【動画】栃木がハピネッツに負ける寸前に日本代表コンビがブリッツディフェンスを仕掛けた訳


秋田ノーザンハピネッツは前節レバンガ北海道戦で、B1残留を決めたが、残り2試合は栃木ブレックスとの戦いのみとなった。言わずと知れた東地区上位の戦いは、ハピネッツの今シーズンのある意味集大成となる。最終ミッションはトップ3に勝つこと!

先の試合では日本人選手、特に谷口大智選手、野本健吾選手がプレータイムを伸ばして、存在感を示した。そのままの勢いが果たして栃木に通用するのか?来シーズン、チーム構成を見据えた部分もあるように思う。

ハピネッツは、やろうとしたプレー全て、栃木のディフェンスをかいくぐらないといけない。またとないプレー向上のチャンス!サンロッカーズ渋谷は先の対戦で栃木に大敗を喫している。それとの違いを示したい。まずは気持ち!そして集中!

ペップHCの試合前のコメント

残留争いのプレッシャーがない中でプレーできるのが、選手にとっては良いこと。練習でのシュート成功率が良くなかったので試合に向けて引き締めてほしい。シーズンを締めくくるゲームなので気持ちを高めてほしい。

長谷川暢選手の試合前のコメント

栃木は攻守ともに質の高いチーム。思い切りのいいプレーで流れを持っていきたい。引用:2019・4・14秋田魁

18-19 B1第36節4月19日秋田ノーザンハピネッツvs栃木ブレックス試合結果

秋田ノーザンハピネッツはキーナン選手、ドワイト・コールビー選手、それに野本健吾選手が先発した。

キーナン選手のミドルシュートからスタート。早速野本健吾選手のスチールからドワイト・コールビー選手のゴール下シュート。どちらもプレッシャーディフェンスで見ごたえがある。

1クオーター5分過ぎまで一進一退。谷口大智選手の3Pで7-4。ハピネッツはアグレッシブに動いている。比江島の3Pで同点にされる。残り3分半で久しぶりに保岡龍斗選手の登場。しかし3Pは外れた。

栃木は不用意なパスが多い。中山拓哉選手がスチールするもファールで止める。谷口大智選手の3Pで12-8。今日の谷口大智選手は迷いがない。中山拓哉選手がスチールしてからの野本健吾選手のドライブで終了。

2クオーターはドワイト・コールビー選手のゴール下から始まる。キーナン選手のリバウンドから中山拓哉選手へタッチダウンパス、そのままレイアップを決め20-12。

栃木は遠藤選手と田臥選手を入れてディフェンスを厳しくし、24秒オーバータイム。ジワジワと栃木が迫って来る。落ち着いたゲーム運びだ。7-0のランに成功した。

ドワイト・コールビー選手が久しぶりのミドルを決め、さらにダンクの仕掛けを足に当てるもったいないミス。その間栃木は速攻で22-23の逆転。

ハピネッツもタイムアウト後の野本健吾選手のミドル、中山拓哉選手の3P,谷口大智選手の3Pのフェイクを入れながらのゴール下のシュート、3Pで31-29で終了。

前半は栃木の3Pの成功率が低い。秋田は後半もディフェンスを維持できるか?

3クオーターは白濱選手の3Pを決めて始まった。しかし栃木の鵤選手が立て続けに3Pっで36-37の逆転。すぐに長谷川暢選手のドライブでファールをもらいフリースロー、中山拓哉選手も3Pを決めて41-39。流れが行ったり来たりしている。

ピネッツは日本人選手のゴールへ向かう意識が高くなったと思います。決して力技ではなく、リラックスしているかのよう。すると久しぶりに保岡龍斗選手の3Pが決まりました。

しかし、残り1分半からオフェンスミスで得点が伸びない。逆に栃木はファーストブレイクを決めて流れに乗る。9-0のランに成功。終了間際に成田正弘選手のドライブで53-54で勝負の4クオーターへ。

4クオーターはハピネッツは理想的な展開で、キーナン選手の3P、ゴール下への合わせもうまくいってドワイト・コールビー選手のダンク。残り7分で栃木はチームファール4。ハピネッツはこの時にオフェンスの仕掛けが欲しかった。

逆に栃木は残り3分でディフェンスのギアを上げた。ブリッツディフェンスで流れを急速に引き寄せた。「勝つんだ!」という断固たる態度。リバウンド争いでキーナン選手がファウルアウト。これで勝負合った感。ほんの少し気が緩んだ間に9-0のラン。

顔を真っ赤にしながら声を荒げて指示を出したペップHCのタイムアウト後、ハピネッツもブリッツディフェンスでお返し。8点差まで詰めた。

秋田|16|15|22|19|=72
栃木|10|19|25|26|=80

ペップHCのゲーム1後のコメント

今日は選手全員が真剣に試合に向き合い、全力で勝とうとプレーをしたと思います。敗れましたが、勝ちに値するくらいだったと思いますので、自分たちのバスケットをした選手たちを誇りに思います。ただキーナン選手がファウルアウトしてしまったところが敗因のひとつだと考えます。

栃木さんは個人的にはBリーグでベストなチームだと思っています。私たちはディフェンスで一対一のシチュエーションやリバウンドの点でうまくいかないときに苦しますが、今日は第2クォーターの中盤まではそういった点、とくにオフェンスリバウンドで苦しみましたが、それ以降は良くなっていました。

オフェンス面ではアウトサイド、インサイド、バリエーションをつけられましたし、全体的に組織的なプレーができたので、栃木さん相手にもチームのバスケットができたと思っています。

秋田は一番平均年齢が低いチームですが、これまでとは違うポジションやシーズンを通していくつかのポジションを役割として担ってきている選手たちの成長を感じますし、若い選手たちを試合の中の大事な場面で使うことになるので良い経験になっていると思っています。
引用:https://northern-happinets.com/news/detail/id=14244

【動画】ブリッツディフェンスとは?

パスキャッチの瞬間に、急にダブルチームを仕掛ける。積極的に仕掛け、潰しに行くこと。

ピックスクリーンに対して積極的に「潰しにいく」「仕掛ける」のがブリッツである。ボールマンに対してダブルチームを仕掛けるのが特徴であるが、ブリッツを仕掛けるためにはいくつかのルールが必要だ。
①ハンズアップしボールマンからパスを出させない、または山なりのパスにさせる
②パスが出た後に戻る場合は、人を捕まえるのではなくポジションに(例えばゴール下)戻る
③ブリッツするつもりがなくダブルチームになってしまった場合、有無を言わさずブリッツを仕掛けるようにする
④残りの3人がローテーションする必要がある
残りの3人のローテーションは非常に難しく、ディフェンスとのスペースの取り方が大切になってくる。
引用https://five-spirits.com/pickandroll-defense/#i-6

最後に

うーん、惜しかったですね!大黒柱のキーナン選手がファールアウト後踏ん張ることが出来ませんでした。栃木はハピネッツに対して究極のディフェンス、ブリッツディフェンスで対抗しましたし。まさかここで?と思いましたし、必死だったのですよね。でも日本代表のブリッツディフェンスの威力は素晴らしかったし、その餌食になった白濱選手の成長も期待できます。

しかし、ハピネッツはチームとして成長を随所に見せてくれました。ブリッツをキッチリやり返しました!!

日本人選手のゴールへ向かう意識が特に発揮されましたし、ボールをどこに出そうか?と迷うことがなく、戦略的な意思の疎通が見て取れました。

まんず、選手の力みがない。勝ちにこだわって楽しんでいるような。

来季を見据えて、選手は貪欲に栃木から学んでいます。本当に無駄はありませんね、人生。

明日のレギュラーシーズン最終戦も目が離せません!!