今日の試合の注目点、
盛岡タカヤアリーナで開幕した東北カップ。秋田ノーザンハピネッツはB2福島ファイヤーボンズを85-57で下し、まずは準決勝へ。今週のテーマに掲げた「原点回帰のディフェンス」がしっかり効き、立ち上がりから主導権を握りました。一方で、土屋アリスター時生選手の脳振とう疑いによる登録外、髙比良寛治選手・キアヌ・ピンダー選手の欠場が重なり、ローテーションはタイトに。現地に駆けつけたブースターの熱量に背中を押されつつも、ここは「無理せず、でも勝つ」バランスが問われる一戦でした。
試合結果・速報
2025-26東北カップ 秋田ノーザンハピネッツ VS 福島ファイヤーボンズ
会場:盛岡タカヤアリーナ
Quarter | 秋田 | 福島 | 差/注記 |
---|---|---|---|
1Q | 27 | 12 | +15(立ち上がりの圧) |
2Q | 18 | 18 | イーブンでコントロール |
3Q | 14 | 14 | 我慢の時間帯 |
4Q | 26 | 13 | 締めのランで突き放す |
TOTAL | 85 | 57 | 秋田 85-57 福島 |
立ち上がりから秋田のプレッシャーDが機能し、福島の1stオプションを遮断。オフェンスは外頼みにならず、ポストアップとドライブでペイントタッチ→キックアウトの順番が整理されました。今季の<楽に点が取れる>手応えは明らかで、東北カップ=ロースコアのイメージを覆す内容に。
ゲームの流れ(抜粋)
・1Q:ヤニー・ウェッツェルが序盤のリム周りを制圧。セカンドチャンスも拾ってポゼッション優位を作る。
・2Q:栗原の果敢なインサイドアタックでギャップを突き、田口のクイック3Pが刺さる。赤穂は3Pとリバウンドで効率よく加点。
・3Q:拮抗時間帯でもディナイとカバレッジの約束事は崩れず、ロースコアで我慢。中山のスティール→レイアップで流れを握り直す。
・4Q:ウェッツェル→アリ・メザーのバックカット、ライスナーのフローター、元田のドライブで再加速。最後まで守備の強度を落とさず締め切りました。
ハイライト動画
今回はありません。
ケンゾーHCコメント
「人数が限られた中で選手たちがよく頑張ってくれました。今週はディフェンスにフォーカスして練習。先週108失点から“50点削ろう”という話をして、今日は実際に半減できた。得点も80点を超え、目指す形に近づいています。明日は開催地・岩手さん。勝って決勝へ行けるよう準備します」
選手コメント
ヤニー・ウェッツェル:「守備をハードにやるのは自分たちのスタンダード。今日はギャンブルを抑え、トラップに行く・行かないの判断が良かった。先週の108失点を半分まで抑えられたのは大きい」
福島・ライアン・マルシャンHCコメント
(要旨)秋田の強度とトランジションにリズムを崩され、前半から主導権を渡してしまいました。こちらのショットセレクションとリバランス、ボールプレッシャーへの対応は即改善が必要です。とはいえ、プレシーズンは学ぶ場。明日すぐにコート上で修正し、開幕へ積み上げます。
(東北カップに向けた事前コメント)「自分たちを知り、1日1日成長することが大事。オフェンス/ディフェンスのシステム理解を深め、良くしていきたい。東北カップは試しながらも全員が経験を積む機会にしたい」
戦術メモ:原点回帰のディフェンスとは?
秋田の“原点回帰”は、単に当たりを強くする話ではありません。①ボールプレッシャー→②ギャップの早埋め→③最後は縦の壁という連続性の徹底、そして「行く/行かない」判断の共有。今日はこの共通理解がブレず、ドライブの一歩目で優位を与えませんでした。結果、福島のキックアウト3も本数・精度ともに抑制。ペイントを守ったうえでの外許容、という秋田らしい我慢が戻ってきました。
個人トピック:インサイド起点で“楽に点を取る”
ウェッツェルのポストアップは単なる1on1で終わらず、ショートロール→二次展開のハブとして機能。メザーのハンドオフやズレ作りも噛み合い、3Pに依存せず加点できました。栗原のアタックで相手ビッグを引き出せたのも好材料。「取るべきところで2点を確実に」を体現できたことが、最後のダメ押しに繋がっています。
ロスター事情:少人数ローテの勝ち筋
土屋アリスター時生が脳振とう疑いで登録外、髙比良・ピンダーも欠場。帯同状況は異なるものの、いずれも無理は禁物。今日は短いシフトで心拍数を高く保つ運用がハマりました。セカンドユニットでは、メザー起点のテンポアップと、ライスナー(インサイドのフィニッシュ&ショートロール配給)で“短時間のミニラン”を狙う設計が効率的。ゾーンの一回しのぎも体力管理のオプションとして引き続き持っておきたいところです。
課題:トランジションDの徹底
終盤、福島のファストブレイクを続けて許した場面は反省材料。シュートセレクション後の即時リバランス、ボールサイドの1stパス遮断、誰が戻りの1st・2ndを担うかの明確化――この3点は明日に直結する細部。秋田の“基準”を90秒間だけでも落とすと一気に流れが傾く。勝って学べたことを即反映させたいですね。
明日への見どころ:岩手はホーム、出し過ぎない勇気
準決勝は開催地シードの岩手ビッグブルズ。ホームの勢いは侮れませんが、今日のようにディフェンスの約束事とペイントタッチの原則を貫けば、過剰にスペシャルは要りません。プレシーズンは映像資産がそのまま露出する時期。セットの入り口だけ見せて締めは隠すくらいの割り切りでOK。まずはケガなく次へ、が合言葉です。
最後に(まとめ)
85-57の快勝は、内容も伴った“原点回帰”。ウェッツェルの存在感、メザーのテンポ、栗原・田口・赤穂・中山・元田・ライスナーのそれぞれが役割を遂行し、3P依存からの脱却を感じさせました。とはいえ、ロスターはタイト。勝ちながら整えること、出し過ぎないこと、そしてケガをしないこと――この3点を握りしめて、明日の準決勝に向かいましょう。現地の皆さん、配信で見守る皆さん、今日もお疲れさまでした!