秋商サッカーの快進撃が止まらない!これには正直驚いた!だって秋田県勢はここ14年間全国大会一回戦で敗退しているのが実状。県内野球で言えば金足農業の活躍が記憶に新しいが、それまでは甲子園で同じく苦戦を強いられてきた。相手チームが秋田と対戦が決まると「微笑む」との仕草もうわさされるほど、低迷していた。それが試合が進むにつれてまず四日市中央工(三重)を2-0、富山第一に1―0。強豪チームを最高の舞台で勝利しています。格上をなぎ倒す姿は金足農業そっくり。
秋商サッカー 結果:1月3日VS龍谷(佐賀)
秋田商 1―1 龍谷
(0―1)
(1―0)
(PK4―2)
試合終盤にかけて徐々に本来の攻撃のリズムを取り戻した。ロングスローやセットプレーからジワジワ相手ゴールに迫るシーンが増えていく。後半40分過ぎ、コーナーキックから鮮やかな同点ヘッドが飛び出した。
連戦の疲れから?前半は昨日と違い選手の動きが重かった。セカンドボールを奪われ、相手がボールを支配する時間帯にゴール前の混戦で押し込まれ先制を許した。これも後少しのクリアが足りなかった。
その後速攻を仕掛けても、前線へのパスと選手の動きだしのタイミングがずれ、もどかしい状態が続いた。
それを打開したのが、柏谷一輝選手。パスにリズムが生まれ、敵陣内に攻め込む時間が増えていく。そして長谷川悠選手も俊足を生かして、敵陣内の深い場所でボールをえぐりながら奪うなど、相手守備に圧力をかけ続けた。
龍谷は1点勝っているので、秋商に合わせて応戦しなくても、じっくりパスを回したり戦術があったと思う。さらに人数をかけて守るも、ゴール前の守備を崩そうとした、ロングスローを交え、FKやCK重視の攻撃に切り替えたのが功を奏した。
山本翔太選手のコメント
自分にボールが来ると思った。練習通りに決めることが出来た。今回は必死にくらいつくことが出来た。
小林克監督のコメント
苦しい試合だったが選手たちは焦らず落ち着いていた。成長を感じた。一生懸命やると何が起こるか分からない。高校生の持つ凄い力を感じている。控えの選手も数多くプレーし、チームとしてまた一つ成長できた。
PK2本阻止したGK山口雄也選手のコメント
キッカーの目線でコースは読めていた。どんどんシュートを打たれた方が燃えるタイプ。
苦節13年秋商サッカーも全国レベルに
戦った相手チームは個人技や足技はトップクラスだと思います。しかし秋商は無尽蔵のスタミナの運動量、体を張った守備、サポートで上回った。シンプルだが洗練された戦術を愚直に繰り返し、勝機を探る。この姿が実に堅実で感動を呼んでいるのではないでしょうか?秋田でもこのくらいやれる!と全国に示せたことが、ある意味指導者、コーチに投げかけるメッセージもあろうかと思います。まずは前後半走れること!
そしてPK戦になったしまったが、ここでも選手は集中していました。全部ゴール枠内に行っていましたし、秋商キーパーも2本も止めた。うーん、まさに今、秋商サッカー部員に魔法がかかっているような気がします。
秋商サッカー 結果:1月5日VS流通経大柏(千葉)
秋田商 0―1 流通経大柏
(0―1)
(0―0)
前半の6分、ロングスローからシュートを押し込まれて先制を許した。その後粘り強い守備で、無得点に抑えるも、中々千葉の守備を崩せず、決定的な場面もゴール枠内をとらえられなかった。
長谷川悠選手のコメント
良い試合だったが相手の選手が全体的に一つも二つも上だった。まずパスを自由につなぐことが出来なかった。中盤の相手のプレッシャーが強く、焦ってけり込んでしまった。
鈴木宝選手のコメント
あと一瞬早くボールを蹴ることが出来ていたら、決めることが出来たシュートもあった。本当に悔しい。
秋田商:小林克監督のコメント
今まで経験したことのない、堅さだった。守る人数も多く、球際も強い。簡単には破れず、さすが流通経大柏だと肌で感じた。走るサッカーは通用したので、さらに磨きをかけていきたい。紙一重の戦いを制して4試合も経験できたことは評価できるし、とても幸せなこと。選手たちはよくやったと思う。8強入りしたとは言え、私たちはこれからも全国の強豪を追いかける立場で何かをつかみとって行きたい。
走り込み合宿とは?
秋商サッカーのいろんな練習の中には走り込みの練習があるという。それは、観光地「男鹿半島」のふもとから頂上めがけて走るというもの。その他にも砂浜や、持久力アップに即した練習方法があるという。いくらパスサッカーが旺盛でも後半足が止まっては意味がない。前後半、走れる体力こそ、王道であり原点なのだ。そして今回全国に通用することを秋商サッカーが証明した。その土台に技術を載せ続ければ更なる上位進出も夢でなくなる。