を見つけてパスを出す傾向がある。

それが常時ハマればいいのだが、それには選手の統一した思いがないと、徹底できないし、上位チームはすぐにアジャストして、潰しにかかる。

また秋田の外国籍にはその国の代表選手がいる。それが期待通りのパフォーマンスを発揮するまで時間がかかっている。ましてや安定しないのはどうしてだろうか?彼らのパフォーマンスはそんなものではないはずだ。

秋田の目指すバスケのチェンジを!

もう数年間、秋田は選手を変えながら、秋田のやりたいバスケを体現し、チャレンジをしてきた。それはケンゾーHCの想いの表れでもある。結果がすべてのプロの現場なので、もう改革の時期に来ているのではないだろうか?

申し訳ないが秋田のディフェンスは、強豪も持ち合わせている現状を受け入れるべき。いざとなればWチームで仕掛けるし、秋田にだけ特化されているわけではない。それ以上にピンチを打開する選手がいるのだ。そこが秋田にはいない。いても埋もれている。ごちゃ混ぜになって、なぜか存在が見えないのだ。

明確にリバウンドに強い選手。1オン1でピンチを打開できる選手が必要なのだ。

他の団体競技を見てみよう。例えばバレーボール。レシーブで守り切り、少しぐらい乱れたトスでも決め切る選手の存在のあるところは強い。サッカーでも中盤でも終盤でもボールを奪い、ロングボールを受けた選手が相手のマークを受けても決め切る選手がいるところは強い。

チームとしてパスを受けた選手は、セルフィッシュにクリエイトしながら決める術は自己中とは違うのだ。自惚れとは違うのだ。

一生懸命チームでずれを作ってフリーなシュート、簡単なシュートを決めるのも決して間違いではない。ただ秋田は自己を封印しすぎるように感じるのだ。

でも今はタフショットを決め切れる選手がプロだし、停滞を打開してチームに貢献するプレーもチームプレイだし感動を呼ぶ。タイムアウト後、よくデザインされたプレーと聞くが、40分間戦うには、いつしか個の力が必要な場面が絶対にある。

それは絶対リバウンドが欲しかったり、ファールを受けてもインサイドで得点が欲しい時だろう。そうしたシンプルな選手を構成する時が来ているような気がしてならない。もっと役割を明確にして挑んだほうが、相手の脅威となるはずだ。

そうした外国籍選手の存在は。ますます日本人選手も生きてくるだろう。チームに厚みが出てくるというものだ。

相手チームには、今の秋田には怖さが無いように思える。身体能力を生かした、ごり押しする攻めもないし、ゴール下の番人もいない。3Pは水物で、フリースローも外すことが多い。特にディフェンスリバウンドは最下位だ。

せっかくBプレミア参入も決まり、アリーナ計画も決まった。秋田のワクワクを取り戻してほしい。水野社長の英断を待ちたい。