今日の試合の注目点
10月15日、TOYOTA ARENA TOKYOで行われたアルバルク東京戦は秋田 75-86 A東京。開幕4連敗中で負傷者の多い相手に「今のうちに叩きたい」ゲームでしたが、サイドPNR(ピック&ロール)経由の外とポスト再配球に揺さぶられ、追い上げ切れず。中山拓哉の先発復帰で“侵入”の厚みは増えたものの、ディフェンスの入口とリバウンド→走り出しが噛み合わず、どうしても“個の単発”で終わる時間が長くなった印象です。この記事では、目の肥えたブースターの皆さん向けに、**何が起き、どこを直せば勝てるのか**を具体化。次戦の実行リストまで落とし込みます。
試合結果・速報
2025-26B1第2節 10/15 秋田ノーザンハピネッツ VS アルバルク東京
会場:TOYOTA ARENA TOKYO
Quarter | 秋田 | A東京 | 差/注記 |
---|---|---|---|
1Q | 17 | 24 | −7(立ち上がりで劣勢) |
2Q | 20 | 16 | +4(守って走って詰める) |
3Q | 17 | 23 | −6(外の連続被弾) |
4Q | 21 | 23 | −2(点の取り合いで押し切られる) |
TOTAL | 75 | 86 | 秋田 75-86 A東京(−11) |
1Qは相手の勢いに押される立ち上がり。2Qはディフェンスからトランジションに繋げて一時流れを引き寄せたものの、3Qに外を連続で許し再び二桁差へ。4Qは加点ペースを上げて食らいつきましたが、最後は“同型の失点”が響きました。
実況感で振り返る:ゲームの流れ
■ 1Q(17-24):先制→すぐ同点、序盤のファウルトラブル
中山のレイアップで先制も、サイスにすぐ返され2-2。A東京は連敗ストップへ気迫の入り。秋田はピンダーが3分弱でF3と苦しい立ち上がり。とはいえウェッツェルの左フックが冴え、ローポで11点級の存在感。だがサイドPNRの入口で後手に回り、45度とコーナーのディナイが遅れ、外をやられる。
■ 2Q(20-16):守って走る→寄せては返す
ピンダーのスティール、菅原のドライブで19-24。トランジションの“速くて丁寧”が出始める。元秋田のザック(バランスキー)に連続ポストを許しつつも、ピンダーのトレーラー3、中山のアタック、ライスナーのFT、田口のC&Sで追従。37-40の3点差で折り返し。ゾーンに切り替えたA東京の前に、ハイポ起点の回数はもう一段増やしたかった。
■ 3Q(17-23):フォスターに“乗られる”悪癖が再発
秋田のオフェンスは単発化。ピンダーの個で47-51まで詰めるが、フォスターの連続3Pで一気に剥がされる。サイドPNRの同じ型から失点を重ね、“追いつけそうで追いつけない”時間が続く。54-63の9点差で最終へ。
■ 4Q(21-23):侵入は増える、ただ最後は再び中へ
ピンダーがインサイドでファウルをもらいFT加点、中山の3Pでムードは傾きかける。ところがサイスの外とハイローで再び上書き。ターンオーバーからの速攻の芽は出るも、一気に走る“枚数”が足りずタイムアップ。A東京は危機に全員でハッスル、秋田は“守って走る”の再現性が足りなかった。
何が刺さった?A東京の「止まらない」設計
1) サイドPNR→弱サイドの射抜き
入口の誘導が遅れ、弱サイドのタグとXアウトがワンテンポ遅れることで、45度とコーナーに気持ちよく打たせた。特にフォスターのホットハンドは、「最初の2本」でタフに出来なかったことが後を引いた。
2) サイスの“内→外→内”の再配球
サイスのハイポ受けから外、そして再び内への差し戻し。スイッチ後の再配置に隙があると、ミドル/3P/ロールの三択で的を絞らせない。ローポ前での押し合いより、**入口を消す**ほうが効果的なタイプ。
3) ザックのローポ+ショートロール
ポストでの“間合いの作り方”が巧み。ショートロールを挟まれると、2線・3線のヘルプがずれ、コーナーが空く。トップロックに行くのか、ベースラインを切るのか——迷いを断ち切る必要がある。
秋田の課題:今日から直せるが疑問ではあるが
まずディフェンスありき!それが遂行できない今の秋田
今季はもう5試合を消化したが、プレシーズンで掲げていた“テンポアップ”がまだ形になっていない。中山がPGで先発する以上、ボールを長く持つかどうかよりも、まずは**ゲーム全体のスピードを押し上げる**ことを最優先にプレーしていた。手応えがまったく無かったわけではなく、良い流れを作れた時間帯もあった。ただ、その一方で**サイドのピックから同型の失点を二桁近く**積み上げられてしまったのも事実です。フォスター選手が乗っている状況で、秋田の選手は一歩下がって打たせてしまった場面も。
守るのは最終的にコートにいる選手の責任、秋田が積み上げてきたアイデンティティはディフェンスのはず。そこが機能しきれず、同じ崩され方が今日だけでなく**これまでの試合でも散見**されていることは重い。相手の狙いは事前に把握していたのに、こちらの強度が緩んだ時間があり、その隙を突かれて試合を持っていかれた。
試合の中で**素早く修正(アジャスト)**していく力が必要。いまの平均失点は**80点を超えており、昨季よりおよそ+10点**。この数字のままでは勝ち切れない。点を取られる場面があるのは当然としても、**やられた直後のマインドセット**と再発を防ぐ対応を、個人としてもチームとしても徹底しないといけない。準備段階の詰めと、試合中のアジャスト力――この二つを引き上げていくことが、勝利への最短ルート。
個人寸評
ピンダー:数字は出る、構造で“活かされる”段階へ
平均21.3点/10.3リバウンドの破壊力は本物。今日は序盤のFトラブルで制限を受けたが、後半の間合い作りは◎。「決める人」兼「起点」として、ショートロール→ハイローの回数をチームで増やしたい。
ウェッツェル:ポストは安定、DREB後の音頭を
1Qの左フックは流れを作った。ディープシールとオフェンスリバウンドは期待値通り。DREB後の「誰が走る/誰が残る」を自らコールして、二次ブレイクの枚数を増やそう。
中山:侵入の心臓、次は“入口の声”で試合を操る
ドライブの圧は明確に効いた。あとはサイドPNRの入口を「Over/Ice」を短く通訳し続ける役回りを。あなたのボイスで守備の迷いは消える。
田口:C&S一本で空気を変える役割に集中
ドリブルでの単独打開より、スタガー→読まれたらフレア→さらにバックドアの三段活用で“消える時間”を作らない。一本のために4つ布石を。
赤穂/元田/菅原:PAINT TOUCHの本数をKPI化
中山に侵入が偏った。赤穂は“先頭走&ベースラインの最後の人”、元田はバックドアのタイミング、菅原はギアチェンジとハンドオフ前のスタンス——役割を言語化して、侵入の本数を可視化しよう。
数字で見る“再起動”チェック(次戦の採点表)
- TO由来失点:5点以内(横パスTOを半減)
- DREB%:72%以上(ウェッツェル帯で上振れ)
- Potential Assists:35本以上(ショートロール起点を増やす)
- 相手コーナー3試投:6本以下(Xアウト成功の指標)
- 田口のC&S:試投5本・成功率38%目安(セット供給のKPI)
次戦に向けた“簡易オペレーション”
タイムアウトは「1メッセージ縛り」
言うことは1個、書くことは3行。守備の合図(ICE/Weak)、攻撃の合図(Short!)、リバウンドの声(弾く/拾う/走る)だけを強く短く。迷いを削るのが最速の改善です。
“キル・ラインアップ”を2枚用意(各4分運用)
- 守備特化:メザー—赤穂—高比良—ピンダー—ウェッツェル
- 走力特化:菅原—田口—赤穂—ライスナー—ピンダー
連続被弾が始まったら迷わずボタンを押す。交代は“準備済みの型”でテンポよく。
ハイライト動画
⇒日本人選手のインサイドへの意識が低く、守られやすい。東京は連敗阻止で挑んできているのに、マインドが幼かった。せっかくの外国籍との合わせが少なく、オフェンスセレクションの猛特訓がマストです。ディフェンスもこれが秋田なの?積み上げてきた物が崩壊している。次節ホーム開催に向けて休んでなんかいられない。チームの始動が遅すぎたツケが来ている。死ぬ気で取り戻してほしい。
ケンゾーHCコメント
要旨:前半の停滞から走られ、同型の失点が続いた。**マンツーの綻び**とアジャストの遅れを反省。40分間「秋田のバスケット」をやり切る、と。
⇒東京を叩ける時に叩けるチャンスをものにできない。まず第一に年々ディフェンスが緩くなっている気がします。三河の教訓を学んでなく、調子の上がらない選手を勢いを与えてしまう。秋田はどうしたのだろう。東京は連敗阻止で来ているのに、マインドで負けている。日本人のシュート意識がなく、ペイントアタック、カットプレイ、シュートセレクションが幼い。これでは外国籍も白けてしまう。
選手コメント
- 秋田・中山拓哉:相手がやってくることを分かっていた中で、自分たちが緩くしちゃいけないのに緩さが出てしまって、こういうゲームになりました。(要旨)。
- 秋田・ピンダー:個で打開できるが、もっとショートロールから周りを活かしたい(要旨)。
- A東京・フォスター:スペーシングが良く、自分のショットもリズムに乗れた(要旨)。
- A東京・サイス:内→外→内の再配球でズレを作れた。守備もハードにやり切った(要旨)。
最後に
ケガ人の多い東京を軽んじていたのだろうか?プレーの質が悪すぎた。東京にしてみれば秋田は格下でも「勝つ意識」は高く、皆がハッスルしていた。秋田は受けに回り、インサイドはサイズにことごとく許し、元秋田のザックにもやられた。フォスターがギアを上げアウトサイドで連発するとインサイドで目先を変えて縦横無尽に駆け抜けた。チームファールも増えたが確実に秋田よりファイトした。これは逆に秋田がチャレンジしないといけない立場であると思う。今日の試合を仮にホームでするようなら4クォータの途中でファンは帰ってしまうだろう。そうであってはならない。週末のホーム2連戦がその試金石となる。
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