さて、アーリーカップ決勝ではレバンガ北海道に競り勝ちました。新加入した補強選手も活躍しましたし、既存の選手も安定したパフォーマンスを見せてくれました。
他の地区のアーリーカップの試合を見ても、補強がうまくいったチームは結果を出しましたし、チーム内で選手の移動がそれほどなかった千葉や宇都宮も仕上がりは良かったと思いました。
秋田ノーザンハピネッツの今シーズンを占う中では、もう「わくわく」でしかないのですが2シーズン目となる外国人選手、ジャスティン・キーナン選手の存在には頭が下がる思いでした。
彼は決してキレのある選手ではなく、どちらかと言えば、まったり感が漂っています。走り方もノッシノッシ、といった感じで切り裂くようではありません。
しかし、全体的には柔軟性に富んでいて、外角シュートも柔らかい。3Pを打つときにワンフェイクを入れてファールをもらう術。
かと思えばインサイドに切り込みシュートも決めるし、オフェンスリバウンドからのゴールへ向かいシュートを決める体の強さ。「HAY!」と叫びながら、加えてバスケットカウントワンスローのおまけつき。
淡々とチームのために作業をこなす職人みたいであります。
その積み重ねが高得点者になっています。実に献身的な存在ですね。
昨シーズンは選手のタイムシェアうまくいかずに、すごくタフな試合時間で、怪我をするのでは?とヒヤヒヤして見ていましたが、体も丈夫であります。
今シーズンは休む時間もあって、ますます効率的に活躍が見込まれます。代わりのハビエルカーター選手の活躍がとても楽しみです。
さて先のアーリーカップ決勝のレバンガ北海道戦で最終4クォーター残り25秒、カミングス選手がボールを持つと、キーナン選手がすかさずマークにつく。
すると次の瞬間、足を滑らせ、一瞬ではあるがコートにうつぶせの状態になってしまった。その時カミングス選手はその様子を見て取れたに違いない。チャンス到来とフリーになり、67-64の同点狙いの3Pを放った。
起きあがったキーナン選手は密集になったゴール下へ後から遅れてリバウンドに飛び込み、ボールをGET!そのままタイムアウトになった。
キーナン選手の献身的プレー
このキーナン選手の勝負に対する嗅覚は見事というしかない。
だって瞬発力なら他の選手の方があるのだろうし、ボールをとらえる、コース取り、感覚が絶妙なのだ。
シュートを放ったボールだって、リングにはじかれてもう少し他へイレギュラーしたっていいはずだ。でも、「持っている選手」の所に来るのだなーと、改めてキーナン選手のマインドには思い知らされてしまう。
長年の経験や、試合中は決して怒らない心、相手をリスペクトする気持ちはここ度という時にチャンスが舞い込み、決めきる術を持ち合わせているのだろうか。
ハピネッツで、2シーズン目のキーナン選手。今年のチームでまた、どんな化学変化を見せてくれるのだろうか。