問題提起:クラブ改革×NBA級タレント――台風の目は北海道?
2025-26シーズンを前にレバンガ北海道が経営体制を刷新し、資本力とビジョンを兼ね備えた新オーナー体制へ移行しました。
そして真っ先に着手したのが“最大級の選手補強”。シーズン勝率.350で東地区5位に沈んだ昨季からの大反攻を狙い、平均ダブルダブルを叩き出した205 cmビッグマン、ジョン・ハーラーと、NBAドラフト全体3位のジャリル・オカフォーを獲得。
対する秋田ノーザンハピネッツは昨季4位。大型補強を敢行したライバルにどう立ち向かうのか――。ここでは両軍の戦力図を整理し、ケンゾーHCが描く秘策を探ります。
今季のレバンガ北海道:補強ポイントと期待値
ジョン・ハーラー ― “B2の怪物”が北のフロントコートに降臨
B2静岡で平均14.1得点・11.2リバウンドと暴れ回った万能ビッグマン。ドライブにもスイッチDFにも対応でき、トランジションでも走り切れるのが強みです。
ジャリル・オカフォー ― NBAロッタリーピックが示す“本気度”
デューク大出身で2015年ドラフト3位。Gリーグではポストプレー効率1.12を維持し、今季はリム周辺決定率70%超を記録。ペイント内制圧力はB1随一の可能性があります。
新体制がもたらす“二段構え”オフェンス
ハーラーがハイポスト起点でハンドオフを配給し、オカフォーがローポストで1on1。ハーラー外切り⇄オカフォー内巻きのツインタワー・アクションは、スイッチを嫌う守備にとって悪夢です。
秋田ノーザンハピネッツの対抗策
秋田は現行ロスターを維持しつつ、新たにアジア枠と外国籍2名を追加。
注目のフロントラインは――
ケイ・ピンダー:機動力でハーラーを外へ引き出す
足の速さとショートロールからの3Pでハイポスト守備を揺さぶり、ハーラーをゴール下から剥がせればオカフォーのヘルプは遅れる。
ヤニー・ウェッツェル:縦のスクリーン&ダイブで先手
ピック&ロールを連続して仕掛け、オカフォーのスタミナを削る“速いテンポ”は秋田の十八番。縦の揺さぶりでDFフットワークを崩します。
タナー・ライスナー:ストレッチ5の“外角砲”
今季も3P成功率40%超を狙うライスナーをコーナーにステイさせ、オカフォーがペイントを離れざるを得ない状況を演出。インサイドの密度を下げるのが鍵です。
ケンゾーHCの秘策を読む
①テンポアップ…
北海道のツインタワーは重量級。40分間走らせ続ければ第4Qで脚が止まる可能性大。
②トリプルビッグ封じのゾーンチェンジ…
1-3-1→2-3とマッチアップゾーンを織り交ぜて、オカフォーのポストエントリー角度を遮断。ハーラーには「打たせて取る」ロング2を選択させたい。
③ペリメーターでのファウルゲーム回避…
オカフォーはFTが安定しない。ボーナス前半で“惜しいファウル”を我慢し、終盤に意図的に捕まえる作戦も。
データで見る両チームの差
◆昨季成績(東地区)
・秋田ノーザンハピネッツ 28勝32敗(勝率.467)
・レバンガ北海道 21勝39敗(勝率.350)
◆課題の比較
北海道:ターンオーバー14.8(リーグ24位)、FT% 66.9%(22位)
秋田:OR% 25.1%(20位)、3P% 32.8%(19位)
→秋田は“2ndチャンス”を増やしつつ外角精度を上げる必要、北海道は“雑なボール運び”と“FT改善”が急務。
まとめ:北の逆襲を止めるのは秋田の“走力と知力”
経営刷新で一気にプレミア参入モードにギアを上げた北海道。インサイドにNBA級の威圧感を備え、「5位→PO進出」を現実的な目標に据えています。対する秋田は、高いDFIQと走力で“鈍足ツインタワー”を翻弄できるかが勝敗の分水嶺。
ケンゾーHCが掲げる「40分間ハードに走るバスケ」を貫ければ、アップセットの芽は十分にあるはずです。
さあ、あなたの予想はどうでしょう? 北海道との対戦は12月24クリスマスでアウエー開催だ。もちろんシーズン序盤ではあるものの、そのころにはチームアジャストや、仕上がりが、どうなっているのかも興味深い。バスケットはチームプレイなので、オフェンスもさることながらディフェンスの駆け引きもある。
いずれにせよ、一筋縄ではいかないので、目が離せなくなりそうなシーズンではあるのは確かだ。