待ちに待ったCNAアリーナ☆あきたのホーム開幕。相手は強豪・琉球ゴールデンキングス。秋田ノーザンハピネッツは、ここまでの悔しさをぶつけたい一戦でしたが、最終スコアは69-100。数字だけ見れば完敗――でも、内容は「負けの中に伸びしろが詰まった」試合でもありました。特に第3Qのディフェンス起点の追い上げは、秋田らしさが戻った瞬間。課題ははっきりしています。だからこそ、ここからの修正がハッキリ効くはずです。

この記事では、ブースターの皆さんのモヤモヤを言語化しつつ、コートで起きていた現象を分解。試合の流れを実況感たっぷりに振り返り、選手・HCのコメントを踏まえて、次戦への「3つの処方箋」を提案します。叱咤激励はしますが、愛ゆえに。今日の悔しさを、明日の歓喜に変えていきましょう。

試合結果・速報

2025-26 B1 第4節 10月18日 秋田 VS 琉球

チーム 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
秋田ノーザンハピネッツ 13 13 29 14 69
琉球ゴールデンキングス 22 18 26 34 100

会場:CNAアリーナ☆あきた(ホーム開幕)/TIP-OFF 16:25

ゲームの流れ(実況感たっぷり・濃密レビュー)

スターティングファイブ

  • 秋田:#6 赤穂雷太/#10 ヤニー・ウェッツェル/#12 元田大陽/#17 中山拓哉/#25 キアヌ・ピンダー

1Q|立ち上がりの0-9。インサイドの綻びとイージーの取りこぼし

ホームの熱気を背に受けた秋田でしたが、序盤は琉球のポスト起点に後手。クーリーの深いポジション取りから失点を重ね、こちらはペイントで身体を当て切れず、ヘルプの連携も遅れ気味。オフェンスではオープンのショットを落とし、リズムをつかみ損ねます。流れをつなぎ直したのは元田の3P。ディフェンス強度も一段上がったものの、琉球はセレクションが良く、外も内もバランスよく加点。13-22で最初の10分を終えます。

2Q|日本人の自助努力が光るも、“もったいない”の連鎖

中山のドライブ起点、田口のキックアウト3など、秋田の「日本人スコアラーの自助努力」が見えた時間帯。ピンダーのショットブロックから速攻も出て、アリーナのボルテージは上昇。ただし、せっかくのターンオーバー誘発からの“+2”を取り切れない場面が続き、逆に琉球は岸本・松脇らシューターが要所で沈める。我慢の2Qは13-18。前半合計26得点という数字が、攻撃の硬さを物語りました。

3Q|秋田らしい「守→走→外」が炸裂。追い上げの最良形

ハーフタイム明け、秋田は守備のスキームを微修正。マンツーマンとダブルチームの織り交ぜで起点を潰し、赤穂のスティールからトランジションでウェッツェルのトレーラー3。ピンダーの読み切ったスティール→田口のアタックand1と、「守からの速い2手目」で一気に点差を詰めます。土屋のゴール下も効き、ベンチも総立ち。しかし、琉球はここで動じない。松脇の3P、岸本のテンポチェンジ、小気味いいオフボールの連続アクションで再び二桁差へ。とはいえこのQは29-26。秋田の“やるべきこと”がハッキリ出た10分でした。

4Q|ウェッツェルのファウルアウトでプラン崩壊。速攻被弾→外を立て続けに

最終Q冒頭、痛恨のターンオーバーから速攻被弾。悪い流れのままウェッツェルがファウルアウト。インサイドの抑えとスクリーン後のポップ&ショートロールが機能不全に陥り、オフェンスは単発化。守備側もクローズアウトの一歩目が遅れてしまい、コーナーまで回し切られて被3P。終盤は琉球の層の厚さと完成度に押し切られ、14-34。反撃ムードを最後まで燃やし切るには、ファウルマネジメントとセカンダリーアクションの即時切替が必須――そんな教訓が刻まれました。

秋田の収穫と宿題

  • 収穫①:第3Qの「守から走」…スティール→直結得点/オフェンスの“2手目”が出ると一気に秋田の色が濃くなる。ピンダーの読みと赤穂の間合い、田口のフィニッシュが好循環。
  • 収穫②:日本人陣の能動性…中山のドライブ、田口のスポット3、土屋の泥臭いリム周り。役割遂行の意志ははっきり。
  • 宿題①:イージーの取りこぼしを減らす…トランジションのラストパス、ノーマークの足腰、タフショットとグッドショットの線引き。
  • 宿題②:被3Pケア…スイッチ後の救済、ヘルプの角度、コーナー優先のローテ。1歩目のスタートを0.2秒早く。
  • 宿題③:ファウルマネジメント…ウェッツェルが座った際の代替ローテ(ミニラインナップ or 変則ゾーン)をベンチと共有しておく。

相手・琉球のポイント(要所の巧さ)

琉球は「人もボールも動く」時間帯をしっかり作り、ミスマッチを執拗に突く我慢強さが抜群。クーリーのロール/ディープポジション、岸本の決め切り、松脇のキャッチ&シュート、さらに途中のスティールからの一発加点――ディフェンスで奪って、外と中のバランスで仕留める“勝ち慣れた”構図でした。秋田はこのクオリティに40分対峙し続ける必要があります。

データで読む“勝敗の分岐”

  • 第3Qだけは秋田がスコア上回る(29-26)。守備由来の得点が増えた時間帯は一気呵成。
  • 被3Pのダメージが大きい。クローズアウトの遅れとヘルプ→ローテの迷いを突かれた。
  • ファウルトラブルがプランに直撃。ビッグが座る時間の“次善策”の共有度が課題。

ハイライト動画

ケンゾーHCコメント

前田顕蔵HCは、前半の得点停滞と3Pディフェンスの課題、第4Qの失速、そしてウェッツェルのファウルアウトによるゲームプランの崩れを認めつつ、「第3Qの内容は良かった。後半のような形をスタンダードにしたい」と総括。「40分間、琉球に対して守備を継続できるかが明日のチャレンジ」と語り、修正可能な手応えを示しました。

選手コメント

  • キアヌ・ピンダー(秋田)…起点となるスティールや外角の加点で反撃を牽引。「第3Qの勢いをスタンダードに。もっとリーダーシップを発揮したい」と前向き。勝敗は重いが、学びは多かったと強調。
  • (参考)琉球のキープレーヤー…岸本隆一の要所の一撃、松脇圭志のキャッチ&シュート、クーリーのインサイド支配、崎濱秀斗のスティールなど、守→攻の切替が明快。「動いて打つ」原則が徹底されていた印象です。

今日の“辛口”チェック(叱咤激励)

  1. 最初の3ポゼッションに全力投資…入りの0-9はもったいない。最初のセットは確率重視で、ポストかPNRのショートロールでゴールに触る。
  2. “速攻が出ない時”のセカンダリー…DHOs(ハンドオフ)、ゲット→スリップの2手目でテンポを殺さない。ファーストブレイクが止まった瞬間の「次」を決め切る。
  3. コーナー3の抑制…ヘルプの角度を修正し、ローテの最短距離をチームで統一。スイッチ後は2ndヘルプの呼吸を合わせる。
  4. ファウルマネジメント…ウェッツェルが2つ目を早く拾ったら、思い切ったミニラインナップ+ゾーン変化で相手のリズムを寸断。
  5. ベンチユニットの役割再定義…「守備でペースを上げる」「リムアタックを増やす」など、出た瞬間に出す“色”をもっと明確に。

次戦へ:3つの処方箋

  • 処方箋①:守→走の“標準化”…第3Qのテンプレを40分に拡張。ピンダーの読み、赤穂の間合い、中山のプッシュ、田口のトレーラー3を定常運転へ。
  • 処方箋②:被3Pの一次予防…コーナー優先、クローズアウトの1歩目、ミスマッチ救済の早い2ndヘルプ。数字は明確に改善できる領域。
  • 処方箋③:ビッグ不在時の“割り切り”

ウェッツェルがベンチに座る時間は、スイッチ耐性の高い5人でギアアップ。トランジションの回数を増やして相手のセットアップを崩し、テンポで押し切る選択も十分アリです。

最後に

ホーム開幕での100失点、そりゃ悔しい。でも、負けの中に「勝ち方のヒント」がゴロゴロ落ちていました。秋田が強い時は、守備でボールを奪って走って、外で刺す。このアイデンティティを40分間やり切るだけで、景色は一変します。選手個人へのエールを込めて――ウェッツェル、次はファウルのコントロールを。ピンダー、そのアグレッシブさをもっと前半から。赤穂はレーンランの脅威を増やして、相手の足を止めよう。中山はペイントタッチの回数をKPI化したい。田口はコーナーで“ここぞ”を待たず、打てる時に撃つ。ブースターの声は届いています。次こそ、勝ち試合をCNAで。


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