下位脱出を目指す仙台、CS返り咲きを狙う秋田、同じレバノン代表ガード獲得の明暗は?
昨季のB1東地区で、秋田ノーザンハピネッツは28勝32敗で4位、一方の仙台89ERSは11勝49敗で最下位に沈みました。
両クラブが今オフに選んだ切り札は、ともにレバノン代表のバックコート陣。仙台は194 cmの万能SGセルジオ・エル・ダーウィッチ、秋田は183 cmのアシスト王PGアリ・メザーをアジア特別枠で招へい。果たしてどちらが早くBリーグに“アジャスト”し、東北ダービーの流れを変えるのでしょうか?
両選手のバックグラウンドを押さえよう
セルジオ・エル・ダーウィッチ(SG/28歳)
- 194 cm・93 kgの大型ガード。メイン大卒後、レバノンで得点力を伸ばし代表定着。
- FIBA W杯2023では平均11.8得点、直近のアジア杯予選では9.7得点・7.0リバウンド・3.0アシストとオールラウンドに活躍。
- 長いリーチを生かしたリムアタックと、ステップバック3Pが武器。
アリ・メザー(PG/31歳)
- 183 cm・81 kg。レバノン1部で6度のアシスト王に輝く“中東の司令塔”。
- 2024-25シーズンは9.3得点・9.2アシスト・1.6スティールを記録。
- 視野の広さと巧みなゲームコントロールで、テンポを自在に操るタイプ。
プレースタイル比較:点取り屋 vs. 演出家
ダーウィッチはサイズを生かして「スコアリング+リバウンド+ディフェンス」までこなす“何でも屋”。ポジションアップ気味にスイッチし、ギャップに飛び込みながら得点を重ねるため、仙台が苦しんできた「1本で流れを変えるシュート」を託せる存在です。
対するメザーはピック&ロールの芸術家。視線でDFをずらし、ワンテンポ早いキックアウトでシューターを生かすのが持ち味。昨季アシスト失点比+5.4はリーグ随一で、秋田の既存コア(保岡龍斗、川嶋勇人ら)の外角精度がさらに引き出されると期待されています。
“適応鍵”はここだ!
仙台:ダーウィッチが担う「自力得点+サイズアップ」
仙台はリーグワーストの平均83.1失点と同時に、得点も東地区最少でした。ダーウィッチが
①ミスマッチポストアップでゴール下をこじ開ける、
②守→攻のトランジション起点になる、
③クラッチで決め切るメンタル
を示せれば、下位脱出はグッと近づきます。
秋田:メザーがもたらす「テンポアップ+ターンオーバー減」
秋田はハーフコートで停滞するとTOが増え、“相手に走られる”悪循環が課題でした。メザーの視野・判断力は、その無駄なロスを削る潤滑油。彼がペースを握れば、外国籍コンビ(ピンダー&ジェニングス)が走る形が増え、チームの平均得点+5点も現実味を帯びます。
ダーウィッチ最新ハイライト映像で“実戦力”をチェック!
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2023-24シーズン・スカウティングレポート
東北ダービー“初顔合わせ”の見どころ
- ゲームテンポの主導権:仙台がゆったりとセットアップし、ダーウィッチがフィニッシュまで持ち込めるか。逆に秋田がメザーの高速展開で仙台DFを振り回せるか。
- クラッチタイムの決定力:点取り屋ダーウィッチ vs. 司令塔メザー+シューター陣。どちらが“決め切る形”を早く確立するかが勝敗を分けそう。
- アジア特別枠同士のプライド:レバノン国内でも世代が近い2人。代表の練習でマッチアップ経験があるだけに、“母国ナンバーワンガード”の座を懸けた火花は必見!
まとめ:先に“らしさ”を出したほうが流れを掴む!
東北のバスケシーンにレバノン旋風――。
仙台はダーウィッチの「自分で打開できるサイズと得点力」を活かし、最下位からの巻き返しを狙います。
秋田はメザーの「卓越したゲームメイク」を軸に、接戦を取り切る“勝負強さ”を手に入れたいところ。
両クラブとも外国籍・帰化選手の布陣はすでに整いつつあり、新戦力が“点の補強”に終わるか、“線でつながる化学反応”を起こすかがカギ。
――第1節の東北ダービーで、あなたの目に映るのはスコアリングショーか、それとも華麗なアシスト合戦か。新シーズンを占うレバノンガード対決、ぜひ注目してください!