選手の激論でカムバック成功!最小のロスターをメザーがチームを活性化し中山がゾーンを撃破

ハピネッツ試合結果

【秋田75-65横浜】“我慢の3Q”でホーム初白星!ピンダーの覇気と中山の一矢、ウェッツェルの存在感が勝ち筋を描いた夜

群馬との苦い連敗から中2日。CNAアリーナ☆あきたに戻ってきた秋田ノーザンハピネッツは、横浜ビー・コルセアーズを相手に待望のホーム初勝利をつかみました。タナー・ライスナー、栗原翼、赤穂雷太は引き続き欠場、田口成浩は手術を控える厳しい台所事情。それでも、ピンダーの覇気、中山拓哉の勝負どころの一撃、そしてウェッツェルの揺るぎない柱ぶりで、チームは“今ある戦力”で勝ち切る方法をコートに刻みました。この記事ではブースター目線で、ちょい辛口も交えながら、この一戦を濃密に振り返ります。

今日の試合の注目点

「3Qの19-8」「ゾーンへの解答」「主力不在下の役割明確化」――この3点が、今日の勝利の輪郭をくっきりさせました。勝負を分けたのは守備の我慢。ゾーンの罠にハマりかけた時間帯でも、中山の一矢とハイポスト経由の意思決定で“正解”にたどり着いたことが、最後の10点差を生み出しました。FTは23本獲得(15得点)。“攻め続けた証拠”が数字にも表れています。

試合結果・速報

2025-26B1第10節11月12日秋田 VS横浜ビー・コルセアーズ

チーム 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
秋田ノーザンハピネッツ 22 23 19 11 75
横浜ビー・コルセアーズ 23 18 8 16 65

スターティングファイブ:#10 ヤニー・ウェッツェル/#12 元田大陽/#17 中山拓哉/#22 アリ・メザー/#25 キアヌ・ピンダー。MVPはピンダー、MIPは中山。チームは群馬戦の悔しさを持ち寄り「どうすれば勝てるか」を話し合い、この夜に答えを出しました。

1Q|22-23:テンポ良く先行も、イングリス&クラークに連続加点を許す

元田の3Pで口火。ウェッツェルとの合わせ、メザーのドライブで7-2。さらにウェッツェルの3P、ピンダーのゴール下でリズム良く13-8。攻撃は軽快、ボールが人と一緒に動いていました。ところが横浜はインサイドへの差し込みを連発し、イングリス、松崎、再びイングリスと畳み掛ける6-0のランで逆転。終盤はピンダーとクラークの外が応酬し、1点ビハインドの22-23で終了。内容は悪くない、むしろ“主導権を取り返せる予感”が漂う立ち上がりでした。

2Q|23-18:前線トラップが機能、メザーのアタックと終盤の走りで前半4点リード

高比良のベースラインドライブで再逆転。中山&元田がクラークへWチームを仕掛けてボールを奪い、メザーが2スローで加点。「もっと自信を持て」というケンゾーHCの促しに呼応するように、中山は自ら3Pリバウンドを拾ってFT獲得――この“がめつさ”が今日の中山らしさでした。横浜の安藤には連続3Pを許し34-37と揺さぶられましたが、終盤はピンダーの3P、ウェッツェルの3P、トランジションで中山→ウェッツェルの速攻が炸裂。45-41、主導権を握って折り返します。

3Q|19-8:ゲームの分水嶺。ウェッツェルの真っ向勝負、メザーの“おしゃれパス”、ピンダーの圧で一気呵成

立ち上がり、中山の3Pで48-41。横浜は谷口のアタックやターズースキーのミドルで追うも、ここで秋田はギアアップ。ウェッツェルがターズースキーに真正面からぶつかってFTを引き出し、ピンダーはターンオーバー直後のドライブで流れを引き寄せる。メザーのノールックぎみ“おしゃれパス”から中山がエンドワン――56-45と2桁差に。守ってはウェッツェルがリムを守り、リバウンドで二度目の攻撃権を許さない。“秋田がやりたいバスケ”に会場の熱が重なり、64-49。このQの+11が決勝点になりました。

4Q|11-16:ゾーンの罠と安藤の猛追。受け身になりかけるも、中山の一矢で解毒→逃げ切り

最終Q序盤にアクシデント。元田は接触の影響を考慮してプレータイムをセーブし、ローテはさらにタイトに。そこへ横浜はゾーンを投入。クラークのブロック、ピンダーのトラベリングを誘うなどゾーンが刺さり、安藤の連続3Pで一気に追い上げられる“嫌な流れ”。ベンチの指示とコートの判断が一瞬ちぐはぐになり、受け身に。ここで中山がトップからズドンと3P。ゾーンを割る“答え”を提示し69-59。残り4分、安藤のこの日5本目の3Pで71-62とまだ射程に入るも、終盤のファウルゲームを冷静に裁いて75-65。ホームに初白星を届けました。

キープレーヤー&辛口短評(秋田)

  • #25 キアヌ・ピンダー(MVP):内外で攻め続け“主語”になった。ゾーン相手にショートコーナーや外角で打開し、守備のカバー範囲も広い。理想は“無理のない積極性”の継続。早い時間のFトラブルゼロは高評価。
  • #17 中山拓哉(MIP):ルーズボール、前線プレッシャー、そしてゾーンを断ち切る一矢。数字以上に“空気を変える力”。終盤の判断精度がこのチームのメトロノーム。今日の進行役は文句なし。
  • #10 ヤニー・ウェッツェル:攻守の柱。ターズースキーとの肉弾戦に真っ向勝負でFTを量産し、3Qの主導権を握らせた。ペイントの信頼感はリーグトップクラス。ダブルチームの来方に応じた置きパスの再現性をもう一段。
  • #22 アリ・メザー:アタックとアシストでハーフコートの“崩し”を提供。良い意味での性急さと、間合いを測る“待ち”の使い分けが今日はハマった。TO直後のメンタルリセットが早くなれば、さらに怖い。
  • #12 元田大陽:試合の幕を開ける3P、前半のWチームを含む守備の意思統一に貢献。後半は無理をさせず。ゾーン時のハイポスト受けやショートロールからの一工夫が、次戦の拡張ポイント。
  • #24 髙比良寛治:ベースラインの突破力でアクセント。守備の“最初の一歩”はリーグでも通用。仕上げのフィニッシュ精度が上がれば、相手のスカウティングを上書きできる。

相手(横浜)の脅威と対策メモ

  • 安藤:連続3Pで試合を引き戻す破壊力。スクリーンの使い方が巧みで、スイッチ後のミスマッチを遠慮なく射抜く。次戦以降は“受け渡しの合言葉”とハードショー→後追いケアを明確に。
  • ターズースキー:フィジカルでペイントを制圧。ウェッツェルに真っ向勝負を許したが、シリーズ通して見ると依然脅威。ローポストでのダブルは位置とタイミングの“ズラし”を。
  • クラーク:ゾーンの要。ブロックで流れを変える。ショートコーナーでの迷いを作らない設計(ショート→ダンカー→ベースラインカッター)で2手目を用意すること。

勝因3つ/課題3つ(叱咤激励)

勝因

  1. 守備の我慢(3Q19-8):リム守備と最初のローテが早かった。リバウンドでもセカンドを許さず、横浜に“ため”を作らせなかった。
  2. ゾーンへの解法:中山の一発で解毒→以降ハイポスト経由の短い決断でテンポを取り戻す。ショートのスペース活用も良化。
  3. 役割の明確化:メザー起点/ウェッツェルの内圧/ピンダーの二刀流/サブ陣の限定任務遂行。主力不在下でも迷いが少なかった。

課題

  1. 終盤の“受け身化”:安藤の波に対して、ボールプレッシャーの“角度”と後追いケアがワンテンポ遅い。スイッチ後のマッチアップ整理を即時コミット。
  2. ゾーン対策の再現性:今日は“外の一矢”で割れたが、連続投入や変則(1-3-1派生)には2手目・3手目(ショート→ダンカー→ベースライン)をテンプレ化。
  3. TO直後のリセット:良い時間帯の不要TOで相手に流れを献上。再開セット(合言葉)をもう1枚用意して波を短く切る。

ハイライト動画

ケンゾーHCコメント


「昨日より守れた」ではなく「勝って反省できる」段階に。ディフェンスの基準値をこの試合に合わせ、オフェンスは“自分たちの形”の再現度を上げたい――そんな含意が伝わる会見でした。

選手コメント

中山拓哉「良い時間も悪い時間もチームで一つになれた。安藤選手のところは“来るのが分かっていても止め切れなかった”反省を次に活かしたい。」

最後に:苦境を言い訳にしない――“ここから”の秋田へ

ホームでの初勝利は、順位表よりも“チームの在り方”に効く1勝でした。ケガ人続出でも折れない、今いるメンバーで勝ち筋を作る――その覚悟を3Qの我慢と4Qの解毒が示しました。一方で、終盤の受け身やゾーンの再現性など、勝ってなお伸びしろは山ほどある。だからこそ面白い。次戦までの短い準備期間で、今日の良い部分を“基準値”に、課題は“テンプレ”で潰し込んでいきましょう。

田口の手術に向けて、チームは今日、最高の背中押しを届けました。ここからは、戻ってくる仲間のためにも、勝ちながら強くなる秋田を一緒に作っていく番です。ブースターの声は確実に届いています。次回も、アリーナで、画面の前で、共に。

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