今日の試合の注目点
盛岡タカヤアリーナで行われた東北カップ準決勝、秋田ノーザンハピネッツはB2復帰で勢いに乗る岩手ビッグブルズと激突。78-76の薄氷の勝利で決勝進出を決めました。前半は相手のペースに飲まれかける時間が長く、ハーフコートの守備で後手に回るシーンも。それでも後半の守備修正で流れを引き戻し、試合終盤はベテラン中山拓哉のいぶし銀が火を噴く——スティールからの速攻、24秒バイオレーションを誘うタイトな守り、そしてリバウンドでの勝負所の一手。秋田らしい「守って走る」で、最後はフリースローを沈めて勝ち切る形となりました。
岩手はホームの後押しを受けてインサイド/外角のバランスが良く、クレイ・マウンスの3Pやフィジカルなアタックが脅威。さらにゴール下ではライスナー(エンドワン)など、個で崩すシーンも目立ちました。秋田としては内容面での反省も残しつつ、トーナメントで最も難しい「接戦を勝ち切る経験値」を手に入れた価値ある一勝。ブースター目線でも、手に汗握るナイスゲームでした。
試合結果・速報
2025-26東北カップ 秋田ノーザンハピネッツ VS 岩手ビッグブルズ
チーム | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
秋田ノーザンハピネッツ | 23 | 17 | 23 | 15 | 78 |
岩手ビッグブルズ | 21 | 23 | 17 | 15 | 76 |
会場:盛岡タカヤアリーナ / TIPOFF:9月14日(日)14:30
ゲームの流れ:出だしは互角の点の取り合い。秋田はドライブのヘルプ遅れから外を開けてしまい、2Qで主導権を譲って40-44(前半)と追う展開に。後半はスイッチ後のマッチアップ調整と、スクリーンナビゲートの徹底で失点をコントロール。3Qに23-17と逆転に成功し、勝負の4Qは一進一退の攻防に。ラスト数分で相手の3Pにリードを許す場面もありましたが、そこで見せたのがキャプテンシー溢れる中山。スティール→速攻で流れを引き戻し、直後に24秒オーバーを誘発。さらにもう一度ボールを刈り取り、ウェッツェルのダンクに直結させ会場の空気を変えました。最終盤は接触の多い展開の中でフリースローを得て、落ち着いて沈めて勝負あり。紙一重の攻防を押し切りました。
注目プレー:秋田の生命線はやはり守備の遂行度。前半はヘルプ後のローテの遅れからフリーを作られましたが、後半はボールプレッシャー→ドライブの初動カット→最後はリムプロテクトの三拍子が揃い、相手の効率を鈍らせました。攻撃ではショートロールからの展開や、ミスマッチを突くポストエントリーが効果的。トランジションの先頭はウェッツェルが走り切り、ガード陣の粘りの守備が「走るきっかけ」を生み出す好循環が生まれました。
活躍した選手:今日の“ブースターMVP”は中山拓哉。要所のスティール、24秒バイオレーションを迫るディナイ、終盤のルーズボールとリバウンド——数字に出にくい「勝たせる所作」で試合を動かしました。ウェッツェルはリム周りのフィニッシュに加え、勝負どころの気合のダンクでチームを勢いづける働き。対する岩手はクレイ・マウンスが外の連打で存在感、ライスナーのエンドワンは圧巻で、最後まで手を緩めない粘り強さは見事でした。
ハイライト動画
今回はありません。
ケンゾーHCコメント
「前半は相手の持ち味(守って走る)にリズムを作られ、我慢を強いられた。ハーフタイムで守備を修正し、後半の失点を抑えられたのが勝ち切れた要因。クレイ・マウンスに外をやられた点は今後のスカウティングで対応したい。フリースローを10本落としたのは課題だが、接戦を制した経験はチームにとって大きい」
選手コメント
中山拓哉「終始やられている時間が多かったけれど、最後まで我慢し続けてチームで勝ち切れた。反省点は多いが、勝って反省できるのは良いこと。連戦の中でもう一段ギアを上げて、明日に繋げたい」
最後に
スコア以上に“勝ち切り方”に収穫のある試合でした。後半の守備調整、中山の勝負強さ、ウェッツェルのリム走りは、トーナメントを戦ううえでの大切な武器。一方で、フリースローの精度、前半の外角対応の遅れ、ローテーションの短さから来る終盤の疲労は隠せません。叱咤を込めて言えば、今日の展開は自分たちで難しくした試合でもありました。だからこそ、この2点差を「次は安全圏で締める」ために、リード時のオフェンスのテンポ管理と、止めた後の一発目のショットセレクションをもう一段賢く。連戦のラスト、相手は仙台89ERS。守備の強度を40分間落とさず、序盤から主導権を握りたいところです。さあ、3年ぶりの東北カップ制覇へ。ブースターの声援で、最後の一歩を押し上げましょう!
決勝プレビュー:仙台89ERS戦(9/15 15:30/盛岡タカヤアリーナ)
いよいよ東北カップの頂上決戦。対する仙台89ERSは準決勝で93-80と青森ワッツを下しており、4Qに29点を叩き出す伸びのあるオフェンスが脅威です。秋田は昨日、岩手に78-76の辛勝。後半の守備修正で流れを引き戻したまま、決勝では「最初の10分」から自分たちの色を出せるかが勝負の分岐点になります。ティップオフは9月15日(月・祝)15:30、会場は盛岡タカヤアリーナ。秋田の“守って走る”を40分通しで貫けるか、ブースターの声で背中を押しましょう。
相手の現在地:仙台は「終盤で加速」する
仙台は準決勝、1Qこそ15-22と出遅れたものの、2Q以降は29-22、20-17、29-19とラップを積み上げ93-80で逆転勝ち。ここから読み取れるのは、試合が進むほど守備とリズムが噛み合い、終盤でギアを上げる特性です。秋田は3Qの入りと4Qの最初の3ポゼッションでミスを抑え、テンポを渡さない時間管理が肝。リード時のショットセレクション(早打ちの抑制)と、外が止まった際のポスト→キックアウトやショートロール起点での崩しを徹底したいところです。
秋田が勝つための3つの鍵
- リバウンドの統治(特にDREB):仙台は流れに乗るとトランジションが鋭くなるため、まずワンポゼッションで守り切ることが必須。終盤の失点源を断つ最短ルートがDREBです。
- ファウルマネジメント:準決勝は岩手がファウルがかさみ終盤に響きました。決勝は自分たちが“貰う側”に回る意識を。早い段階で相手のチームファウルが4つに乗れば、4QのFTで試合を締めやすくなります。
- トランジションの質:昨日の勝因は、中山のスティールからの速攻、24秒違反を誘う圧、そしてウェッツェルのダンクに象徴される守→攻の切り替え。決勝でも「止めた次の一歩」を全員で速く。これが仙台の4Qランを相殺する最良のカウンターになります。
ミスマッチの突き方とラインナップ運用
仙台はサイズと運動量のバランスが良く、同じ形での攻めは通りにくい相手。秋田はハンドオフからのサイドピックや空サイドPNRでスイッチを誘発し、ガードが大きい相手を置き去りにするパターンと、ビッグが小さい相手を背負うパターンを使い分けたい。準決勝で手応えのあったショートロール→弱サイドの45度への展開は、ヘルプが厚い仙台にも有効。ローテーションが短くなる時間帯は、ベンチからの“走れる”ユニットを4〜5分刻みで差し込み、4Qに脚を残す設計で。
要警戒:仙台の「第4Qの伸び」
青森戦の4Q 29点は象徴的。試合が進むほど、外角の精度とセカンドユニットのエナジーが噛み合って増速します。これを抑えるには、クォーター最後の2分(いわゆるクラッチ前の山)で不用意なターンオーバーをゼロに近づけること。加えて、タイムアウト直後のセット1本目は最も集中して取り切る。ここを重ねていけば、仙台のランに“歯止め”をかけられます。
ゲームプラン(秋田版)
- 守り:ボールプレッシャー→ドライブ初動カット→最後はリムプロテクト、の三段構えは昨日と同様に。スイッチ後のマッチアップ整理を早め、外の連打を許さない配置に。
- 攻め:ハイローとミスマッチ活用でペイントタッチを継続。外が重い時間帯はポスト→ダブルが来た瞬間の逆サイド展開で確率を担保。
- 管理:2Q終盤と3Q頭のゲーム管理(テンポ・ファウル)を徹底。ボーナス到達の設計で終盤のFT勝負に持ち込みたい。
数字で見る直近フォーム(準決勝の比較)
項目 | 秋田 | 仙台 |
---|---|---|
最終スコア | 78-76(vs 岩手) | 93-80(vs 青森) |
前半の流れ | 40-44で折り返し(ビハインド) | 1Qは15-22(ビハインド) |
終盤の傾向 | FTで締めて勝ち切り | 4Qで29得点と加速 |
※公式発表・各クラブの試合結果リリースより作成。
注目ポイント(ブースター目線)
中山拓哉の“勝たせる所作”は決勝でもカギ。昨日見せたスティール→速攻、24秒違反を誘う密着守備、勝負所のリバウンドは、大会の流れを決める“試合の温度”を一段上げます。リムではウェッツェルの走力とフィニッシュが生命線。相手のランに対して、止める→走る→決めるを2連続で成功できれば、会場の空気は一気に秋田色に染まります。
予想スコア&勝敗
秋田 74 – 70 仙台(予想)
ロースコアの接戦想定。理由は、①両軍とも守備強度が高く、決勝によるポゼッション価値の上昇でペースが落ちること、②仙台の4Q加速に対し、秋田がDREBとFTでブレーキをかける展開を描けること、③昨日の後半で掴んだ守備修正の手応えを立ち上がりから実装できれば、主導権を長く握れるためです。もちろん、3Pの日(特にコーナー)の出来で上下に±6点のブレは想定。「勝って反省」から「勝って仕留める」へ。ここでタイトルを引き寄せましょう。
備考:大会スケジュール(9/13–15)と決勝のティップオフ時刻は主催・参加クラブの発表を参照。会場は盛岡タカヤアリーナ。