試合の注目点
ホームのCNAアリーナ☆あきたで迎えたプレシーズン初戦。スコアは秋田ノーザンハピネッツ 94–108 フォルモサ・ドリーマーズ。数字だけ見れば完敗……ですが、内容を分解すると「今、手を打てば間に合う課題」と「昨季より伸びている収穫」がハッキリ見えました。特に前半のリバウンド対応と、トランジションでの戻り。ここが整えば、試合の景色は一変します。逆に、直せなければ東北カップ(来週、3連戦)に向けて本当に赤信号。今日のゲームを冷静に分解し、ケガ人の状況も踏まえながら、叱咤とエールを込めてレビューします。
試合結果・速報
2025-26 プレシーズンマッチ秋田ノーザンハピネッツVSフォルモサ・ドリーマーズ(ホーム)
まずはスコア推移から。1Qで走られながらも食らいつき、2Qで差が広がり、3Q・4Qもじわじわと点差を許す展開。守備で108失点という現実は、チームアイデンティティを考えると見過ごせない数字です。
クォーター | 秋田 | フォルモサ |
---|---|---|
1Q | 29 | 32 |
2Q | 19 | 23 |
3Q | 24 | 28 |
4Q | 22 | 25 |
TOTAL | 94 | 108 |
2025年9月5日(金)19:05、CNAアリーナ☆あきた。プレシーズンゲーム結果
ゲームの流れ・注目ポイント
①前半のリバウンド対応—セカンドチャンスを許しすぎ
前半は相手にオフェンスリバウンドを取られ、リズムを握られました。ボックスアウトの「最初の一歩」と、外れた瞬間に身体を当てる「接触の質」。この2点の徹底度が足りない。結果、守備時間が延び、残りのポゼッションでも足が重くなる悪循環。ここは明確なテコ入れポイントです。
②トランジション・ディフェンス—“最初の3歩”の遅れ
失点の多くは、シュートミスやターンオーバー後の切り替えで生じました。全員で戻る共通ルール(バランス/セーフティの役割)を改めて整理し、最初の3歩の全力ダッシュを徹底するだけで、被簡単得点はグッと減ります。これは東北カップまでに即日改善が可能な項目です。
③オフェンスは手応え—昨季比で「得点力」は向上
ポジティブもあります。今日はショットクリエイトからの展開や、ハーフコートでのズレづくりに手応え。ペースアップの兆しも見えました。得点が伸びている分、守備のベースを戻せれば“勝ち試合”に化けるだけの素材は揃っています。
活躍した選手・プレー内容
クラブ発表は個人スタッツの詳細記載が少ないものの、試合展開から見て、ドライブでのペイントタッチやキックアウト三点でポジティブなシークエンスが複数。スクリーンの角度とリリースタイミングの共有が進めば、さらに効率は上がります。現時点では「誰が何点」よりも、どうやって得点にたどり着いたかの“形”に収穫あり。ここに守備の土台が重なると、勝ち筋は一気に太くなります。
ハイライト動画
今回はありません。
ケンゾーHCコメント
「反省の多い試合。まずディフェンスの失点が多かった。前半はリバウンドを全然取れず、基本の遂行が不足。やるべきことが明確に出た試合。怪我人もいて難しいが、来週の東北カップ3試合に向け、タフなスケジュールの中で精度を上げたい」(要旨)。チームが向き合うべき課題を、極めてストレートに表現。ここから1週間で“基本の強度”をどこまで押し上げられるかが勝負です。
選手コメント
中山拓哉:「ディフェンスのチームで108失点は自分たちらしくない。ここを改善しないと色は出せない。得点は昨季比で良いが、やはりディフェンスとリバウンド。前半は相手にオフェンスリバウンドを取られて繋がれた。この点数を取られているようではレギュラーシーズンで勝てない。次に向けてチームでやっていく」(要旨)。失点への危機感はチーム共通認識。方向性はブレていません。
ケガ人情報(重要)
クラブは同日、#24 髙比良寛治(右リスフラン靭帯損傷・全治3〜4週間)、#25 キアヌ・ピンダー(脳震とうの疑い/復帰はBリーグの「段階的復帰プロトコル」に準拠)を発表。本日の試合は両選手ともメンバー登録なし(ただし帯同)。チームにとってはサイズ・運動量・多様性の面で痛手ですが、無理をさせない判断はシーズン長期戦略として妥当です。
目安の復帰タイムライン(編集メモ)
- #24 髙比良寛治:発表日の9月5日から3〜4週間。順調なら9月26日〜10月3日頃に全治見込み。ゲーム復帰はメディカルチェックとコンタクト許可後に段階的に判断(再発予防を最優先)。
- #25 キアヌ・ピンダー:症状経過を見ながら段階的復帰プロトコルをクリアして復帰可。個人差が大きく、具体日程は未定。無症状化→軽運動→強度上げ→フル練習→実戦というフェーズを、一段ずつ確実に。
東北カップまでに“即改善”したい3点
- 前半のリバウンド徹底:スクリーンアウトの声かけと役割固定。ウィークサイドの“挟み”を明文化し、「当ててから跳ぶ」を全員ルール化。早い段階でリバウンド要員を2枚残すパターンも検討。
- トランジションの最初の3歩:セーフティの位置と戻りのレーンを共通言語に。特にコーナーからの長い戻りをショートカットするため、ミス後の予測配置を事前共有。
- ファウルマネジメント:守備強度を落とさずにファウルを散らす。早い段階の「不用意な reach」を0本にするだけで、終盤のオプションが広がる。
“辛口”総括:今のままでは東北カップは厳しい、でも間に合う
今日は「守備でゲームを作れなかった日」。ただし、前田HCの言う通り、やるべきことは明確です。ベースの守備を戻せば、オフェンスの伸び—which is real—がきっちり勝ちに転換されます。ケガ人の穴は「仕組み」で埋める。リバウンドの役割固定、トランジションの最初の3歩、そしてファウルマネジメント。この3点を来週までにやり切れば、東北カップでの巻き返しは十分に可能です。
最後に
負けは痛い。でも、プレシーズンで課題が露出したのは幸運でもあります。今日の悔しさを糧に、「当たり前の質」をもう一段引き上げるだけ。秋田の強さは、地味な積み上げから生まれます。ケガ人の無理は禁物。全員が戻ってくるその日まで、私たちも一緒に耐えて、声で支えましょう。東北カップ、ここから修正して勝ち切ろう。
出典:試合結果・会見要旨・スコア推移はクラブ公式リポート、ケガ人情報はクラブ公式のお知らせを参照。いずれも2025年9月5日付。